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魔法つかいプリキュア!♦ダークジュエルストーリー♦

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 悩んでいるみらいを他所に、モフルンは足音を鳴らしながらその辺を歩いていた。黄色いキノコの傘の下に黒光りするものを見つける。
「あったモフ! 闇の結晶モフ!」
「やったね、モフルン!」
 モフルンがみらいの足元まで歩いてきて闇の結晶を渡した。
「これで6個目だね」
「闇の結晶は見つかったのかしら?」
 みらいがその声に振り向くと、視線の先に小百合がいて、そのすぐ近くをリリンが羽を動かしながら飛んでいた。
「さ、小百合!?」
 小百合の背後からラナの姿も現れる。小百合は初心者用の箒の先端で地面を軽く突いた。
「小百合、箒で飛べるようになったの?」
「おかげさまでね」
 リコはみらいと会話する小百合が幻ででもあるかのように呆然と見つめていた。小百合が箒を一振りすると、それがギュッと小さくなった。その小さくなった箒を小百合は右手の中に隠した。それから左手を返すと、ラナが右手を重ね、結ばれた二人の手に力がこもった。
 みらいとリコが立ち上がると、二人は小百合たちが変身する光に照らされた。次の瞬間に黒いプリキュアになった二人が現れていた。
「あなた達に戦う気力があるのなら変身しなさい」
 ダークネスがいうと、みらいの身が強張る。
「今はリコが……」
「トパーズよ」
「え?」
 みらいが見つめた先に、見慣れた親友の姿があった。霧がかかったように曇っていたマゼンダの瞳には知的な輝きが戻り、凛々しい表情に負けたくない強い気持ちがあることが一目でわかる。みらいの胸に暗雲が晴れて光が差してくるように希望が湧いてきた。
「リコ!」
 リコが頷くと、みらいの顔が少し曇る。
「でも、ダイヤ以外のスタイルには弱点が……」
「大丈夫よ、わたしを信じて」
 心配そうなみらいの目が、親友を信じるまっすぐな目に変わった。
 みらいの左手とリコの右手が重なって互いの温もりが伝わると、その場所に黄色い輝きの尖がり帽子が現れる。強くつないだ手を後ろに引いた瞬間に二人は輝きのドレスに身を包む。そして残った方の手を同時に高く上げると魔法の呪文を唱えた。
『キュアップ・ラパパ!』
 二人の背後で大地から突き出した4本の光の波動が天へと走り、大地が砕ける。みらいとリコがチャーミングな姿で甘いお菓子のただよう不思議な空間へと落ちていく。甘いお菓子と金色の世界の中でモフルンが楽しそうに両手をあげると、青と水色のストライプでラッピングされた大きなキャンディがやってきた。モフルンがキャンディと一緒に空中でクルクルと可愛いダンスを踊り、最後にキャンディを捕まえる。
『トパーズ!』
 青い包みから飛び出したハート型の黄色い輝石がモフルンのリボンの中央に嵌り、トパーズから眩い光が溢れて広がる。
 みらいとリコがモフルンの手を取ると、3人は輪になって清流に流れる花のように優雅に回って金色に輝く空間をさらに降下していく。
『ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!』
 モフルンの体に現れた黄色のハートが点滅すると、3人は金色の世界にとどまり光のリングに抱かれる。リングがハート型に変わって光を舞い上げながら回転すと、今のみらいに少し成長したみらいの姿が重なり、今の姿のリコにも少し大人びたリコの姿が重なった。
 無数の黄色い光のリボンがみらいの足を包み込んで、光が足首の部分にキャンディ―の形をした黄色のリボンと、トゥシューズのように甲にクロスのリボンが付いたオレンジと山吹色のコントラストのブーツになった。さらに次々と黄色の光が集まってみらいとリコの姿が変わってゆく。みら一番上に黄色いキャンディリボンが可愛い白いガーター付きのクリーム色のロングソックスがみらいの足首から上に現れ、上部がレモン色で下部が黄色の、お辞儀をした月見草のように可愛らしいスカート、その正面に一枚の花びらに当たる部分があり、その花びらの元に青と紫のキャンディリボン、スカートの下にはフリルとその両端にオレンジ色のツインリボンの付いたクリーム色のパンプキンスカート、腰に2本の長いリボンがなびく黄色のキャンディリボン、胸に赤いリボンのある半袖のパフスリーブとフリル付きの黄色のドレス、その腹部にはオレンジ色のハート型のボタンが一つ、首にネックリボンと手首には白いフリルのレースカフスが。
 リコの体に袖がオレンジ色のランタンスリーブの黄色のドレス、胴部にはストラップの付いたブラッドオレンジの帯、中央上部に綿飾りのついた胸を覆う大きな赤いリボン、オレンジの中指止めのリボングローブの指元には小さく絞ったメレンゲのような可愛らしい飾りがある。腰にはオレンジ色のリボン、蝙蝠(こうもり)が翼を閉じた型の黄色のスカートにはホイップデコレーションのようなレースのウェーブが飾られ、翼の間隙から中央に星のマークの入った薄紫のスカート、さらにその下に可愛らしい黄色いパンプキンスカートが現れる。ゆっくりと伸ばした美脚に光のリボンが巻き付く。ひざの辺りに星飾りのあるオレンジのロングソックス、足首にレモン色のふわふわリング、一点に多めに絞って付けたようなメレンゲの飾りのある真っ赤なヒール、光はそれらに刹那的に変化した。
 二人はメルヘンのお姫様のように可愛らしいドレスをまとうと、繋いでいた右手と左手を放すと周囲で回転していたハートの囲いが弾けて消えて、モフルンがとても楽しそうな笑顔を浮かべた。その瞬間に髪型も変化する。ミラクルは黄色のカチューシャに頭の左右に三つ編みの髪を二重に巻いたお団子に三つ編みのリングが垂れている髪型に、マジカルはオレンジのカチューシャに長い髪の左右で作った三つ編みを後頭部の星の髪留めで円を編み、重なった二つ円が無限を現す形を成し、残りの髪は腰を越えて流れる。二人は可愛らしくも不思議な髪型になった。
 ミラクルの胸のリボンとネックリボンの下に黄色い輝きが集まって弾けると、胸に菱形の黄色い輝石、首元にピンクのハートの奇跡が輝く。続いてマジカルの胸の綿飾りに光が宿って菱形の黄色い輝石が姿を現す。ミラクルとマジカルが離していた右手と左手をつないでモフルンと再び輪の形になると、二人の手首に金の腕輪が現れ、続いてミラクルの頭部の左のお団子に円の光が現れ、そこに青い光の帯が集まって青いキャンディリボンと、カチューシャの上にはミニサイズのピンクのとんがり帽子が乗り、左のお団子に現れた丸い光は赤い帯の光でラッピングされて赤いキャンディリボンに変化した。マジカルのカチューシャの左側に小さな黒い魔女の帽子が現れ、右側には淡い青の花形のリボンが現れる。そこに小さな卵型の光がやってきて、それが二つに割れ消えて産み落とされた黄色い光が花のリボンの上で形を変えて、上にホイップクリームと苺をデコレーションしたプリンの髪飾りになった。
 ミラクルとモフルンとマジカルは手をつないで、前からくる色とりどりのキャンディの流れに逆らって飛んでいく。三人はクッキーやカップケーキを背景に映し出す金色の世界をただよい、そして後ろから飛んできた大きな大きな青いキャンディに乗って心から楽しんでいる笑顔を浮かべつつ、現実の世界につながる黄色いハートの五芒星に向かって降下した。