はじまりのあの日13 一緒と内緒の古都巡り
めー姉達は、地下鉄で駅へ。分散行動なら、少しは混雑も避けられる。私達は、フロントでタクシーを頼む。到着を待つ間、ペットボトルの飲料を買う。ジャンボタクシーを二台、一日貸し切り。わたし、彼、IA姉、アル兄で一台。先生、リリ姉、天使様達で一台
「あまりはしゃいで迷惑かけるなよ~」
「神威さん、しっかり監督いたしますので」
「騒ぎすぎは、ダメだからな~」
「「「「は~い」」」」
乗り込んで、目的地を告げる彼。運転手さんはとても気さくで親切なおじさん。京都の町や、向かうお寺の見所なんかを、簡単に説明してくれる。わたしに、ビスケットを振る舞ってくれる
「午前中に、二箇寺、一社(にかじ、いっしゃ)くらいは参拝しようじゃない」
「ニカジイッシャってな~にがっくん」
「ああ、お寺や神社の数え方。お寺は『箇寺』神社は『社』ってかぞえるじゃない」
それも彼から教わった新知識だったな
「へぇ、そうだったんだ。わたし『一軒』で良いと思ってた~」
「ゎたしも~。そうなんだ~神威のに~さん」
ビスケットをつまむわたし、IA姉
「ま、こだわらなくてもいいけどさ。お寺も神社も、観光する場所じゃない。本来は拝みに行く場所だから、礼儀として一応な」
「神仏に『参拝』をするでゴザルな」
午前中、彼の言葉通り、いや、予定より『一社』多く回った。安置されている仏様や、神様の由来を聞くうち
「あ、ならさ~センセ、縁結びの神社とか寺ってねぇの~。おにぃ、どっかない~」
と、リリ姉の希望でくぐる、縁結び神社の鳥居。みたらし団子発祥の場所だという
「境内は良いけどさ、仏様、神様の前では外そうじゃない」
「本来は境内も、ですが、最低限のマナーですからね」
紫様の指示で、参拝するときはサングラスを外す。最初のお寺で言われたこと。キヨテル先生の言う通り、礼儀は大切。礼節をわきまえたわたし達に、神様からのご褒美、おみくじを引いたリリ姉
「『時が来るのを待つべし。成就した想いに合わせれば、必ず成就するなり』お、成就するんだ、ヤリイ~ぃ」
良い運勢だったのか、大喜びだった。何か『お守り』も買っていたっけ
「リンも引かね、おっみくじ~」
と聞かれたけれど
「ん、わたしはイイや~リリ姉。レンアイとか解んない~」
そう応えると、何故かものすご~く『渋い顔』をされた。苦いクスリでも飲まされたような。昼食は、運転手さんオススメのお店に連れてきて貰う。ならばと、彼の誘いで、一緒に食べる運転手さん。その運転手さんのお薦めメニュー
「わ~お魚のってるうどん、初めてだね~。ユキちゃん」
「ね~、いろはちゃん。おつゆも、いろがうす~い」
盛り上がる、いろはちゃん、ユキちゃんの女の子組
「おりばーさん、にいさまと、かいとさんがつくるおそばも」
「Soupノイロガティガヒマフ(スープの色が違います)リュフトクン」
「だよな~オリバー。ウチもさ、おにぃ、カイトが作るツユの色の違いに、始めビビッタもん」
興味津々、男の子。子供と大人、向かい合わせで座る。わたしも、大人の『つもり』で彼の横
「おつゆは、関西と関東の違いですね。関西では『ダシ』関東は『つゆ』お醤油の色の濃さで変わります。好みの問題になりますが、どちらも美味しいですよ、皆さん」
答えてくれる、博識のキヨテル先生
「そ、俺も蕎麦は関東風のつゆ。うどんは関西風のダシが好みだしな。煮出す素材で味も変わる。麺だって、地方によって違うじゃない。コシがあったり、柔かったり」
