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魔法つかいプリキュア!♦ダークジュエルストーリー♦

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 みらいとリコが光の衣に包まれてモフルンと手を取り合って輪になると、天井に白いハートの五芒星が現れて姿が消える。小百合とラナが星を散りばめたような七色の煌きのある黒い衣に包まれてリリンと手をつなぐと、足元に黒い月と星の六芒星が現れて、彼女らの姿も消えた。次の瞬間に空中に白と黒の魔法陣が同時に現れ、その上にプリキュアとなった少女たちが召喚された。全員が魔法陣の上から同時の飛んだ。ミラクルとマジカルが舞い降りる。
『二人の奇跡、キュアミラクル!』
『二人の魔法、キュアマジカル!』
 それと同時にダークネスとウィッチも地上に立った。
『穏やかなる深淵の闇、キュアダークネス!』
『可憐な黒の魔法! キュアウィッチ!』
 彼女らの前に黒い人型のヨクバールが黒い翼を広げて降りると、巨体の足が地面を破壊して振動が伝わってくる。
「ヨクバール!」
 拳を振り上げるヨクバールにミラクルとウィッチが飛び出していく。黒い拳が二人に迫る。最初のワンツーパンチをウィッチは上に跳び、ミラクルが横に引いてかわす。次の攻撃をウィッチが腕をクロスに組んで防ぎ、ミラクルは肘で防御すると同時にはじき返す。
「ヨクーッ」ヨクバールが二つの拳を同時に突き出してくると、ミラクルとウィッチは同時に上に飛んでヨクバールの拳の上に同時に乗った。二人がヨクバールの腕を駆け上る。ヨクバールの赤い目から光線が出ると、二人が跳んで一緒に避ける。そして、同時にヨクバールの眼前に迫った。
『だあーっ』ミラクルの右の拳とウィッチの左の拳が同時にヨクバールの顔面に叩き込まれた。
「ヨクッ!?」
 ヨクバールの頭がのけ反ってぐらついているところへ、マジカルとダークネスが駆け込んでジャンプ、二人同時の空中回し蹴りがヨクバールの腹に決まった。
「ヨクバール!?」ヨクバールは体を折り曲げて吹っ飛び、大地を揺るがしながら仰向けに沈んだ。
「大したことはないわ、一気に倒してしまいましょう」
 ダークネスが言って右手を斜め下に向かって振る。
「リンクル・スタールビー! プリキュアに力を!」
 ダークネスの腕輪に現れたスタールビーから赤い光の玉が四つ飛び出して、プリキュアたちの胸に吸い込まれていく。全員が赤いオーラに包まれて力がみなぎった。
「わたしたちにまで魔法が!?」
 マジカルは自分たちにまでダークネスの魔法が適応された事に驚いていた。
 ――やっぱり、伝説の魔法つかいと宵の魔法つかいには関連性があるんだわ。
 ダークネスの方は既にその関連性を認めているところがあったので、ミラクルとマジカルにも意識を向けて魔法を使ったのだ。彼女の予想通り、全員がスタールビーの恩恵に与った。
 ミラクルとウィッチはあまり深くは考えず敵に向かっていく。起き上ったヨクバールが二人を睨んだ。
「ヨクバール!」
 迫ってきた真っ黒い拳をマジカルはよけると同時に手首の部分を両手でつかんだ。
「つあーっ!」
 巨体をミラクルが軽々と投げ飛ばしていた。
「すごい! ルビーと同じくらいすごい力だよ!」
 とミラクルが驚いていると、ジャンプしたウィッチが飛んできたヨクバールに合わせて背中に蹴りを入れる。
「たーっ!」
 今度はヨクバールが垂直に落下すると、ダークネスが地上を蹴って下からヨクバールに、「はぁっ!」と拳を突きさした。ヨクバールはまた上空に弾き飛ばされる。
「リンクルステッキ!」
