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機動戦士ガンダムRSD 第27話 刹那の夢

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 アイリス曹長、ミサキ中尉とケイト中尉は廊下におりアイリス曹長はうずくまっており見るからにやばかった。
「アイリス、あと一つで昼だよ」
 ミサキ中尉は、アイリス曹長にエールを送った。
「アイリス?」
 ケイト中尉は、無反応なアイリス曹長を心配した。
「なんか超えた。
眠いのを超えた」
 アイリス曹長は、焦点のあってない目で嬉しそうに訴えた。
「アイリス、今日アイリスの部屋に泊めて」
 ミサキ中尉は、どれくらいやばいかを知るために普段のアイリス曹長だったら即座に断るお願いをした。
「お泊り道具をお忘れなく」
 普段のアイリス曹長だったら即座に断るお願いを受け入れたためケイト中尉は、驚いた。
そこにシグマン少佐が来た。
シグマン少佐は、すぐにアイリス曹長の異変に気づきそばに寄った。
ミサキ中尉とケイト中尉は、シグマン少佐に気づき敬礼した。
「アイリス、大丈夫か?」
 シグマン少佐が心配し声をかけた。
「隊長。
大丈夫です」
 アイリス曹長は、敬礼ではなく手をひらひらしながら答えた。
「大丈夫じゃないだろ」
 シグマン少佐は、アイリス曹長がどんな人間か知っていたためその言葉が偽りだとすぐに気づいた。
「からの、どん」
 アイリス曹長は、ミサキ中尉とケイト中尉を押した。
2人は、シグマン少佐を柱に態勢を立て直し何とか転ばずに済んだ。
3人は、驚きながらアイリス曹長を見た。
アイリス曹長は、3人に指を指しながら爆笑してた。
するとアイリス曹長は、バランスを崩し頭を柱にぶつけた。
するとアイリス曹長の笑い声が止んだ。
「アイリス」
 ミサキ中尉とケイト中尉が心配した。
「アイリス」
 シグマン少佐も一歩下がった状態で心配そうに見ていた。
 3人は、アイリス曹長を医務室に運んだ。

                                ※


「じゃあまたサオトメ大佐が命令を?」
 待機室では、ヘルマン中尉と整員がサオトメの話題で話していた。
「サイジョウ元帥にもだよ。
すごいよ」
 ヘルマン中尉の言葉に整備員が驚いていた。
「何かすごいでよ、サオトメ大佐。
『ムラマサ・ブラスターを射出しろ』ってな感じで。
どんどん命令してくるの」
 整備員がまた驚きの言葉を発した。
「完璧指揮官って感じ。
あの志気は、サイジョウ元帥以上だよ。
η艦隊では、マン・マシーンの隊長だったこともあるけど」
 ヘルマン中尉は、戦闘中のサオトメに恐怖すら感じていた。
「戦闘中は、一二を争う事態の連続なんだ。
要求の仕方まで頭が回らない」
 2人の会話にサオトメが入ってきた。
2人は、急いで立ち上がり敬礼した。
サオトメは、2人を制止した。
「まあヘルマン中尉がそう思うならこちらもできる限りやわらかい口調にしようと心がける」
 サオトメは、敬礼すると自販機でソーダを購入して部屋を後にした。
サオトメが出ると2人がため息を吐いた。
「サオトメ大佐って変なところでまじめでよな?」
 ヘルマン中尉は、サオトメの変なところを指摘した。
「うん。
でもこの話サイジョウ元帥に聞かれてたらやばいね」
 整備員もうなずきながら言った。
「うわさをすればなんとやら」
 それは、サイジョウ元帥の声だった。
2人は、体中から血の気が引いていくのを感じた。
「さ、さ、さ、サイジョウ元帥。
いつからそこにいらしてたのですか?」
 2人は、敬礼して整備員が尋ねてきた。
「『じゃあまたサオトメ大佐が命令を?』」
 サイジョウ元帥は、最初から聞いていたのだ。
「人の命令方法にけちを言うなら手の速さを速くしたらどうだ?」
 サイジョウ元帥は、2人に怒鳴りつけた。
「はい」
 2人は、敬礼すると訓練室とマン・マシーンデッキに走った。

                                     ※

 メイリン軍曹が待機室でくつろいでいた。
「ねえ、アスラン准将知らない?」
 待機室に入ってきたルナマリア少尉は、メイリン軍曹に聞いた。
「うんうん、知らない」
 メイリン軍曹は、首を横に振った。
「セイバーがあんなにやられて」
 ルナマリア少尉の表情が曇った。
「でもケガとかは、してないって」
 メイリン軍曹が答えるとシン中尉が入ってきた。
「あ、シン」
 メイリン軍曹が気づいた。
それにつられてルナマリア少尉がシン中尉を見た。
「ねえ、アスラン准将知らない?
どうしてるか知ってる?」
 自販機の前に立ったシン中尉は、ルナマリア少尉に振り返った。
「部屋にいるよ。
でも今は、そっとしておいたほうがいい」
 そういうとコーヒーを購入した。
「あの人が何でこっちに来たか覚えてる?」
 コーヒーを取り出しながらルナマリア少尉を見ずに質問した。
「私たちを鍛えるためでしょ」
 ルナマリア少尉は、さも当然に答えた。
「だから先輩としての威厳を見せられずに敗北したのは、パイロットとして最低最悪の屈辱なんだよ。
そんなときに俺らがあの人にどうこう言うと逆に激励どころか逆効果になっちまう。
だからこの問題は、あの人が1人で乗り越えるしかないんだ。
俺たちは、遠くから見守るしかない」
 2人ともきょとんとしてしまった。
シン中尉は、缶コーヒーのふたを開けた。
「ジャスティスがあればなんてないものねだりしてもないものは、ないんだから仕方ない。
今は、俺たちでできることをやるしかないんだ」
 シン中尉は、そういうと待機室を出た。

                                        ※

 ガーティー・ルーでは、ネオ大佐が苦渋の決断をしようとしていた。
「2人からアウルの記憶を消してくれ」
 ネオ大佐は、管理者に命令を下した。
「それは、かまいませんが大仕事になりますね」
 管理者は、驚きながら時間がかかると答えた。
「すまない」
 ネオ大佐は、痛々しくアウル少尉のリラクセーションルームを見ていた。
ネオ大佐は、アズラエル代表とのやり取りを思い出していた。
「何のために戦うか」
 ネオ大佐は、無意識にそう口に出していた。
「え」
 その言葉に管理者が驚きの声を発した。
「そんなことを考え始めたら終わりだな、俺たちは」
 ネオ大佐は、笑いながら言った。
彼らは、国の開発した生命兵器なのだから戦いの意味を考える必要は皆無なのである。
「はあ」
 ネオ大佐は、部屋を出て行った。

                                         ※

 サオトメは、マン・マシーンデッキに戻ると左手でサイダーを飲みながらガンダムサイガー改を眺めていた。
右手を開けているのは、いつでも敬礼できるようにする習慣だった。
「いいな、乗りたいな」
 サオトメは、びっくりして声の方を見た。
サイジョウ元帥だった。
サオトメは、急いで敬礼したがサイジョウ元帥はそれを制止した。
「乗りたいという目をしていたぞ」
 サイジョウ元帥は、ニヤニヤしながらサオトメに近づいた。
「やっぱりサイコフレームは、あこがれるよな。
いっそお前にこいつをやろうか?」
 サオトメは、自分の耳を疑った。
「いけません。
私のようなものがこの機体を操るなどと」