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逆行物語 第三部~フロレンツィア~

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変動と覚悟(3)



 ……駄目ですね。ローゼマインは納得していません。ジルヴェスターならここまで強固にならずに、押されたでしょう。そしてアウブ補佐のフェルディナンド様は素直にローゼマインの為に動いたのでしょう。恐らく、ローゼマインはそれに気付いてます。
 詰まり、事と次第が大きく動いていると分かっていない…、きっと説明しても変動しているなら、そこに1つや2つの変化を重ねても大丈夫だと考えるでしょう。
 そしてフェルディナンド様にお考えを変える様に詰め寄るのでしょうね…。罪人の一族足る子供達をツェントから隠すには、ツェントを下す覚悟がいるのだと理解しないままに。
 …今まで責任を取るのはジルヴェスターでした。だからこそ、フェルディナンド様はローゼマインの望みを叶える方向に動けたのです。
 しかし今はアウブ……。エーレンフェストの全責任を負う立場です。自由には動けません。ですが…、ジルヴェスターもそうでしたが、フェルディナンド様もアウブとしての判断と、個人としての判断の擦れに摩耗していきそうですね。
 ジルヴェスターの場合は、私が支える事が出来ましたが、フェルディナンド様の場合は…。いえ、出来る、出来ないではありませんね。やらねばならないのです。そうでなければお飾りになります。この先は第二夫人以下を娶る可能性を考えると、それは非常に難しい状況です。
「フェルディナンド様。宜しいでしょうか。」
「フロレンツィア様、どうされました?」
 書類から手を離さぬまま、顔だけ此方に向きました。
「お急ぎになるのは分かりますが、一日で全て出来る訳ではありません。本日はもうお休みになって下さい。」
 朝早くから執務室に閉じ籠って、食事も採っておりません。これ以上は毒でしょう。
「ローゼマインも心配していましたよ。今までと同じ様に。」
 フェルディナンド様のお顔が少し変わりました。ローゼマインとフェルディナンド様の距離の近さを指摘しておきます。フェルディナンド様が変わらぬ限り、ローゼマインも変わらぬでしょう。状況の変化を理解していないからこそ余計に。
 …本当に何故、あの子は優秀なのにそうなのでしょうか…。