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永遠の楽園 【嘘の楽園 after】

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アムロはその胸に顔を埋め、小さく深呼吸をして心を落ち着ける。
「それから…研究所に行くのが怖くなった」
「それはそうだろう!」
「でも、行きたくないなんて俺の言葉は全て聞き流されて、無理やり連れて行かれたよ。二年くらいそんな日が続いて…俺の精神も擦り切れて…ニュータイプ能力に翳りが見え始めてさ、ようやく解放されたんだ。でも、俺を危険人物と判断した連邦によって今度はシャイアンに幽閉された」
疲れた目をしたアムロが苦笑する。
「シャイアンにいた頃はもう疲れ果てて…まぁ、何かしら薬も飲まされてたみたいだけど、全てがどうでも良かった」
それなのにあの時、どうして自分は衝動的に脱走をしたのだろう。カツに発破をかけられたから?フラウに失望されたから?…違う…あの時…強烈な気配を感じた。
金と赤の入り混じった光を持つシャアの気配を…。
初めはシャアだとは気付かなかった。
しかし、アッシマーに輸送機をぶつけた時、シャアの存在をはっきりと百式から感じた。
「シャイアンを脱走してカラバに合流した時も直ぐにはモビルスーツに乗る事が出来なくて…貴方を失望させた…そんな自分が情けなくて、貴方から離れたかった」
アムロはシャアを見上げて切なげに笑う。
「貴方に…一緒に宇宙に来いって言われて…本当は嬉しかった。だけど自分に自信が無くて…とても行くとは言えなかった」
「アムロ…」
「ティターンズ が崩壊した後、エゥーゴはなし崩し的に連邦軍に吸収されて、俺やブライトも脱走罪については免除された。貴方がエゥーゴを勝利に導いてくれたおかげで首が繋がったんだよ」
「しかし私はエゥーゴを捨てた」
あの時、百式は大破したが運良く命が助かった。そしてずっと連絡を取り合っていたネオ・ジオンの同胞に助けられてそのままミネバを連れて姿をくらました。
「貴方がエゥーゴを抜けたがっているのには気付いてた。いや、カイからそう聞かされて、そうかもしれないと思った」
「カイ・シデンか、流石は元ホワイトベースのクルーだな。良い観察眼を持っている」
「正直、貴方には連邦を内側から改革して欲しいと思っていた。でも、おそらくあのまま貴方がエゥーゴに居たとしても連邦は変わらなかったと思う。それ程に上層部は腐っていたからな」
「君はそんな連邦になぜ居続けた?」
「うーん、居たっていうか…貴方を探すのに資金が必要だったし、貴方がバカな事をするんじゃないかって気がしてたから、それを正面から止めるには連邦にいなきゃ出来ないだろ?ただ、正規の軍にいたら自由に動けないからブライトと一緒にロンド・ベルを立ち上げたんだ」
「…私の為だと言うのか?」
「そうだよ」
さらりと言うアムロに、シャアは言葉が出ない。
「まぁ、一番苦労してたのはブライトだけどな」
「アムロ…」
「それに、貴方とはきっちり決着が付けたかった。一年戦争では結局有耶無耶になっちゃったからな。俺が宇宙に上がるのは貴方と決着をつける時だと思っていた」
真っ直ぐに見つめてくるアムロに、シャアは息を飲む。
それは己も思っていた事だった。
自分にとって、アムロは生涯のライバルであり特別な存在だった。
ネオ・ジオンを立ち上げ、連邦を粛清し、スペースノイドの独立を果たそうとする中で、アムロとの決着だけはどうしても付けたかった。
だからこそ、総帥という立場でありながらもモビルスーツを駆り、パイロットであり続けた。
シャアは笑みを浮かべてアムロを見つめ返す。
「私も同じだ。君とは何があっても決着を付けたかった。そして、私は君に負けた」
互いに見つめ合いながら微笑む。
「…今でも…こんな身体になっても、貴方のライバルだと思ってるって言ったら笑うか?」
「ふふ、私もそう思っているのに笑うわけがあるまい」
「貴方ならそう言うと思った」
不敵に笑うシャアに向かって拳を向けると、シャアがその拳に己の拳をコツリとぶつける。
「君ならばそのハンデも乗り越えられるだろう。そうしたらまた君にリベンジを掛ける」
「望むところだ!また返り討ちにしてやるよ!」
「その為には私の側にずっと居てくれ」
「しょうがないな。ついでに貴方がまたバカな事をしないように見張っていてやるよ」
「ああ、そうしてくれ」
「ふふふ」
「ははは」
互いに笑いながら拳をぶつけ合う。
生涯のライバル、二人にとってそれは変わらない関係だった。


