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逆行物語 第六部~小さな思い出たち~

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ブリュンヒルデ~新しい風~



 ローゼマイン様もヴィルフリート様も派閥や身分で差別される事はありませんでした。その為、ローゼマイン様の優秀さが余す事なく伝わります。
 ヴィルフリート様はその影に隠れ、目立ちませんが、彼が居なくては領内が派閥で決裂したかも知れないと思います。
 ローゼマイン様の為に動かれるフェルディナンド様は、ローゼマイン様についてこれない者を切り捨てる傾向がありましたが、ヴィルフリート様がそれを上手く救い挙げている事が分かります。ついてこれない者を出来るだけ無くそうとされて、急激過ぎる変化故、アウブに向かう不満を上手に交わされていました。
 この流れに逆らえば、ヴィルフリート様にさえ切り捨てられれば、我が家は潰れるかも知れません。
 私は逸早く、その話をお父様にお話し、ローゼマイン様の側近へと迎え入れられました。
 こうして私は領内・領外に流行りを広める役割を頂いたのです。

 下級貴族ですが、ローゼマイン様の本作りに役立つとフィリーネやローデリヒが側近に引き立てられました。破格の対応に不満が出るかと思いましたが、下級の2人は青色となる事で、それらは抑えられました。子供部屋で、お優しく接し、フィリーネやローデリヒのお話がお気に召したと御褒美をお与えになられた事で、側近になりたいとも取れる言葉を2人が発したので(幼い2人には自覚がありませんでしたが)、ローゼマイン様が、“私も2人を側近に迎え入れたいと思います”と仰られた事で、フィリーネやローデリヒも、自分達の言った意味に気付き、畏れおおいと謝罪したのですが、ローゼマイン様はどうしても2人に支えて貰いたいと希望されたのです。
 そこにヴィルフリート様が静かに言われました。“下級貴族が側近になるのは、様々な意味で厳しい。不利だ。それでも、と双方に覚悟があるなら、神殿で受け入れる。将来的には還俗は可能になるが、青色を纏う事実が無かった事にはならぬ。どうだ?”、と。
 葛藤はあったでしょうが、恐らく家の事情もあり、2人はそれを承諾したのです。その更に数年後、フィリーネの弟がフェルディナンド様の後見で、青色となり、領主一族の側近に引き立てられ、先祖の家督を継ぎ、上級に近い、中級貴族になるのですが、それは本当にまだまだ先の話でございます。それよりももっと前、フィリーネの話を知ったグレーティアが青色側近になったのです。またリーゼレータが側近となり、縁を切ったアンゲリカとの関係が再び結ばれました。

 只、その一方で残念に思うのは、親しくしていたレオノーレやハルトムート達ライゼガング系列は親の意向もあってでしょうが、疎遠になった事です。特にハルトムートは最終的に他領に婿に行ってしまったので、音沙汰もありません。レオノーレは最終的にヴィルフリート様のお子の側近になっていったのですが…。
 母親であるオティーリエの落胆は大きい様でした。

 “仕方あるまい、あの者は、正し過ぎる上級貴族だからな”

 そう呟いたヴィルフリート様の御言葉が、何故だか耳に染みたのでございます。