神殿長ジルヴェスター(11)
ダームエル様が跪く。
「ユストクス。」
領主様と一緒に来ていた1人だ。
「エグモンドの事はジルヴェスターに任せる。即刻、其方はジルヴェスターに伝えよ。」
「はっ、」
ユストクス様は領主様に何かを渡した後、転移陣(だっけ)へ向かって行った。
「ギュンター一家、並びに今、村にいる全ての者、前に出よ。」
そう少なくも多くも無い人数が集まる。ラルフ達からカミルを受け取った母さん達が父さんと合流する。
「マインをこれより領主一族とし、次期領主候補として育てていく。平民のマインは死亡した事にせよ。」
それを聞いた母さん達が悲鳴を押し殺す。自由を奪うってこう言う意味だったのか…。領主様は私を下ろすと、先程ユストクス様から受け取ったモノを私に持たせた。
「これよりこの場にいる全員と契約魔術を交わす。破った場合は命に関わると心せよ。
マイン、契約魔術の内容は其方が読み上げよ。その方が信用される。」
「はい。」
嗚咽を殺しながら、私は1つ1つを読み上げて行った…。
作品名:神殿長ジルヴェスター(11) 作家名:rakq72747