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スライムの衝撃1~友の声~

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「大丈夫、そうなったら僕が守るよ」
「ダニエルが起きてるなら、わたしも。お話しましょ」

その口調には覇気がなく、頭頂部の先端がこくりこくりと舟をこいでいる。

「おやすみ、レベッカ」
「でも……」

それきりレベッカが言葉を紡ぐことはなかった。可愛らしい、微かな寝息を聞きながら、ダニエルは考える。

僕たちには味方がいない。いまやスライムは敵だ。ほかのモンスターも人間も襲ってくる。信頼できるのはレベッカだけだ……これからどうやって生きていけばいいんだろう。

レベッカのあどけない寝顔が、ダニエルの胸をたまらなく搔き乱した。

「レベッカだけは守らないと」

一方で、自分と恋をして橙色に染まった彼女に、幸福を感じた。無垢な彼女を見つめているうちに、自然とにやけてしまっていた。

「あら、まだ起きてたの?」

闇の中、突然声をかけられて、ダニエルは驚きに震えた。知らぬ間に、エラ姉が近づいてきていたのだ。彼女の、眠そうに細められた双眸がおぼろに光り、闇夜に浮かびあがる。

「見張りだ」
「交代しますわ。悪いもの」
「おまえたちから身を守るために起きてるんだ」
「私たち?」

エラ姉は悲しそうに目を伏せた。

「私たちは味方です。信じて」
「うるさい! それ以上、言ったら許さないからな!」
「わかりました。だから、そんなに怒らないで。……おやすみなさい」

エラ姉は気落ちした足取りで、サマンサが寝入る木の根元に帰っていった。エラ姉の後ろ姿が闇に呑み込まれ、ダニエルの視界から消えると、ダニエルは安堵の吐息を漏らした。

どうにかして、もう一度仲間に会えないだろうか。何度謝っても構わない、許しをもらいたいのだ。しかし、とダニエルは思う。また仲間として受け入れてくれるだろうか。拒絶されるのではと恐怖で胸が苦しくなる。

昼間は仲間のもとから去ってしまったが、次に会うときには互いが冷静に向き合い、話をしたいものだ。

「仲間たちから、また拒絶されたら、僕たちは本当に死ぬ覚悟が必要になるかもしれない。この厳しい世界で、長く生きられるとは思えない」

狭く切り取られた夜空に、眩く光る星々が昨夜と変わらぬ位置で瞬いていた。ダニエルはしばらくの間、羨望の眼差しで眺めていたが、やがてため息と共に顔をうつむけた。