女体化ジルヴェスターの災難~腐女子の養女・後編~
領地対抗戦 6
コストダウンは良い値で売れた。特許申請の契約魔術、定期購入の決まり事、それらを含めた値段設定を口にした後で、初回限定サービスと言う名目で3.5割引くと、面白い程群がった。
例外はアレキサンドリアで様子見を決めた様だった。ローゼマインもフェルディナンドも魔力量が多く、評判から購入するかどうかを決める、と言う余裕が許されるのだろう。予想の範囲だ。
徐々にエーレンフェストの魔力総量を上げていき、アレキサンドリアを含め、他領とは絶対差をつける。女神に棄てられた、とは言わせない。ジルヴェスターへの悪評も、ヴィルフリートへの嘲笑も、全部消してやる。
上位に相応しい人材を育てるには、上位と混ざる社交経験の必要がある。それ以上に上位に相応しい人数を揃える必要がある。それには上位と混ざる婚姻が必須だ。それらの為の土台は私がなる。その価値を見せ付ける。だから。
「アウブ、エーレンフェストに戻っても、暫くはそのお姿で宜しくお願いしますね。」
「…アウブ・エーレンフェスト。何故、其方は手に負えない存在を持って来るのだ。ローゼマインと言い、レイナアリスと言い…、」
「私、そこまでではありませんっ!!!」
「常識知らずも常識外れも範囲内の人には違いが分からないのですよ、ローゼマイン様。」
アナ元王子の言葉もローゼマインの否定も軽く流す。そんなモノに構っている時間は無い。
思惑通り、領主会議まで乗り込んだ私の話はエーレンフェストに戻れば、必ず噂される。絶対な証拠になって貰うのだ。
「まあアウブ!! どうされたのです!? その様な美女になって!!!」
出迎えて目を丸くしているブリュンに理由を話す。
「まあ…、でもアウブ、とても麗しいですわ。是非、新しい流行りを作りましょう!!! 腕が鳴りますわ~。」
有り難い事にブリュンが釣れた。彼女には味方になって貰いたいのだ。遠い目になっているジルヴェスターには更なる苦行を味わって貰おう。…私の趣味の為にも。勿論、エーレンフェストの為が一番だけど。ホントだよ?
作品名:女体化ジルヴェスターの災難~腐女子の養女・後編~ 作家名:rakq72747