店員さんが運んでくれた、湯気立ち上るうどん。魚がのっているうどんを食べるのは、わたしも初めてで
「がっくん、乗ってるこのお魚はなぁに~」
「ああ、鰊(にしん)鰊の甘露煮をのせてるの。うどんに魚の油と出汁が染み出して旨いじゃない」
「オオ、これは拙者モハジメテデゴザルナ」
「ゎたしもはじめてだ~。ぅ~、いいにお~い」
京名物ニシンうどん。初めて食べたあの日。アル兄は、紫の彼の真似をして唐辛子をかける。最初の一口でむせてしまったのが面白かった。でも、慣れた二口目からは、おいしそうに食べていた。コシのあるうどんにからまる、出汁の利いたおつゆ。ニシンから溢れ出るアブラとの多重奏。甘辛、それ自体おいしい、ニシンの甘露煮。とても美味しかった。何時だったか食べた『立ち食い蕎麦』と大違いの味。ネギが入れ放題のお店。ミク姉だったらネギ山盛りだったろう
「さて、どうするテル。ここで分かれるか」
「いえ、神威さん。もう一、二箇所参拝してからにいたしましょう」
「え~ウチ正直飽きたな~寺巡り~。リュー、ユキも飽きてね~」
昼食後、つまらなさそうに言うリリ姉。聞かれたリュウト君、ユキちゃん
「ぼくはたのしいです、りりねえさま」
「ゆきも~。ひやま先生と、ぽ父さんのおはなし、たのしい」
「あたしも~リリちゃ~ん」
「オテラ~、チャンジャ~(神社)メデュラシ~デフ~」
天使様の援護得られず。何も言えないリリ姉
「すみません、リリィさん。私の話が至らないばかりに」
「え、ち、ちげ~ってセンセ。寺とか神社って、どこ行っても同じっぽいってだけでさっ」
謝る先生に、焦り、手を振って弁解するリリ姉
「センセと一緒だったら、ま~いっか」
「私と、ですか」
不思議そうな顔の先生。いよいよ押し黙るリリ姉。頬が朱色
「はは、リリ、天使様のがお利口さ~ん。ま、なら後一箇寺参拝したら、皆で行こうじゃない。甘い物食べに」
「甘い物食べた~い。やった~、ありがとがっくん」
「オッしゃ、話せる~。さっすがおにぃ~」
わたしは別に、お寺が嫌では無かった。行ってみたら、以外と楽しい。まぁ、彼と先生のお話が面白かった、ということが大きな要因だと思う。けれどやっぱり、甘い物の方が心躍る。リリ姉、紫様に飛びつき、ほっぺちゅ~。さすがは筋金入りのブラコン。でも何故だか思った『うらやましい』と
「こらコラ、リリ、はしゃぐんじゃない。アルも良いだろ。都の和菓子だって、そうそう機会、ないじゃない。IAもどう、ぶっちゃけ、俺も食べたいし」
そのリリ姉を抱き留め、オデコ合わせ。撫でながら彼。完璧なシスコンブラコン、神威の一家
「拙者は、寺社仏閣も格別でゴザルが。イワレレバ、甘味も気にカカルでゴザル」
楊枝を咥え、頬を緩めるアル兄、顎に手をあてる
「ゎたしも~。甘い物がた~べた~いな~」
両手を挙げ、破顔するIA姉。今日は袖が余る私服なので、必然、余った袖が揺らぐ。袖パタパタ。甘味処行き、全員異論無し
「店はリリ、目当てがあるんじゃない。その様子じゃ~」
「もちっ、おにぃ。食べてみて~のあんだ~。宿にも、歩いて帰れる距離の店だしさっ」
話しがまとまって、会計を済ませる。タクシーへ戻って、もう一箇寺、お寺へ。大きな山門をくぐり参拝。階段の多さが半端じゃない。多少息が切れてしまう
「おお、コレハ珍妙デゴザルナ」
「おもしろいね~、リュウトくん」
「にんじゃもあるけませんね、ゆきちゃん」
