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女体化ジルヴェスターの災難~腐女子の養女・前編~

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かくれんぼの終わり 2



 私はある程度、自分の素性を晒す事にした。
「私は旅商人の夫婦から生まれましたが、5才の頃に棄てられました。以来、人から隠れて住んでいました。薄暗くて分からないでしょうが、この場所には食べられるモノが植わっています。私が世話をして、私が収穫して、時に保存して、食料としております。その他、足りぬ物は良くないと存じますが、少しずつ、気付かれぬ程度を盗ませて頂きました。
 7つは当に過ぎましたが、この様な生活故に、洗礼式も受けておりません。私は存在しない子供でございます。神の御名前も唱える事も叶いませぬ。」
 貴族は神や神話に由来する言葉で話す。魔術具の名前もそこから由来させている様だと、覗き見中に知った。それらを使う事が出来ないと言う事で、少くなくとも今は貴族特有の遠回しの言い方をしないと言う事を伝えた。
「ほう、その割には随分と物の道理を知るのだな。」
「お褒め頂き、嬉しく存じます。」
 じ、と私を見つめるジルヴェスターはおもし、いや、興味深そうだ。
 …それにしてもこんな真夜中にこの人は何をしているんだろう? カルステッドもついてきている様に見えない。キッチリ、とは言わないが、少なくとも寝間着姿では無いし、一体、どうして…?
「やはり其方が神の愛娘か。」
「え?」
 思い掛けない言葉を言われ、私は驚く。
「夢を見たのだ。この森に神の愛を体言した、新たなる聖女が居ると。偽りでない証しにこの虹色魔石を授けるから、夢が覚めたなら、急ぎこの森へ行けと。」
 詰まり目が覚めたら、枕元に覚えの無い立派な虹色魔石があった為、急ぎ自分で着替え、騎獣でやって来たと。護衛を撒いたのは面白そうだと思ったからに違いない。
 私は自分の夢を思い出した。魔術をジルヴェスターと合流するまで封じる事で、逃亡を塞がれたのだろう。多分、今逃亡しようとしたら、再び魔術を封じられるに違いない。こうなった以上、逃げられない。ならば…、

 覚悟を決めて、開き直ろう。

 趣味に生きる生活を辞めて、前世と同じく、趣味を生き甲斐にし、現実を生きるのだ。
「私がローゼマイン様の様に、畏れ多くも女神の化身になれるかは不明で御座いますが、それでも構わぬと仰せであれば、私の事をお話しましょう。――但し、御覚悟をなさいませ。余り御気分は宜しく無いかと存じますので。」
 こうして私は、私の前世がローゼマイン様と類似した世界である事と、その世界では、此所が物語の世界だった事を話した。平行世界や異世界の推測も話したが、何処まで理解されたかは分からない。