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女体化ジルヴェスターの災難~腐女子の養女・後編~

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交換条件 3



 ジルヴェスターの狙いはフロレンツィア派閥の力を増やし、ヴィルフリートの養育を取り戻す事。そうする事でフロレンツィア派閥を強固にすれば、元のライゼガングと合わせて、中庸となる。
 …どちらとなっても、マインをローゼマインにした時よりも、遥かに安定した筈だ。
 その情報がフェルディナンドに行っていなかったのは、神殿に詳細を伝える事が難しかったからだ。
 ジルヴェスターのサボり癖は、この動きを誤魔化す為に始まり、フェルディナンドはその皺寄せを受けたワケだ。
 幼い頃、勉強から逃げ出していたジルヴェスターならではの手だったが、そもそもジルヴェスターが逃げ出した当時の状況から察するに、ゲオルギーネに次期アウブを返そうとしていたのではないかと思う。只、ゲオルギーネ自身には伝えなかったし、伝わらなかった。それどころか、より苛立たせたのだと思う。
 ジルヴェスターはダメな甘やかしを無意識に行う欠点がある。多分、それは幼い時からだ。成長しても、フロレンツィアに心労を掛けたくないと、自分の動きを隠し、可愛そうだと母親を断罪出来ず、同じ理由で異母弟を切り捨てられず、幼いと言う理由が通用しないのに関わらず、ヴィルフリートに真実を教えず、アウブになる望みの無いシャルロッテに現実を伝えず、シャルロッテを蹴落とす可能性をメルヒオールに伝えず、甘やかしはしないと決めた筈の養女に貴族の派閥に染まらぬ自由を与え…、言い出したらキリが無い。優しさと甘やかしは別だと言うが、ハッキリと一線を引くのは難しい。確実に言えるのは、ここまで全方位に甘いとなると、却って優しさが伝わらないと言う事だ。外から見れば、さぞかし性格が悪いと見えるだろう。生じ、サボり癖の味を占めているくらいにはイイ性格をしているから尚の事。
 まあ、それはともかく。ヴェローニカが失脚した事で、ライゼガングは復活した。ローゼマインが現れた事で、野心も持った。
 そもそもライゼガングは良くある政争に敗北しただけだ。彼等はそこから這い上がった訳では無い。単にヴェローニカ派が自滅しただけだ。
 故に確実に自分達の立場を勝利者に押し上げたかったのだろう。そして躍起になった。あの手でこの手でローゼマインをアウブに着けたがったのだ。
 派閥と一口に言っても、そこに連なる人数が多ければ多い程、その中でも考え方は別れる。外敵があれば纏まるモノでも、外敵が居なくなった、或いはその驚異を感じなくなった時点で崩壊しやすくなる。一時政権を取った民○党が良い例だ。外から見れば馬鹿げていると見ても、内に入ればそう言う訳には行かない。派閥は人、人は力、数の分だけ、盾にも剣にもなる。
 派閥に頓着しないローゼマインは、何処までも人間関係に疎いだけでなく、エーレンフェストの諸刃となった。