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桜恋う月 月恋うる花

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 足を踏み出し、横薙ぎに剣を払う。
 軽く横へ飛んで躱されるのは計算の内。
 そのまま走り込んで間合いを詰める。
 リーチを使われたら私の方が不利。
 原田さんが間合いを置けないように、小刻みに次々撃ち込み、擦れ違いざまに脇から払いすぐに取って返す。
 袈裟懸けに振り下ろされた刀を下から跳ね上げて、一気に間合いを開く。
 流石にこの程度じゃ、原田さんの反応の良さには通じない。
 原田さんに合わせて右利きで撃ち込んでいたけれど、私は剣に限らず武道全般両手利きで使える。
 剣道は、神凪の中での修行として身に着けたものだけど、私はどちらかというとフェンシングの方が得意なのだ。
 細身の剣を両手で操り八方の敵に対応できる。
 日本刀は重いから長時間は使えない。
 尤も木刀なら余程重い剣を使う人相手でなければ両手で使えるんだけどね。
 原田さんが得意な得物は槍。
 つまりはバランス感覚が良い事。
 だったら、私としては思う存分楽しめるって事になるのかしら。
 原田さんが私の出方を待って撃ち込んでこなかった間を、こちらから次々撃ち込んでいく。
 前後左右に自由自在に動きながら、撃ち込み、払い、斬り下ろし、切り上げる。
 右利きの動きに左利きの動きも混ぜる。

「何っ!?」

 淀みなく動いていた原田さんの脚が止まった。
 崩れたリズムを見逃さず突きを入れるが、辛うじて避けられた。
 避けた方向から横薙ぎに滑らせた木刀が、原田さんの脇を捉える。
 スパーン!

「一本、神矢!」

 微かに眉を顰めたが、然程力はいれていない斬撃に、原田さんは息を吐いて苦笑した。


作品名:桜恋う月 月恋うる花 作家名:亜梨沙