数日後、アムロとカミーユについてネオ・ジオン内部へと報告がなされた。
やはり批判の声も上がったが、連邦によるアムロへの冷遇とシャアを救った事実、そしてカミーユは元反連邦組織としてシャアの元で戦った経歴により、大きな混乱には至らなかった。

しかし、やはり全く問題が無いとは言いきれず、アムロとカミーユが色々な手続きの為に軍本部を訪れた時に問題は起こった。

「ニュータイプ様は一体どうやって総帥に取り入ったんだ?ああ、総帥のニュータイプ好きは有名だからな。そんな身体でもニュータイプはニュータイプか」
「なんだと!」
「やめろ、カミーユ」
数人の兵士たちがアムロとカミーユを取り囲む。
「俺の仲間はこいつに殺されたんだ!それなのにこいつがのうのうとネオ・ジオンで生きているなんて許せるか!」
「あれは戦争だったんだ!そもそもネオ・ジオンがあんな事をしなければ!」
「なんだと!連邦の犬が!」
「やるか!」
「カミーユ!」
兵士とカミーユが胸ぐらを掴み合いながら言い争いを始める。
すると別の兵士がアムロの胸ぐらを掴んで顔を殴りつけた。
「アムロさん!」
それを皮切りに乱闘が始まってしまう。
カミーユがアムロを殴りつけた兵士を殴り飛ばし、別の兵士がカミーユに殴り掛かる。
「カミーユ!ダメだ!」
アムロがカミーユを止めようと手を伸ばすが、兵士にそれを阻まれそのまま押さえ込まれそうになった為、その兵士の腕を捻り上げて平伏さす。
それが他の兵士の癇に障り、乱闘に拍車を掛ける事になる。
アムロとカミーユ二人に対して四、五人の兵士が乱闘に加わったが、警備兵達が止めに入った時には殆ど兵士が床に倒れ伏していた。
「カミーユ…やり過ぎ…」
「それはアムロさんもでしょう?」
アムロも染み付いた軍人の感覚が自分に襲い来る相手に対して条件反射で反応してしまい、片手ながらも何人か殴ってしまった。
「俺も人の事言えないか…」
結局、乱闘に加わった者たち全てが営倉行きとなった。
「なんで俺たちまで!」
カミーユが苛立ちながらガシャンと音を立てて柵を蹴る。
「カミーユ、こっちも反撃してしまったんだ。当然だろう」
「だからって!」
「カミーユ…」
「俺は謝りませんよ!こいつらが仕掛けてきたんだ」
おそらく、彼らだけを罰すればアムロやカミーユを特別扱いした事になり、更に状況を悪化させると判断したナナイによってアムロ達にも同様の処罰を受けさせたのだろう。
憤るカミーユにアムロが柵越しに落ち着くように声を掛ける。
通路を挟んだ鉄格子の向こうでは、喧嘩を吹っかけて来た兵士達も不機嫌そうにこちらを睨みつけている。
「俺たちだって謝らないからな!」
始めに喧嘩を仕掛けて来た兵士がアムロに向かって叫ぶ。