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機動戦士ガンダムRSD 第33話 皇帝から死神へ

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 デュランダル大統領は、アスラン准将に不適切なモビルスーツを託したことに対して責任を感じていた。
「いえ、どんなモビルスーツも乗りこなせなければならないパイロットの義務を怠った私の責任です」
 アスラン准将は、うつむいてそういった。
「しかし今エターナルにあるインフィニットジャスティスは、多彩な格闘武装を搭載していると聞いている。
君もあれに乗ればまた思うように戦えるだろう」
 デュランダル大統領は、アスラン准将の技量とインフィニットジャスティスガンダムの性能に期待をしていた。
「はい、ありがとうございます」
 アスラン准将は、顔を上げていった。

                                         ※

 ι艦隊は、地球の軌道に到着した。
その状態からゲタを装備したガンダムサイガー改が発進準備に取り掛かった。
通常ゲタを履く場合カタパルトで発進してからである。
しかし今回の場合のように直接マン・マシーンを載せた状態からの発進では、カタパルトを使わずにそのまま発進する。
サオトメとサイジョウ元帥は、ゲタに乗り込んだ。
「なあ、ガンダムサイガー改が必要になるってどういうことだ?」
 サイジョウ元帥は、そのことがずっと気にかかっていた。
「行けばわかります。
ただこいつが不要であることを私は、願うだけです」
 サオトメは、発進準備をしながらそう答えただけだ。
サイジョウ元帥は、きっと必要ないだろうと判断していた。
「発進準備完了」
「ガンダムサイガー改でる」
 二人と一機をのせたゲタは、ドゴス・ギアから離れて月面基地フォン・ブラウンに向かった。

                                        ※

 二人は、ルナツー基地に入港した。
アナハイム・エレクトロニクスは、電子・電気機器の製造販売を中心とする軍産複合企業である。
ここには、アナハイム・エレクトロニクス社がありルナツーに有るリバモア工場など多数の工場を保有している。
コロニー軍とアナハイムが協同で開発するとマン・マシーンの開発・製造中心に経営をシフトした。
アナハイムは、コロニー軍にマン・マシーン・艦船をそのほとんどを供給する。
そのため需要が生産力に追いつかないのが現実であり他会社は、そもそもマン・マシーンのを生産する技術すらないのが現状である。
そんな状態で(仮称)ガンダムオラクルは、軍部からアナハイムに要求されていた。
 二人がゲタから降りると(仮称)ガンダムオラクルの開発責任者のエーリッヒ・シャハト氏が二人を迎えた。
エーリッヒは、二人を会議室へと案内した。
 部屋に着くとエーリッヒは、表情を暗くしたまま(仮称)ガンダムオラクルの製造報告書を二人に渡した。
サオトメは、その書類を片っ端から目を通した。
サイジョウ元帥は、それを見るなり立ち上がってエーリッヒの胸倉をつかんでたたせた。
「完成は、後1年はかかるだと?
冗談じゃない。
戦況は、切迫しているんだ。
すぐにでもサオトメに新しいマン・マシーンを渡して戦場に復帰してもらわないと困るんだよ」
 (仮称)ガンダムオラクルは、まだ部品クラスができただけでフレームすら完成していないのだ。
そういわれるとエーリッヒは、胸倉をつかむサイジョウ元帥の手を跳ね除けた。
「じゃあこちらも言わせてもらいますけどね。
自分たち兵士だけが死と隣りあわせで生きていると思ったら大間違いですよ。
こちらだってあなた方の無理難題な要求に応えるべく日々過労死を覚悟で24時間働き占めなんですよ。
だいたいガンダムオラクルの要求だってあれだけの高性能マン・マシーンを三ヶ月以内で仕上げろというのが無理な話なんですよ」
 エーリッヒの言葉にサイジョウ元帥がつかみかかろうとした。
「やめてください、二人とも」
 二人を止めたのは、サオトメだった。
「今お二人が争ってもガンダムオラクルは、できません」
 サオトメの言葉に二人は、冷静を取り戻した。
「今やらなくちゃいけないのは、そんなことではありません。
私の救済策とういうものがありますのでそれを進めましょう」
 二人がぽかんとした。
それもそのはずである。
ここに来て救済もへったくれもないのは、誰が見ても明らかだ。
「お前の救済策とは、何だ?」
 サイジョウ元帥がサオトメに質問した。
するとサオトメは、立ち上がった。
「ガンダムサイガー改を改修して性能向上を図るんです。
私の救済策とは、それです。
ですので私にガンダムサイガー改をください」
 サオトメは、サイジョウ元帥に頭を下げた。
サイジョウ元帥は、サオトメの強さを誰よりも知っている。
そんな人物が戦場に舞い戻れるならばあらゆる面で応援しよう。
それがサイジョウ元帥の答えだ。
「いいぞ、これよりガンダムサイガー改はお前のだ。
好きに使え」
 サイジョウ元帥は、快く承諾した。
「ありがとうございます」
 サオトメは、一度頭を上げてもう一度下げた。

                                        ※

 早速開発メンバーが収集された。
開発責任者は、言いだしっぺでサオトメになった。
サオトメは、事務室でガンダムサイガー改の改修計画書をまとめていた。
そこには、「ガンダムサイガーMk-?開発計画」と題された設計図があった。
そこにサイジョウ元帥が来た。
「どうだ?
できそうか?」
 サイジョウ元帥は、部屋の奥に入ってきた。
「全マン・マシーンは、基本フレーム構造と消耗品は、全部同じです。
ですからガンダムオラクルでできた部品もガンダムサイガー改には、理論上つけられるんですがなかなか調整が難しいです」
 サイジョウ元帥は、そういうのはまったくわからずただ相槌を打っただけだった。
「コーヒー飲むか?」
 今のサイジョウ元帥ができることといえばこういうことくらいだ。
「ありがとうございます」
 部屋は、サオトメがキーボードを打つ音しか響いていなかった。
「お前は、どういう機体を目指してるんだ?」
 サイジョウ元帥は、同じマン・マシーンのりとしてちょっと興味があった。
「白兵戦主体の機体です。
ガンダムオラクルには、メガ粒子砲が搭載されていましたが今度の機体にはそれがありません。
火力は、やや落ちますが基本武装自体火力が高いのでそれらの信頼性をさらに高めた改修になっています」
 サオトメは、ガンダムサイガーMk-2の発展・拡大型であると説明した。
「ふうん」
 サイジョウ元帥は、やや不満気味だった。
この時代モビルスーツは高出力ジェネレーターに伴い大火力、高機動と重装甲に傾きがちでサオトメのように信頼性のみを追及した機体は珍しいからだ。

                                        ※

 サオトメは、翌日早速できた設計図を技術者全員に見せた。
そこには、「ガンダムサイガーMk-?開発計画」と題されていた。
「全マン・マシーンのボディ構造は、ほとんど同じです。
そこで余裕ある構造にψーサイクル・ブースターを搭載させます。