魔法つかいプリキュア!♦ダークジュエルストーリー♦
二人の頭上に水が弾けるような波紋が広がり、そこから湧き出た青い閃光が飛翔する燕のよな鋭さで屈折しながら上昇し、最後の上に向かっていく。
「モ〜フ〜」
モフルンが水が吹き出すような光の周りを螺旋に飛んでいくと、青い光が一か所に集まって青き輝石現れ、モフルンの胸のリボンの中心で海のように輝いた。
『サファイア!』
泡のような不思議な光が下から湧いて、海の底のような青い世界が広がる。モフルンを真ん中に、みらいが左側、リコが右側で手をつなぎ、二人は背中合わせになった。そして、シルクのように美しい無数の帯と、水玉のような青い光を広げながら華麗に回る。
『ミラクル・、マジカル・ジュエリーレ』
モフルンの体で青いハートが現れると、彼女らの周囲に柔らかいシルクの帯で紡いだような大きん白いハートが現れた。3人が手をつないだまま飛翔すると、足元から尾を引く光が高速の世界へと導く。流れゆく水のような景色の中で、みらいとリコが青い光に包まれて、少し大人になった姿に変わった。
3人は青く輝くリングの中心に立った。みらいとリコが手をつないでいるモフルンを高く高くかかげると、二人の後ろに星を散らした天の川のような光が流れ、頭上で輝いた青い光が輪になって下降し、3人をくぐっていく。海底から上へと昇る泡のような無数の光の中で、みらいとリコの姿がプリキュアへと変わっていく。
みらいの胴回り、へその上部に赤いハートを飾ったピンクのリボンが現れると、同時に青いネックリボンから足までつながるマントのようにふわりした青い服、その下にピンクのトップス、神話の女神を思わせるピンクのスカートがひざ上程までらめく。
リコの胴回りに白金のリングが現れ、リングに通った大きなパールが、へその左下で淡く光る。同時に群青のネックリボン、右肩にふわりと青い生地の袖があり、その下に水色のリボン、そこから体の中心に向かってV字に分かれる衣服が形成される。腰まで青、そこか下はシャープなラインの群青のドレスになり、ひざ上程でマントのように広がる。その群青の下に、青とピンクの二重スカートが柔らかい花弁のように揺れた。
ミラクルの両腕と両足に水の輝きが宿り、それが泡のように消えていくと、足に黄色のサンダル、ひざ下、足首に金環、ひざ下の金環と足の甲を飾るピンクコーラルの間に、淡い青のレッグドレスが繋がる。中指にもピンクコーラルがあり、そこから肘の上まで開いた袖が水のように波立つ白いフィンガーレスの手袋が包む。
マジカルの両腕と両足に水の輝きが宿り、それが泡のように消えていくと、足に群青のサンダル、ひざ下に青のリボンタイ、その下から足首辺りまでは金の縁取りのある群青のレッグドレスとなる。同時に腕には、わきの下から肩下まで、竹を斜めに切った形の袖口の群青のグローブが、しなやかな人差し指にある金の指輪まで長くつながっていた。
ミラクルとまじかるが右手と左手をつないで向かい合い、モフルンと3人で輪の形になると、二人の長い髪が青に包まれ、形が変わり、泡が弾けるように光が消える。
ミラクルのふんわりとした髪は、後ろで青いパールが数珠つなぎの髪紐でしばられ、左側の三つ編みの部分と一緒に、先の方でピンクの真珠とハートの髪留めでまとめられる。そのピンクの髪留めから先に広がった髪が、青い世界で人魚の尾ひれのように跳ね、まとまったテールが金色の人魚のように泳いだ。
マジカルの髪は、水色の帯と一緒に頭の上から少し高いところまで、青色のサンゴのように硬く巻き上げられ、そこからる水色の帯を含んだ菫色のポニーテールが水を帯びたように輝く。
髪が変わると二人は跳び上がるイルカのように背をそって再び手を放す。すると、一本の青い光の帯が二人の両腕にまとわり、光が泡になって消えていくと、天女の羽衣が水底のような世界でゆらめいた。
穏やかに目を閉じているミラクルの、ネックリボンとドレスの交点に菱形の青い宝石が現れ、静かに目を閉じるマジカルの左肩のリボンにも、同じく宝石が現れて輝きを放つ。
ミラクルとマジカルがモフルンとつないでいる手に白いリングが現れ、モフルンが心から楽しい笑顔で左右を順番に見ていくと、白いリングが小さくなって、ミラクルとマジカルの手首で金色のリングになった。
ミラクルの頭に真珠のような水滴が現れて、それが広がって形となり、水がはじけ飛ぶと、水色のカチューシャと、小さな羽飾りのあるピンクのミニハットが現れる。ゆっくり瞳の輝きを見せるマジカルの姿は穏やかなる水の女神。
マジカルのカチューシャのように編み込まれた髪の上に真珠のような水滴が現れ、それが広がって形となり、水がはじけ飛ぶと、真紅の細月が二つ並んだオブジェのある黒い魔女のミニハットが現れる。ゆっくりと目を開けるマジカルの姿は、悩ましい気な美の女神。
青きプリキュアとなったミラクルとマジカルが、モフルンと手と手をつなぎ、川のようにつながる星々と、青くきらめくシャボンの流れる青い世界を飛翔しいく。そして3人は、青い魔法陣に飛び込んだ。
天上に現れし、伝説の魔法つかいの青い魔法陣から、3人が舞い降りる。モフルンが先に着地して、ピョンと前に跳んだ後に、二人が同時に着地した。
ミラクルが人差し指を右上に、その指で柔らかく円を描いてから胸の前に戻して優雅に右に回転し、開いたしなやかな右手が斜め下へと流れる。
「二人の奇跡、キュアミラクル」
ミラクルの下から輝く無数のシャボンが舞い上がる。
マジカルが横向きに美しい背中を見せて、返した右手に立てた人差し指を頭の後ろへ、曲げた右腕の間から美しい顔を覗かせる。最高峰の彫刻家が創造したような美しい指で斜め上を指し、その指がため息の出るような動きで円を描く。マジカルは左へ周り、右手を腰に、左の人差し指を横へと流す。
「二人の魔法、キュアマジカル」
マジカルの足元から無数の泡のような光が散りばめられる。
ミラクルとマジカルが左手と右手を合わせると、二人の羽衣が同時にはためく。二人は寄りそい、その身にお互いの存在を感じながら、合わせていた手を放し、少女たちの柔らかく開いた美しい手が前で重なり合った。
『魔法つかい、プリキュア』
二人は同時に飛翔して、白い塔に沿って上昇していった。それを見上げるリアンは、リコたちと小百合たちがどんな関係なのか考えていた。モフルンはリアンの足元で塔が突き刺さる刺す雲の中に、ミラクルとマジカルが消えていくのを見つめていた。
小百合たちは死力を尽くして塔の階段を上がっていく。小百合いよりも体力のないラナは、息も絶え絶えでもう限界だった。
「あうっ!?」
ラナがつまづいて倒れてしまう。
「ラナ!?」
「はぁ、はぁ、はぁ、小百合わたしもダメ……先にいってぇ……」
「バカッ! 行けるわけないでしょ! それに、リンクルストーンの試練なんだから、二人で行かないと意味がないわよ」
小百合が階段を少し降りてラナに肩を貸そうとしていると、
「二人とも、急ぐデビ!」
作品名:魔法つかいプリキュア!♦ダークジュエルストーリー♦ 作家名:ユウ