機動戦士ガンダムRSD 第35話 天空の自由と正義
ただ事では、ないと判断したシグマン少佐はすぐにモビルアーマー形態に変形して帰艦しようとした。
途中ドゴス・ギアにこの報告を入れた。
※
すぐにドゴス・ギアに通信が入った。
「艦長」
通信手の声にブライアン艦長が振り向いた。
「哨戒機が暗礁宙域にて敵小型監視カメラらしきものを発見。
ミノフスキー干渉波探知システムにて戦艦と思しき大きさの物体も発見したと報告あります」
ブライアン艦長は、迷った。
自分たちの任務は、あくまでサオトメの帰る場所を護る事。
敵の殲滅では、ない。
しかし軍人の勘がそれは、軍艦だと先から言っておりそのひとつがドゴス・ギアもどきのような感じがした。
「俺もサオトメの影響を受けたのかな」
ブライアン艦長は、ぼそっとそうつぶやいた。
「η艦隊、発進。
暗礁宙域の調査に向かう」
η艦隊は、暗礁宙域に向かった。
※
敵艦と思しき物体を発見したシグマン少佐は、一度敵小型監視カメラの死角になるようにデブリに隠れていた。
そのときレーダーがη艦隊が近くにまで接近したことを告げた。
そして直後にドゴス・ギアから攻撃命令が出た。
シグマン少佐は、敵小型監視カメラの近くに行った。
最大望遠鏡で再度確認するとやはり小型監視カメラだ。
シグマン少佐は、それををビームライフルで破壊すると補給と換装のためドゴス・ギアに一度帰艦した。
※
その異常は、エターナルでも確認できた。
突然レーダーがDANGERの文字を映しある座標が赤く光った。
「何だ?」
バルドフェルド大佐は、すぐに異常に気づいた。
するとひとつのカメラがマン・マシーンを映した。
「マン・マシーン?」
ダコスタ中佐がそういった直後ビームライフルで小型監視カメラが破壊された。
「ばれたか」
バルドフェルド大佐は、舌打ちをした。
「大佐、すぐにガイアで追っ払ってください」
ダコスタ中佐がバルドフェルド大佐にお願いした。
「いや、もう間に合わない」
ダコスタ中佐の提案にバルドフェルド大佐が否定した。
「小型監視カメラのせいでばれたならもう母艦もそう遠くない」
バルドフェルド大佐は、表情を険しくした。
「でもマン・マシーンに擬装を見破る索敵能力があるんですか?」
ダコスタ中佐は、マン・マシーンの索敵能力を疑った。
「バカか、お前は」
そういってバルドフェルド大佐は、ダコスタ中佐の胸倉をつかんだ。
「どこにあてずっぽうで軍を動かすバカがいる?
やつらは、ここにエターナルと護衛艦隊のナスカ級3隻がいることがわかったから表立った行動に出たんだろ?」
そういってバルドフェルド大佐は、ダコスタ中佐を放した。
「しかしどうするんですか?
パンサーが稼動できれば何とかなりますがまだOSの最終調整が終わっていないんです。
攻め込まれたら護りきれません」
ダコスタ中佐は、エターナルの現状の訴えた。
「船を出すぞ。
今すぐに」
ダコスタ中佐の質問にバルドフェルド大佐は、そう答えた。
「そんな、それこそ発見されます」
ダコスタ中佐が驚いたようにいった。
「もう同じだ。
ならば攻め込まれる前に少しでも優位な状況にするんだ」
ダコスタ中佐の意見にバルドフェルド大佐は、もう少し詳しく言った。
「今のエターナルは、遊撃艦隊と遣り合える戦力もありません。
どうあがいても勝ち目は、ありません」
ダコスタ中佐は、エターナルの絶望的な状況を説明した。
「勝ちたいんじゃない。
護るんだ」
バルドフェルド大佐の言葉にダコスタ中佐がきょとんとした。
「今まで俺たちを支援してきた人々の思いをここで壊さないようにするためにもな」
そういってバルドフェルド大佐は、艦長席に腰掛けた。
「俺たちは降下軌道に逃げてあのストライクフリーダム、インフィニットジャスティスとパンサーをアークエンジェルがいるオーブに射出する」
バルドフェルド大佐が作戦を説明した。
「了解」
部下たちがエターナルの発進準備に入った。
「アークエンジェル、アンティータイム、ヒマラヤとアルバータには俺から話す。
回線をまわせ」
ブリッジは、発進準備の影響のためあわただしくなった。
「エターナル、発進準備。
総員特定の部署につけ」
艦内は、人々がごった返しに行き来していた。
「パワーフロー、正常。
FCSオンライン」
オペレーターが発進シークエンスをいった。
「推力上昇。
発進臨界」
エターナルのスラスターに灯が入った。
「擬装排除。
エターナルを覆っていたデブリが艦体から離れていった。
「エターナル、発進」
バルドフェルド大佐の言葉と共にエターナルは、同じく擬装を排除したナスカ級3隻に護衛されながら地球を目指した。
※
この情報は、すぐにオーブにも伝えられた。
「キラ君、すぐにブリッジへ。
エターナルが敵に発見されたってバルドフェルド大佐から連絡があったわ」
キラ准将は、ストライクルージュの整備をやめブリッジへ走った。
※
それは、ミネルバにも伝えられた。
「アスラン准将は、至急アークエンジェルへ。
エターナルが敵の追撃を受けているもよう」
アスラン准将は、急いでアークエンジェルのブリッジへ向かった。
※
敵艦が擬装をはずしたことでη艦隊は、索敵が行えるようになった。
「艦、特定。
ドゴス・ギアもどきにナスカ級3隻です」
ブライアン艦長は、センチメンタルな何かを感じていたが同時に危険な感じもした。
「アナハイムに通達しろ。
すぐにサオトメ大佐に帰艦するようにと」
ブライアン艦長は、イワン軍曹に命令した。
「了解」
イワン軍曹が了解した。
「アレキサンドリア、アル・ギザとハリオの位置は?」
ブライアン艦長がステファニー軍曹に質問した。
「現在グリーン22チャーリーインディゴ8αです」
ブライアン艦長の質問にステファニー軍曹が答えた。
「よし。追い詰めろ。
だが赤いゲタ背負いガンダムが出たらかまわず逃げろ。
サオトメ大佐が来てくれた後にゆっくり料理すればいいんだからな」
η艦隊からスダルシャナとマールスが発進した。
※
それは、エターナルでも確認できた。
「グリーン及びインディゴさらにアレキサンドリア級3です。
モビルアーマーにマン・マシーン来ます」
オペレーターがコロニー艦隊の動きを報告した。
「アンティータイム、ヒマラヤとアルバータから迎撃にグフカスタムが発進しました」
しかしバルドフェルド大佐は、護りきれないと判断していた。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第35話 天空の自由と正義 作家名:久世秀一