二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

神殿長ジルヴェスター(13)

INDEX|4ページ/7ページ|

次のページ前のページ
 


 「逆に上級貴族に落とす理由が無い。」
「フェルディナンドの優秀さを思えば確かにな。其方とローゼマインの実子扱いになるのが1番理想的か。」
 私の言葉に、カルステッドが顎を撫でながら頷く。
「…畏れながら申し上げます。」
 ユストクスが難しい顔をしている。その近くには呆然自失になっているエックハルトとハイデマリーがいる。頭が余り働いていないのだろう。案の定、だ。
「ジルヴェスター様のお考えは理解致しました。しかしそれを推して申し上げます。アウブはジルヴェスター様しかおりません。」
「ユストクス?」
 ボニファティウスが首を傾げる。
「ある程度計った部分もありますが、ジルヴェスター様が白の塔に入られ、白の塔から出られれば神殿に行かれ…、その理由が美談となって、他領に流れております。エーレンフェストの悪評にならぬ様、気遣った結果ですが、ローゼマイン様との婚約で、益々磨きが掛かりました。現状況でアウブがジルヴェスター様ではなく、ボニファティウス様がなられるのは、ジルヴェスター様に問題があると判断したとされ、これまでの事が意味を成しません。
 増してはジルヴェスター様の評判がそのままであれば、そんな判断をしたと、エーレンフェストの悪評が生まれます。
 他領から突き上げをくらいながら、ボニファティウス様が事を裁けるとは思えません。物理で解決出来ない事には不得意であられますから。」
 あ、やっぱり情報操作されていたか。
「うむ、ユストクスの言う事も分かるな。…もしライゼガングが煩くなるなら、私が何とかしよう。何、可愛い孫娘の為ならば、苦労も屁でも無いわ。」
「まあローゼマインもアウブには、何の執着も無いしな。…第一夫人と言う地位にも執着はなさそうだが。」
 それはそうだろう。ローゼマインの望みと言えば――――、
「…私がなって良いのか? 時流によっては私は邪魔になるやもしれぬぞ?」
 私は最後の念を押す。
「そんな事は起こしません。」
「必ず力になる。」
「いざとなれば、ぶん殴ってやれば良いのだ。」
 未だに固まっている2人を除いてだが、問題は無い。これで私がアウブになっても、余程の事を起こさぬ限り、ライゼガングは敵には回らぬ。赤子のフェルディナンドに再びアウブになる道が示されるならば、ユストクス達も納得する。
 これで…、私がアウブとなる為の礎は出来た。次は味方作りだ。
 カルステッドは私側だ。ボニファティウスはローゼマイン側なら、話の持って行き方で、何とか私側に付かせられる。エルヴィーラは微妙だ。カルステッドの判断に任せよう。
 ローゼマインの側仕え、護衛騎士、文官は全員では無いが、私側に引き込めるだろう。リヒャルダ辺りは特に頼もしい。
 私に付いている者の中、カルステッド以外は余り信用出来ない。基本はフェルディナンド側だからな。ユストクス達よりはマシ、程度でしかない。…焦らず、事を運ばなければ。特にユストクスには気付かれない様にしなくては。固く決意して、私はアウブとなった。