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As you wish / ACT2-3

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「じょ・・・ジョーダン・・・!?」
思わずつぶやいた正臣を笑うように、その黒い影は瞬く間に集団に近づくと、
「帝人くーーーん!!」
という、弾むような声とともに幼馴染に抱きついたのだった。
うわー!うわあ。何が起きたー!?
もはや冷静がログアウトしている正臣の目の前で、関わっちゃいけない折原臨也は犬か何かのように両腕で帝をホールドし、後ろから抱きつく姿勢でにこにこしている。
いつものニヤリではなくて、にこにこだ。
怖すぎるだろう。
「帝人君!帝人君!呼ぶのが遅すぎるんじゃないかな!俺は今日ずーっと待っていたのに今ってどういうこと?ねえ俺は一刻も早く君に会いたくて天敵のいる池袋までやってきたっていうのにさ!」
「あいかわらずネジが2・3本抜けてる感じのがっかりイケメンですよね臨也さんっていうかなんですかケンカですか僕言いましたよね極力顔に傷つけるな怪我するな血を流すなってあなた確か分かったって頷いたはずですけどどういうことだか十文字以内で説明してください」
「うわあ帝人君怒ってるぅ!こっわぁーい!」
「失せろネカマ」
帝人様が怒っていらっしゃる。しかし臨也は聞いているのかいないのか、帝人の首筋に顔をうずめるようにしてすりすりと帝人に甘えるようなしぐさをしているのだから余計に怖い。なにこれどんなBL?
戻ってこい俺の平静!正臣はなんとか質問を繰り出そうと言葉を探すが、目の前で繰り広げられる光景があまりにも規格外で言葉が出てこない。ただぱくぱくと口を動かす。その間も臨也は帝人の首筋に鼻先を突っ込んで、「帝人君の匂いー」とか言ってる。死ねよ。
「7か月ぶりに会ったのに冷たいねえ帝人君。まあそういうところも大好きだけど」
「あなたは相変わらずうざったいですよね、そろそろ名前をウザヤに改名しませんか」
「・・・ねえ!」
帝人も帝人で、止めればいいのに好きにさせているからよくわからない。そんな嫌そうな顔をするくらいなら、離れろと抵抗してもいいんじゃないだろうか。そんなことを思ったかどうかは知らないが、声を上げたのは目を輝かせた狩沢だった。
「何?イザイザ、2人はラブラブなの!?」
直球、ど真ん中ストレート。
ひい、とひきつる正臣を無視して、遊馬崎も目を輝かせる。
「どこまで進んだ関係っすか!」
聞きたくない・・・!正臣は正直にそう思った。自分と情報屋との因縁は置いておいたとしても、幼馴染が男に持っていかれたなんていろんな意味でやり切れなさすぎる。半分くらい涙目になっている正臣を無視して、臨也はそれはそれはいい笑顔で帝人の首筋から顔を上げた。


「帝人君は俺のご主人様だよ」


うわああああああ・・・・・。
心底聞きたくなかった。ほんとマジどうしてそうなった。うっかり灰になりかけた正臣の視界の中で、帝人が思いっきり臨也の足をふんずけるのが分かった。微妙な悲鳴を上げて、ようやく臨也が帝人から離れる。
「あなたが言うと冗談に聞こえないのでやめてください」
平坦な声でそんなことを言って、帝人は高らかに宣言した。


「あと、1年前から身元引受人だってだけです、いうなれば保護者ですよね」


「ご主人様のほうが響きがいいじゃない?」
「死にますか?」



作品名:As you wish / ACT2-3 作家名:夏野