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逆行物語 第二部~ランプレヒト~

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白の塔事件(2)



 「そこまで覚えているのに、捕らえる事は出来ないのですか?」
「人1人の証言だけでは難しい。」
「それで捕らえれば、只の暴君であろう。」
「記憶を覗いてもですか? 次期アウブの記憶には何の力も無いのですか?」
 ぎょっとした。何て事を言うのだ!! フェルディナンド様とアウブも同じ様に思ったらしい。
「何故、ヴィルフリートの記憶を覗くのだ!? 記憶を覗かれるのは犯罪者だけだ!」
「ローゼマイン、次期アウブの記憶を覗く事は廃嫡すると同義だぞ!」
「うぇっ!!?」
「表向き廃嫡までは行かずとも、次期アウブの暫定を取り消すくらいは当然だ。更に外から見れば、大きな傷が着いた事も同じ。
 私の記憶を元に捕らえたとなれば、何らかの問題を起こり、アウブが秘密裏に解決し、私の傷を消したと思われる。そうなればまた別の問題が生まれる。其方が私を蹴落とそうとしていると思われる、とかな。そうなれば其方が次期アウブだ。望むか?」
「いいえ!!」
「そうだな。望むならこの様な遣り方はするまい。だが外からは経過等見えぬ。結果だけなのだ。そして原因は自分達の都合が良い様に受け取る。それが人だ。」
 ヴィルフリート様の言葉に狼狽えるローゼマインの弱点が見える。
「君はもう少し貴族と言うモノを知る必要があるな。」
 溜め息を吐くフェルディナンド様に、何かを感じたのかアウブが戦く。
「遣り過ぎるなよ、フェルディナンド。」
 父上も顔を険しくして頷いている。
「カルステッドはともかく…、ジルヴェスター、其方、養女を甘やかさぬ、と言っていなかったか?」
 ジロリ、と睨まれ、気まずそうにアウブは目をお逸しになった。

 ヴィルフリート様の証言から、恐らく主犯はギーベ・ゲルラッハだろうとされ、ヴェローニカ様を救うよりも、領主一族に傷を付ける事が目的と言う可能性もあると結論付けられた。ゲオルギーネ様の命であったかも知れないと。