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スライムの衝撃1~友の声~

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衝撃の光景に、ダニエルの思考は停止し、攻撃の動作が鈍った。その隙を逃さず、ダニエルの頬を、パパズが思いっきり殴りつけた。ダニエルはぐらりとよろけつつ、後ずさる。

「こいつのは偽ホクロだ!」

パパズの背後で、かつての仲間がふてぶてしく片方の口角を吊り上げた。

「いいんだよ、ホクロ担当でさえあれば」
「じゃあ、僕じゃなくてもよかったってこと?」
「当然だろ。しかも橙色じゃな。ボクたちがどんな目に遭ったと思ってるんだよ!」

誰でも、よかった……どす黒い呪いの言葉が頭の中で渦を巻く。

そうして、自分は必要とされていなかったんだと、ようやく心にすとんと落ちてきた。

パパズの渾身の突進を避け、ダニエルは素早く自らの肉体を使って殴りつける。相手との攻防に向き合いながら、ダニエルはさっきの一件のことを考えていた。

橙色になる前の自分さえ、ろくに認めてもらえていなかった。自分だけが、彼らを友だちだと思っていた。だから、甘えや頼ることも許されるのだと。はじめから友だちでも、仲間でも何でもなかったのだ。

こんなヤツらの仲間になんか戻りたくない。となれば、この先どうしたらいいというのか。ベスとして生きていくしかないんだろうか。

「あなたのホクロは素敵です。偽物になんて負けないで!」

エラ姉の叫び声が、ダニエルの耳に抵抗なく入ってきた。

はじめて会ったときから姉妹は公平で、スライムの空色がすきだと言っていた。彼女たちはただスライムの醜い仕打ちに怯えているだけだ。色が何なのか、もはやダニエルにはわからなくなってきていた。

ダニエルとパパズは荒れた息を吐き出しながら、一旦距離を取った。

「こんなもの!」

パパズが顔を左右に揺らし、眉間からホクロを振るい落とした。そうして、地面に落ちたホクロを憎々しげに踏みつけた。

「ホクロをそんなふうに扱うな! たとえつけボクロでも愛してやってよ!」

ダニエルは悔し涙を流した。