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神殿長ジルヴェスター(2)

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 洗礼式。7才を迎える多数の平民に神話を聞かせる。神への祈りと感謝を教える。領民として正式に登録する。祝いを述べる。軽く祝福する。やる事と言えばこんなものだ。
 ん? 順番が可笑しい? 気にするな。
 平年通り終えて、執務室にいると、巫女希望者がいると言われ、一応会ってみるか、と部屋に通させた。案内に従い、入室して来た少女は…、
「小さ過ぎて踏みそうでは無いか、其方…。」
 年齢詐称してないか? ん? この髪色に瞳は…。
「シュミルみたいではないか。」
 大股で近付き、しゃがむ。
「ほ~れ、ぷひっと鳴いてみろ。ぷひっと!」
 頬を人差し指を押してやる。
「いたっ、いたっ、」
「違う、ぷひっ、だ。」
 うりうりと突つきを繰り返すと、案内していた灰色が、困った気配を醸し出しているが、構うものか。
「ぷひ…、ぷひ…。」
 漸く鳴き始めると、ますます愉しくなる。が、そんな私の眼に見覚えの無い髪飾りが入った。
「何だ、これは?」
 そう言えば洗礼式に来た少女達が見馴れない飾りを着けている、と思ったな。流石に儀式の最中に構う暇は無かったから忘れていたが…。どうもこれはそれとはまた違う様だ。
「か、返して下さい!」
 どうやってかは解らないが、これで髪を纏めていたらしい。手に取った事で髪が解けたが、それよりも髪飾りが大事なのか、手を伸ばしてくる。…遊んでやろう。
「ほ~れ、取ってみろ♪」
 右や左に振りながら、徐々に立ち上がると、ノックが響く。
「失礼します、神殿長…、何をなさってるんです?」
 片付けが終ったらしいフランとギルが軽く目を開く。
「あれ? もしかして式で倒れた…、」
 ギルが少女を見て呟く。
「そうなのですが…、巫女見習いになりたいと口にされたので、神殿長にお目通りを、と思ったのですが…。」
 案内していた灰色が弱った目をする。
「そ、そうか…、具合が悪かったのか…。」
 流石に罰が悪くなり、髪飾りを返すと、少女がじっくりを確認して、髪を纏め直す。…壊す様な乱雑な扱いはしておらぬぞ? 
作品名:神殿長ジルヴェスター(2) 作家名:rakq72747