二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

女体化ジルヴェスターの災難~養父と母と娘~

INDEX|8ページ/14ページ|

次のページ前のページ
 

カーオサイファの詞



 この世界のカーオサイファは闇の神と光の女神の第一子として生まれた。しかし全属性で、闇が尤も強い父、同じく全属性で、光が尤も強い母から生まれたに関わらず、当初の彼女は闇と光の属性しかなかった。
 その為、光の女神から嫌われたらしい。父親である闇の神は可愛がってくれた為、父親には懐き、将来は父上と星を結ぶと言ったらしい。幼い少女には珍しくは無い発言らしいが(ローゼマインもギュンターの嫁になりたいと言っていた事があった)、その戯れ事を光の女神は本気にし、家族から追い出されたらしい。
 闇の神は我が子を可愛がっていたものの、一番は子ではなく妻で、あっさりとカーオサイファを裏切った。
 その後、全属性の子が次々に生まれ、カーオサイファが第一子であった事が無かった事にされた。
 弟妹達は親とは違う得意属性に目覚め、その溢れる力で眷属を増やしていった。
 命の神、エーヴィリーベは闇の神と光の女神が生まれた事で、自我を持った最古の神だった。彼の垂れ流しにしていた力が有象無象の神を産んでいたのだが、それを弟妹達が好む神を自身の魔力で染めた事ー名捧げの原型と思われるーで眷属となったのだ。
 エーヴィリーベの眷属はつまり、選ばれなかった余り者だ。
 カーオサイファとエーヴィリーベが愛し合った時、カーオサイファを独り占めしたがったエーヴィリーベにより、眷属化は禁じられた。カーオサイファは幸せだったし、行き過ぎた執着心が、子を持つ事さえ禁じても、カーオサイファは赦してきた。にも関わらず――、エーヴィリーベはあっさりとカーオサイファを棄てた。成長した妹、ゲドゥルリーヒに一目惚れしたからである。
 一番信用している眷属、エアヴェルミーンの協力の元、最高神として君臨していた闇の神と光の女神に結婚を願い、成立させた。
 しかもカーオサイファには様々な事を禁止し、横暴な真似をしていたに関わらず、ゲドゥルリーヒには優しく接していたのだ。
 カーオサイファは許せなかった。そもそも自分とは結婚していなかった、と思っているだろう事も予測出来てしまった。愛し合ったのは一時だけで、後は惰性だったと知ってしまった。
 しかしゲドゥルリーヒに気を使うからか、性欲は満足ならず、それを晴らす為だけにカーオサイファを抱きに来る。当然、子は作れない。ゲドゥルリーヒの為に。神は避妊交尾を完璧に出来るらしい。
 カーオサイファは復讐したのだ。それにより、神話のエーヴィリーベが生まれたのだ。
 神話を聞けば、ゲドゥルリーヒに同情する者も多い。だが、その裏で元凶扱いされたカーオサイファの心を気遣う声は無い。当然だ。神話が歪められているのだがら。
 ゲドゥルリーヒの為に怒り、メスティオノーラを守ったエアヴェルミーンを始めとする神々は、カーオサイファの為には何も動かなかった。
 その内、脆弱な人間達を格好付けて守る様になり、都合の良い様に曲げた自分達の話が今、語られている神話なのだ。
 だからカーオサイファの復讐は終わらない。神々の目がユルゲンシュミットに向けられている事を良い事に、他国を祝福している。
 今ではユルゲンシュミットの魔法に敵対出来る沢山の道具が生まれている。私が知るランツェナーヴェ製を上回るらしい。
 そして肝心なユルゲンシュミットは人間を明後日な方向で甘やかした結果、著しく弱まり、存亡の危機にある。そうはさせじと色々暴走した為、神の力は著しく弱まり、ユレーヴェに浸かるに等しい神が殆どだとか。
 そして彼等の希望として生み出された魂……、それが、

 ローゼマイン、だ。

 カーオサイファ曰く、爪が甘く、何の指命も授けず、生まれも全く考慮していない。全くの偶然だが、結果として、生きるのに難しい肉体を持ってしまっている。
 殺害は簡単だが、魂が残っている以上、また何処かで生まれ変わる可能性がある。
 何処か神に関係ない世界に行ってくれれば良いが、大抵は同じ世界に生まれ変わる。魂は簡単に傷を付けられるが、滅ぼすのはそうではない。ずっと監視するのも面倒だ。そこでカーオサイファは時空に穴を開け、そこに魂・心・肉体…、この世界のローゼマインの存在を別世界にやってしまおうと考えたのだ。