陰陽師本丸の物語
小噺「ある日の演練」
注:本家と異なる口調・呼称、一部薄ミュネタ含む
日課の演練へと赴いた第二部隊。部隊編成はいつものように長曾根虎徹を除く新選組の四振に加え、へし切長谷部、歌仙兼定の六振。
そして、本日の部隊長は堀川国広である。
演練場へ到着すると相手陣営は既に準備を終えていたらしい。事前に政府関係者からもらった資料によると、相手は薙刀や大太刀を多く編成した第一部隊。政府が設けた通称“練度”と呼ばれる戦闘における成熟度の値は最大値を示していた。
実際に手合わせの相手を目にした堀川国広は、相手の刀剣たち一振り、一振りに目をやり、何か考える様子でその場に立ち尽くしている。その様子に気付いた和泉守兼定は、普段、部隊長を務める事の少ない国広には、練度の高い相手との手合わせは少々荷が重かっただろうかと気にかけ、声をかけた。
堀川「……。」
和泉守「どうした、国広。手練れを前にして、勝てる相手じゃないと踏んだか?」
声をかけられた堀川国広は「ははっ、まさか。」と笑う。その瞳の奥は自分達の勝利を確信していた。どうやらいらぬ心配だったようだ。
和泉守「そうじゃなきゃなぁ!」
とニヤリと笑った和泉守兼定は「よぉし、手前ぇら討ち入りだ!」と皆の士気を上げる。
加州「『我ら会津中将お預かり浪士隊、新選組』ってね。」
安定「清光。それ近藤さんのやつ。」
加州「いーじゃん、いーじゃん。細かい事は気にするな、だよ。」
安定「もー、それは鶯丸だし…。」
堀川「皆、準備は良い?」
新選組四振「『新選組、いざ参る!』」
歌仙「やれやれ。いつものことだが、こういう時は肩身が狭いねぇ。」
長谷部「まったくだ。」
END
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