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女体化ジルヴェスターの災難~養父と母と娘~

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アイゼンライヒの城にて



 城の壁を通り抜け、私は浸入を果たした。元の世界での研究の1つが、此方で何とか使えるのが有り難い。魔法陣の本体から離れている為、時間制限があるから、それまでには神殿に戻らねばならない。
 私は手っ取り早く、城の資料庫に向かう。その途中、執務室の前を通った時、扉が開く音がした。アウブ・アイゼンライヒは誰かと、少し気になっていたので、振り返る。

 ゲオルギーネ、か? 

 疑問が付いたのは、側近に囲まれる姿が男性だったからだ。
「お疲れ様で御座いました。アウブ。」
「うむ。ではこれより妹の処に行く。カルステッドだけついて来い。」
「「「はっ。」」」
 会話が聞こえる。側近達はカルステッドを残し、去っていく。カルステッドと此方のゲオルギーネと思われる男の2人が、私の居る方へ向かっているので、端へ拠る。
「ゲオルギール、珠には奥方様の処へ行った方が良いではないか?」
「子はあれ以上入らぬ。既に第一から第三まで2人以上いるでは無いか。義務は果たしたのだから、私は好いた女の処へ行きたい。」
 は? 
「…側仕えに堂々と避妊薬を貰うな。その内、領地内の貴族に広まるぞ。」
「ふん、もう広まっているでは無いか。…それよりどうしたのだ? 急にその様な事を…。」
「急に奥方3人がエルヴィーラに泣き言を言ってくる様になったのだ。ここだけの話、ローゼマインの事がバレたのでは無いか?」
「ふん、あんな虚弱な娘はどうでも良い。暗殺されても構わぬ。」
「だが実際に高みに昇られたら、ジルヴェスィアが何をするか…、後を追うかも知れぬぞ。」
「ジルヴェスィアはその様な弱い女ではない。母になって、より強くなったしな。…娘の敵討ちに走りそうだ。」
「どちらにしても問題では無いか。」
「分かっている。だからこそ神殿で生かしているだけでなく、貴族院に通える段取りをしているではないか。」
「私に丸投げしただけだろう。」
 …知らぬ内に私は2人の後を追っていた。戦慄が身を走り続けている。嫌な予感、そんな言葉では言い現せない程に。

 やがてゲオルギーネ、いや、ゲオルギール達がある部屋に辿り着く。中に入った2人の後を追い続ける事に、迷いは無かった。そして……。

 醜悪だった。

 隠し部屋に入らぬ処か、寝台の直ぐ前でカルステッドに警護させたまま、ゲオルギールはジルヴェスィアと…。

 冬を迎える。

 それを判断した私は、直ぐに部屋を出た。そのまま外へ向かう。騎獣で空を駆け、神殿に戻り着いた私は、混乱したまま、それでも予定通り、抜け出しの証拠隠滅を行った。