二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

逆行物語 真二部~エーレンフェストの為に~

INDEX|2ページ/7ページ|

次のページ前のページ
 

麗乃=マイン視点~お兄様と“ローゼマイン”~



 “ローゼマイン”の洗礼式。私が転けて、気絶した2度の途中退席したあの思い出…。勿論、兄様がそれを繰り返す事はしなかった。…と言うより、漸く子供を止められる、と言っていたので、もう誤魔化しはしないらしい。
 暫くして、兄様と“ローゼマイン”が話をしている。“ローゼマイン”の興味を引く本の話を持ち出して、仲良し兄妹の根底を作っている様に見える。…あ、興奮して倒れた。流石、兄様、対応が早い。やって来たフェルディナンドに“ローゼマイン”を渡した。多分、狙っていたんだろうね。虚弱さを見せ付けると同時に、“ローゼマイン”に好印象を持たせ、そして他者からの悪印象を増加させない。
 うん、フェルディナンドにそっくりだ。…序でにハルトムートが気持ち悪い。
 その後、倒れた“ローゼマイン”に手紙を書いたりして、側近に不審がられていたけど、仕方無いと割り切っていて、その内、慣れるだろうと考えている。記憶を読まれたりしないかと心配したけど、前に戻られても困るのは側近達だ、自分に都合良い答えを見付けるさ、と言う兄様の予想通りに運びつつある。どうやら多少の暗示を掛けているらしいけど、洗脳する程のモノでもないし、要は態度で言い包めている様なモノなのだろう、余り気にする必要も無いみたいだ。
 仲良くなった“ローゼマイン”等、良い様に使われている。養父様を説得して、兄様は希望通りに神殿へと通う事になった。
 フェルディナンドとも親しくなったし、御披露目では結構な難易度の高い曲を弾く事も可能にした。…曲の好みは兄様らしいと、昔を懐かしんだ。…コンサート曲が一曲増えたよ。純情な養父様がこのやり取りを知ったら、どう焦るだろうか。

 フェルディナンドのポスターはかなり限定販売される代物になっていた。
「その方が価値が上がるのでは? まさかアウブで養父の父上が羞恥を押さえ、“ラッフェルはより甘く”の楽譜販売を承知したのに、臣下で後見人な叔父上が我儘を通して、父上を泣き喚かせるなんて事しませんよね。」
 と言う内容の発言で、“ローゼマイン”の味方をしてくれたから、見事に儲けを手に入れていた。

 御披露目は“ローゼマイン”の祝福と兄様の難解な新曲で、私が体験した喧騒とは種類が違う気がする。いや、明らかに違う。ヴィルフリート兄様の噂とは違う優秀さは目を引いたが、“ローゼマイン”には叶わないのでは無いか、と言う何とも言えない雰囲気が漂っていた。

 ゲオルギーネの来訪。実は兄様は既に対処していた。話は遡るが、兄様は“ローゼマイン”が見付ける予定のベーゼヴァンスの手紙を押収していた。
【ゲオルギーネからの手紙を処分するのは何故ですか? 神殿に出入りしているのだから、兄様が見付けた事にして、他の悪事の証拠ごと渡せば良いのでは?】
 私の疑問に兄様は答える。
【ゲルラッハが敵方の今は厳しい。…出方が読めなくなる。】
 兄様が言うのだから、そう言うモノだろうと納得は出来るけど、気にしなくなるなんて有り得ない訳で、具体的にどう言う事なのか、尋ねた。