「このお寺の特徴なんですよ、みなさん」
解説をしてくれる、キヨテル先生、神威先生
「わ~、歩くと音が出るんだね、がっくん」
「あまりはしゃいで迷惑かけるなよ~」
「神威さん、しっかり監督いたしますので」
「騒ぎすぎは、ダメだからな~」
「「「「は~い」」」」
乗り込んで、目的地を告げる彼。運転手さんはとても気さくで親切なおじさん。京都の町や、向かうお寺の見所なんかを、簡単に説明してくれる。わたしに、ビスケットを振る舞ってくれる
「午前中に、二箇寺、一社(にかじ、いっしゃ)くらいは参拝しようじゃない」
「ニカジイッシャってな~にがっくん」
「ああ、お寺や神社の数え方。お寺は『箇寺』神社は『社』ってかぞえるじゃない」
それも彼から教わった新知識だったな
「へぇ、そうだったんだ。わたし『一軒』で良いと思ってた~」
「ゎたしも~。そうなんだ~神威のに~さん」
ビスケットをつまむわたし、IA姉
「ま、こだわらなくてもいいけどさ。お寺も神社も、観光する場所じゃない。本来は拝みに行く場所だから、礼儀として一応な」
「神仏に『参拝』をするでゴザルな」
午前中、彼の言葉通り、いや、予定より『一社』多く回った。安置されている仏様や、神様の由来を聞くうち
「あ、ならさ~センセ、縁結びの神社とか寺ってねぇの~。おにぃ、どっかない~」
と、リリ姉の希望でくぐる、縁結び神社の鳥居。みたらし団子発祥の場所だという
「境内は良いけどさ、仏様、神様の前では外そうじゃない」
「本来は境内も、ですが、最低限のマナーですからね」
紫様の指示で、参拝するときはサングラスを外す。最初のお寺で言われたこと。キヨテル先生の言う通り、礼儀は大切。礼節をわきまえたわたし達に、神様からのご褒美、おみくじを引いたリリ姉
「『時が来るのを待つべし。成就した想いに合わせれば、必ず成就するなり』お、成就するんだ、ヤリイ~ぃ」
良い運勢だったのか、大喜びだった。何か『お守り』も買っていたっけ
「リンも引かね、おっみくじ~」
と聞かれたけれど
「ん、わたしはイイや~リリ姉。レンアイとか解んない~」
そう応えると、何故かものすご~く『渋い顔』をされた。苦いクスリでも飲まされたような。昼食は、運転手さんオススメのお店に連れてきて貰う。ならばと、彼の誘いで、一緒に食べる運転手さん。その運転手さんのお薦めメニュー
「わ~お魚のってるうどん、初めてだね~。ユキちゃん」
「ね~、いろはちゃん。おつゆも、いろがうす~い」
盛り上がる、いろはちゃん、ユキちゃんの女の子組
「おりばーさん、にいさまと、かいとさんがつくるおそばも」
「Soupノイロガティガヒマフ(スープの色が違います)リュフトクン」
「だよな~オリバー。ウチもさ、おにぃ、カイトが作るツユの色の違いに、始めビビッタもん」
興味津々、男の子。子供と大人、向かい合わせで座る。わたしも、大人の『つもり』で彼の横
「おつゆは、関西と関東の違いですね。関西では『ダシ』関東は『つゆ』お醤油の色の濃さで変わります。好みの問題になりますが、どちらも美味しいですよ、皆さん」
答えてくれる、博識のキヨテル先生
「そ、俺も蕎麦は関東風のつゆ。うどんは関西風のダシが好みだしな。煮出す素材で味も変わる。麺だって、地方によって違うじゃない。コシがあったり、柔かったり」
店員さんが運んでくれた、湯気立ち上るうどん。魚がのっているうどんを食べるのは、わたしも初めてで
「がっくん、乗ってるこのお魚はなぁに~」
