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女体化ジルヴェスターの災難~腐女子の養女・前編~

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かくれんぼの終わり 6



 最悪、私が巻き込まれる形で革命が起こるとしても、平和的な無血下剋上を望むわ。
「…分かった。了承しよう。」
 ジルヴェスターが重々しく頷いた。多分、演技じゃない。アウブとしての当然の顔。
 …歪ませたい。そして泣かせたい、鳴かせたい、哭かせたい……。
 ダメだ、自分を抑えよう。
「それとこの方法で金銭を稼ぎたいです。ローゼマイン様と同基準でお願いしたいのです。」
「ローゼマインと同じか…。」
 ジルヴェスターが続きを口にする前に私は言葉を紡ぐ。
「無論、上級貴族の娘に偽造されたローゼマイン様とは違い、私は只の平民、金銭を払う処か、話さえまともに聞かない人間が多いでしょう。ですから…、私はアウブには只でお教えします。そしてアウブからヴィルフリート様と、その側近と、旧ヴェローニカ派閥の者にお教えするのです。つまり御試しであり、宣伝です。勿論、彼等からも金銭を取りません。」
「成程、平民の考えた魔力圧縮方法が有効であると思われるから希望者は金銭を用意せよ、と言い、その証拠として実験の被験者達を扱う、と言う事だな。」
「その通りです。」
 ジルヴェスターは直ぐに理解したらしいが、難しい顔は変わらない。当然だ、一歩違えば、ヴェローニカ派を守ろうとしていると言われるだろう。
「最初に平民の魔力圧縮方法を知りたいかと訊ね、信用出来ないと言わせる。その後、実験としてヴィルフリート達に試させると宣言する。これが妥当だな。」
「そうですね。」
 それでも前向きに検討してくれている様だ。表向き名言はしていないが、ヴィルフリートはアウブにならないと思われているし、旧ヴェローニカ派閥は権力を持てない。実験体にする反対は起こらない。
 そして直ぐに他の貴族達に回させるのだから、掌返しも起こりにくいだろう。
「だがシュタープの件はどうする? 成長には限界があるのだろう?」
 私はニッコリと笑う。
「シュタープを進化させれば良いのです。方法はあります。唯まあ…、私しか出来ないでしょうね。」 
 ユルゲンシュミットの常識に縛られる人間には無理だ。何故ならシュタープを作り替えると言う事だからだ。人工的にシュタープを手にする洞窟をシュタープの大きさで作り、シュタープを作り替える。
 …神様の領域に足を突っ込む訳だ。
 命を作るなら忌避感も生まれ、障害となるだろうが、シュタープはモノだから、そんなモノは存在しない。
 幽体離脱で貴族院にて、沢山のシュタープを観て、気付いた事だ。その後、洞窟内も見てから断言出来るのだ。最も詳しくは話さない。