芳川裕美の想い(前編)
原田はまさかの発言に驚きながら、「バカを言うな、そんなこと出来る訳ないだろ、早く服を着なさい!」と言い部屋を出た。すると裕美は大きな声で「ヤダよ!*原田さんが抱いてくれるまで服を着ないよ!、」と声をあげた。
困った原田はしばらく考えた挙句、「分かった、抱いてあげるよ、・・けど服を着てからだ、言う事聞かないなら置いて帰る。・・服を着た後なら、ちゃんと抱き締めてあげる、」と引き戸越に答えた。
原田は、裕美が好奇心旺盛で早熟な女の子だと云うことは見抜いていた。しかしこんな積極的な行動に出ることまでは予想してなかった。
しかし裕美は諦めなかった。彼女は「じゃあパンツ履く、・・だから原田さんもパンツになって抱いて!」、と条件を出してきた。原田は更に困った。それは倫理に反するとか云う事では無かった。
細い首に続く色白の胸には、予想外に発達したお椀型の乳房が盛り上がり、薄っすらと恥毛が生える下半身は既に女の肉付きが始まっていたのだ。そんな魅惑的な裕美の裸体を抱けば、いくら相手が中学生とはいえ自分の理性がコントロール出来るのか、自信が無かったのだ。
更に裕美は、「私は子供じゃないよ、何だって知ってるもん、・・友達の中にはオトナの人とエッチした子も居るよ、・・・私もシテみたい、」と原田が腰を抜かすような事を言ったのだ。
話を聞いているうちに原田は、裕美は官能を求めているのでは無く好奇心の塊なのだと解かった。そして、「分かった、言った通りに抱いてあげる、・・ただし、ちゃんとパンツを履きなさい、僕もパンツになるから、」と言った。
原田は隣室に居る裕美に、引き戸を閉めたまま「パンツ履いたら先にベッドに入ってなさい、直ぐ行くから、」と声を掛けた。そして廊下に繋がるドアをロックし、片付けが途中の部屋でトランクス一枚になった。
原田がベッドルームに入ると裕美はベッドに潜り込んでいるらしく、上掛け毛布が彼女の大きさに盛り上がっていた。それを見て又原田は躊躇した、(性行為は無いにしろ、中学生相手にベッドインはダメだろう・・どう見ても犯罪だぜ)と考えていたのだ。すると裕美が上掛けの中から、「早く来て!」と催促した。
ホテルのシングルベッドは小さく、二人が横になるには狭そうに見えた。原田は「ベッドが小さいから、もうチョッと端に寄って、」と声を掛けた。すると裕美は「*上に重なればいいよ、わたし平気だよ、」と、又とんでも無い返事が返ってきた。
原田は直ぐに「そんなのダメだよ、並んで寝ないのならやめるぞ、」と返した。裕美は渋々納得し、身体をモゾモゾさせながら横にずれた。原田は意を決して「じゃあ入るぞ」と声を掛けて上掛けを捲り上げ、裕美に向かい合うようにベッドに載った。裕美は嬉しそうに原田の顔を見て、「ちゃんと抱いて、」と言った。
この時原田は心の中で、(未熟な女の子が言う言葉と、成熟した大人の女のセリフは同じだ、オンナって凄い生き物だ!)と改めて感心した。
小さなシングルベッド用の上掛けに潜り込んだ原田に、裕美が「上掛けがずれ落ちそう、ねえ・・取っちゃいたい、」と言った。原田が「そうだな・・でも身体が丸見えになるぞ、」と答えると、裕美は「見えてもいいよ」と答え、身体を起こして上掛けを押し退けた。
裕美は下着一枚の身体を仰向けに寝かせ、甘えるような目線を原田に投げ掛けた。しかし原田は裕美の裸体に目線を注ぐこと無く、「こっちを向いて」と言って身体を横に向かせた。
もちろん見たくない訳ではない。幼い少女の裸を見たら、必ず罪悪感が生まれ折角の決心が鈍るからだ。
作品名:芳川裕美の想い(前編) 作家名:潮 風