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逆行物語 真六部~ヴィルフリート~

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最後の逆さ紡ぎ~貴族院~


 貴族院に入学した私達にはある物を手に入れる事が決定事項だった。そのある物とは…、エアヴェルミーン様の髪、白い木の枝である。
 あれはユルゲンシュミットを作る神の一部。重要な素材である。シュタープを会得する為の講義で騎獣に積んで行く事を決定していた。
 それまでにやらねばならない事やエグランティーヌ様の件の様に、片付けて行かねばならない事の思考整理も必要だ。

 ………………。

 半神の私達は人間の体を魔術で作っており、その体に合わせたシュタープを会得する。当然、始まりの庭での会得だ。その場でシュタープを染めきると、2人で枝の伐採を始める事にする。
「エアヴェルミーン様、御髪を頂戴致します。」
 白の木は人の姿となる。
「枝を伐るより遣りやすかろう。」
「「ありがとう存じます。」」
 バッサリと切らして貰うと、そこから更に細かく長い髪を切って行く。そうして用意した騎獣に白い枝になった髪を詰め込んで行った。
「で、一体、何を作る気なのだ?」
 エアヴェルミーン様の質問に答える。

 「小さなユルゲンシュミットでございます。」

 と。

 ダンケルフェルガーとのディッター。これは負けさせる訳には行かぬ。図書室のシュミルの魔術具。あれの主にローゼマインがなる事は止められぬ。ならば王族が上級貴族を派遣出来るまで、エーレンフェストで守る形を取って置きたい。
 何よりさっさとユルゲンシュミットの礎を守らせるにはグルトリスハイトが必要だ。それを王族に渡すのだから、どうしてもエーレンフェストが目立つ。
 王族や大領地と関わる未来が決定しているのだから、ある程度、有利に事を運ぶにはローゼマインには暴走させて置くのがよい。
 序でに騎士達の質も上げて置きたい。それにはダンケルフェルガーを利用する事が一番だ。

 …………。

 ローゼマインは気付いておらぬし、叔父上は言及する積もりもない様だから放置するが、ローゼマインには戦略を立てる才能がある。
 単に一応、興味ある分野に対する物覚えが良いだけで、基本は日本の知識を引っ張って来ているローゼマインの優秀さから、外れている、唯一、本物の才能だ。だがそれに磨きを掛ける気は無い様だ。まあ良い。軍略だけの才能があっても、騎士が出来る訳では無い。騎士で軍略だけを立てる等をされれば、只の制服上官にしかならぬ。泥や血にまみれる気が無いのであれば、未来は才能倒れであろう。

 …1年生を予定通りに終了を果たした。メスティオノーラ様が降臨した様に見せ掛け、叔父上が作ったグルトリスハイトをツェントに渡した。
 その際、ローゼマインを引き抜きが掛けられぬ様、その思考に暗示を掛けさせて貰った。これで元・下位の領主候補生を権力争いの場に上げて、場をかきみだす事も、中央神殿の言いなりになる事も拒否するだろう。
 何よりトルークの影響下にない、精神は誤った判断をせぬ。
 こうして、私達は必要な条件を整えたのであった。

 …後は王族に任せれば良い。

 尚、エアヴェルミーン様より頂いた大量の御髪と、始まりの庭の土や草を叔父上に渡しておいたが、見事、神殿の隠し部屋にて、ユルゲンシュミットの各領地の魔草、魔花、魔木、魔魚、魔獣を好きなだけ採集出来る空間と、それ以外の動植物や鉱石を取れる空間、海外の名産を育てる空間の3つを作り上げていた。それらは私がアウブになると同時に、産業として使える様にする予定であった。