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逆行物語 第三部~ローゼマイン~

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魔獣を模す



 騎獣作成。私は兄様に注意を受けながら、フラウレルム先生のキンキン声に晒されながら、レッサー君を作る。
 他領の学生から驚きの後、嘲笑が巻き起こる。
「グリュン…!」
「まあ、ローゼマインの騎獣は私と同じ乗り込み型の魔獣ですのね。」
 フラウレルム先生に被さる様にフェルネスティーネ姫の言葉が重なる。他領の学生がピタリと嘲笑を止め、若干、顔色を悪くしている。
「フェ、フェルネスティーネ姫様、ご、ご冗談を、」
 フラウレルム先生の声からは震えが洩れている。
「冗談ではありませんわ。」
 そう言ったフェルネスティーネ姫が作った騎獣は3つ目の黒い犬みたいなネコバスだった。
「タ、ターニスベファレン…、」
「私、強いモノを好みますの。」
 唖然としつつも、フラウレルム先生は忠告(?)する。
「で、ですが、この様な羽根の無い獣で空を飛ぶのは…。」
 どうやら飛べないと思い込んでる様だ。
「飛べますよ、翼がなくても。」
 私は中に乗り込む。
「ローゼマイン様には聞いておりませんわっ!!!!」
 あれ、もしかして会話を遮った事になるのかな? 
「ご存知無いのね、ローゼマイン。フラウレルム先生は、貴方を襲って裁かれたアーレンスバッハの伯爵の身内よ。」
「フェルネスティーネ様っ!!?? あ、あ、きゃあああああっ!!!!」
 思わぬ暴露を噛ましたフェルネスティーネ様も既に乗り込んでおり、そのままフラウレルム先生に向かう様に発進し(ちょっと動いただけ)、フラウレルム先生は更に煩い悲鳴を上げて、気絶した。

 魔力圧縮の講義に合格した私は、図書館へ登録に向かった。そこでは……。
「お客様、登録無し。ソランジュの処、案内する。」
「まあ、縫いぐるみ!?」
 白ウサギと黒ウサギに出迎えられ、
「英知の女神、メスティオノーラに敬意を払って下さい。」
 憧れの職業、司書のソランジュ先生に出逢った。そして閲覧室では…、
「あら、ローゼマイン、奇遇ね。」
 フェルネスティーネ姫がいた。
「姫様、ローゼマイン、閲覧室に案内した。」
「姫様、ソランジュのお手伝いした。」
「「姫様、褒めて。」」
「はい、良く出来ました。シュバルツ、ヴァイス。」
 フェルネスティーネ姫がそう言って、ウサギ達を撫でた。
 ウサギ達はシュミルと言うペット魔獣の縫いぐるみで、魔術具らしい。主な魔力供給者を主として、姫様(男であっても)と呼ぶらしい。

 …もっと転生者とお話ししたい。でも皆がいる前で、前世の話は出来ない。結局、この程度の会話で終わってしまった。