「ああ、鰊(にしん)鰊の甘露煮をのせてるの。うどんに魚の油と出汁が染み出して旨いじゃない」
「オオ、これは拙者モハジメテデゴザルナ」
「ゎたしもはじめてだ~。ぅ~、いいにお~い」
京名物ニシンうどん。初めて食べたあの日。アル兄は、紫の彼の真似をして唐辛子をかける。最初の一口でむせてしまったのが面白かった。でも、慣れた二口目からは、おいしそうに食べていた。コシのあるうどんにからまる、出汁の利いたおつゆ。ニシンから溢れ出るアブラとの多重奏。甘辛、それ自体おいしい、ニシンの甘露煮。とても美味しかった。何時だったか食べた『立ち食い蕎麦』と大違いの味。ネギが入れ放題のお店。ミク姉だったらネギ山盛りだったろう
「さて、どうするテル。ここで分かれるか」
「いえ、神威さん。もう一、二箇所参拝してからにいたしましょう」
「え~ウチ正直飽きたな~寺巡り~。リュー、ユキも飽きてね~」
昼食後、つまらなさそうに言うリリ姉。聞かれたリュウト君、ユキちゃん
「ぼくはたのしいです、りりねえさま」
「ゆきも~。ひやま先生と、ぽ父さんのおはなし、たのしい」
「あたしも~リリちゃ~ん」
「オテラ~、チャンジャ~(神社)メデュラシ~デフ~」
天使様の援護得られず。何も言えないリリ姉
「すみません、リリィさん。私の話が至らないばかりに」
「え、ち、ちげ~ってセンセ。寺とか神社って、どこ行っても同じっぽいってだけでさっ」
謝る先生に、焦り、手を振って弁解するリリ姉
「センセと一緒だったら、ま~いっか」
「私と、ですか」
不思議そうな顔の先生。いよいよ押し黙るリリ姉。頬が朱色
「はは、リリ、天使様のがお利口さ~ん。ま、なら後一箇寺参拝したら、皆で行こうじゃない。甘い物食べに」
「甘い物食べた~い。やった~、ありがとがっくん」
「オッしゃ、話せる~。さっすがおにぃ~」
わたしは別に、お寺が嫌では無かった。行ってみたら、以外と楽しい。まぁ、彼と先生のお話が面白かった、ということが大きな要因だと思う。けれどやっぱり、甘い物の方が心躍る。リリ姉、紫様に飛びつき、ほっぺちゅ~。さすがは筋金入りのブラコン。でも何故だか思った『うらやましい』と
「こらコラ、リリ、はしゃぐんじゃない。アルも良いだろ。都の和菓子だって、そうそう機会、ないじゃない。IAもどう、ぶっちゃけ、俺も食べたいし」
そのリリ姉を抱き留め、オデコ合わせ。撫でながら彼。完璧なシスコンブラコン、神威の一家
「拙者は、寺社仏閣も格別でゴザルが。イワレレバ、甘味も気にカカルでゴザル」
楊枝を咥え、頬を緩めるアル兄、顎に手をあてる
「ゎたしも~。甘い物がた~べた~いな~」
両手を挙げ、破顔するIA姉。今日は袖が余る私服なので、必然、余った袖が揺らぐ。袖パタパタ。甘味処行き、全員異論無し
「店はリリ、目当てがあるんじゃない。その様子じゃ~」
「もちっ、おにぃ。食べてみて~のあんだ~。宿にも、歩いて帰れる距離の店だしさっ」
話しがまとまって、会計を済ませる。タクシーへ戻って、もう一箇寺、お寺へ。大きな山門をくぐり参拝。階段の多さが半端じゃない。多少息が切れてしまう
「おお、コレハ珍妙デゴザルナ」
「おもしろいね~、リュウトくん」
「にんじゃもあるけませんね、ゆきちゃん」
「このお寺の特徴なんですよ、みなさん」
解説をしてくれる、キヨテル先生、神威先生
「わ~、歩くと音が出るんだね、がっくん」
作品名:はじまりのあの日13 一緒と内緒の古都巡り 作家名:代打の代打