 マジカルが虚空に現れたステッキを左手で掴み、自身の前で斜に構える。
「リンクル・アメジスト!」
 ハート型の紫の輝石がリンクルステッキに輝くと、マジカルの頭上に魔法円が開く。マジカルは思いっきり力を込めてジャンプして魔法円に飛び込んだ。同時にヨク―バールが飛んでいく先に開いた魔法円からマジカルが飛び出し、空中で半回転して態勢を変える。
「はぁっ!」
 マジカルの飛び蹴りが下から飛んできたヨクバールの背中に食い込む。ヨクバールはまた凄まじい勢いで垂直に落下し、地面に叩きつけられた。戦いを見ていたチクルンがおもわず言った。
「すげぇ!」
「みんな強いデビ!」
「4人で協力すれば、どんな敵にも負けないモフ!」
 リリンとモフルンは嬉しそうだった。
 四人のプリキュアがそれぞれいた場所から戻ってきて半分地面に埋もれているヨクバールの前に並んで立った。
「ここはわたしたちに任せてもらうわ。ウィッチ、行くわよ!」
「よ〜し、キラキラ星の魔法にしようよ!」
 ウィッチが右、ダークネスが左に立ってブレスレッドを二人同時にそろえて上げると、二人の腕輪の黒いダイヤが消えて、ダークネスの腕輪がジェダイト、ウィッチの腕輪がインディコライトに代わって光を放った。
 ウィッチがパチンと指をならすと頭上にボンと白い煙が広がって、高速回転する箒に煙が吹き飛ばされる。
「ほい!」ウィッチがジャンプして回転する箒の真ん中をつかんで、そこから空中で箒に乗った。ダークネスが高く上げている右手をウィッチが左手でしっかりつかんで急上昇、二人はヨクバールの頭上へと至る。その時、ヨクバールは緩慢な動作で起き上ろうとしていた。
 ウィッチが箒から跳び下りて、ダークネスと手をつないで輪を作る。ジェダイとインディコライトが強く輝き、二人が体を水平に高速回転すると、腕輪の光が緑と青の円を描いた。
『二つの魔法を一つに!』
 二人は離れ離れになると、ヨクバールの左右に着地、腕輪ある手を地面に当てる。すると二人の手元から緑と青の魔法円が広がり、二つの円が完全に重なると、ヨクバールの足元に緑と青で描かれた月と星の六芒星が現れていた。二人が立ち上がってリンクルストーンが輝くブレスレッドを天に向けると、
『風と光の星降る魔法!』
 魔法陣から一挙に螺旋が目に見えるような凄まじい竜巻が起こり、ヨクバールの体が少し浮いた。
『プリキュア・スターライトニングストーム!』
 二人の強き言葉と意思により、魔法陣から無数の青い稲妻(いなずま)が上空に向かって走る。竜巻と稲妻が一体となってヨクバールを高く巻き上げていく。その青く輝く竜巻の外側を、先ほどウィッチが乗り捨てた箒が落ちてきていた。
「ほっ!」ウィッチがジャンプして箒をとって再びまたがる。
「いっくよ〜っ!」
 彼女は箒でローリングしてヨクバールとの距離を開けると、一度止まって狙いを定め、箒の筆からたくさんの星形の光をまき散らして高速で飛び出す。ウィッチのインディコライトが輝きを増し、電気の光がほとばしり、すぐにウィッチを完全に青い光で包み込んだ。青い彗星が竜巻の前を通り過ぎると、地上から天に昇る青い竜のように輝く竜巻と青い星屑の帯が十字を描く。小さな星々がヨクバールにギュッと集まってくっついて、巨大な星になってヨクバールをその中に封印した。すると竜巻が次第に細くなり、それに伴って地上から天に逆流する無数の稲妻が収束していく。そして一条の強烈な稲妻が星に封印されているヨクバールを貫いた。
「ヨク……バール……」
「フィニッシュ!」
 ウィッチが箒の上でウィンクとVサイン。ヨクバールが青い光の中に消えていくと大きな星が砕けて無数の小さな星々が花火のように広がっていった。ミラクルはその眼に青い星々の光を映しながら嘆息した。