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代打の代打
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はじまりのあの日13 一緒と内緒の古都巡り

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「色々見てきたわ~。共用のアクセサリーなんかも買っておいたっ。二次会用のお酒や飲み物も、買ってきたわよ~」
「装飾品、食材やお土産なんかは、宅急便で送ったよ、殿。曜日指定、や~、楽しかったぁ」

お土産を配送すれば、荷物が減る。それでも、来るときよりは増えるのだけど。ありがたいお話、大満足笑顔の姉と兄

「帰りの電車とか、二次会とかで食べようってさ~」
「美味しそうなお菓子も買いましたわ」
「簡単なおつまみと、プラコップも~」

ルカ姉、ミク姉に挟まれてやってくるレン。こちらも『いい顔』三人銘々袋を下げて

「おかえり、そっちも楽しかったみたいじゃない」
「みなさん、おかえりなさい。では、天使様もお呼びして、点呼をとりますか」
「センセ、ウチ呼んでくる」

リリ姉が、子供達を呼びに行く。と、燃え尽きているテト姉を発見する駅組

「ん、アネキ、ゆっくりしてたんじゃないの。なんで燃え尽きてるの、神威君」
「教育的指導があったじゃな~い」
「しど~って何があったの、あにさま」

畳に突っ伏しているテト姉。さっきの顛末を知らない駅組。キヨテル先生に目配せする彼。話しても良いかという視線。苦笑いの先生。語ってもいいですよ、という顔だ。教育的指導の内容を語る彼。爆笑する駅メンバー

「うっわ~、先生もつええ。かっこいい~」
「いえいえレンさん、お恥ずかしい」
「そりゃ~、アネキが悪いわ」

見直したようにレン。恐縮する先生。ひたすら可笑しそうにめー姉

「ちょっと可哀想だけどね。でもまぁ、悪ノリしすぎかな。そのゲームは推奨できないな~」

控えめにカイ兄、注意を促す

「あ、でもこのチョコおいしいよ、レンくん。ルカ姉も~」
「けれど、食べ過ぎはいけませんわ」
「ふきでものが出そうなげ~む、めっ」

可笑しそうなミク姉、チョコを勧(すす)める。額に手をあて、嘆息するルカ姉。カル姉もあきれる。まあ、あのゲームをするのは、良くはないよね。天使様が合流して、キヨテル先生が点呼を取る。メンバー全員、大きな声で返事、手を上げる。完全に修学旅行状態なのが楽しかった。食事までの間、一部屋に集まってくつろぐ。わたしは、あぐらをかく、彼の膝の上

「しっかしさ~。ほんっとリンの指定席だよな。おにぃの膝~。そ~いや、それ聞くの忘れてたぜ~」
「ん、どしたのリリ姉」

キヨテル先生の隣、ひっついて座るリリ姉がつぶやく。キヨテル先生の膝の上には、ユキちゃんが座っている

「いや、なんでそんなにオキニなのかなって。おにぃの膝」
「そ~いえばそうね。神威君が来た日から観てた。アタシ達もあまりに自然すぎて~」
「そんな風に考えなかったね、め~ちゃん」
「あの日、気がついたら乗ってたもんね~リンちゃん。レン君も乗ってたけど」

リリ姉の言葉に、姉と兄。ミク姉も参加してくる

「かるも気になる。りんりん、なんで」
「そっか~、昨日聞いちゃえば良かったね」

カル姉、めぐ姉も、興味深げに

「ん、昨日ってなに~。何かあったの」
「お前ら、リンに変なこと聞いたんじゃないだろうな~」

別の興味を示すカイ兄。可笑しげな声の彼。わたし、神威の姉達と、顔を見合わせ

「「あはっ」」
「へっへ~」
「うっふ~」

めぐ姉と声が重なる。それぞれ吹き出す、リリ姉、カル姉

「え、な、なに、なに。その反応。お兄ちゃん、気になっちゃうな~リン」

実際『何か』気になったのだろう。やや慌てた顔で、カイ兄が前のめる、も

「あっははいつまでも『お兄ちゃん』とか言ってんなよカイト。ヒクんだけど~」
「え~」

リリ姉に切り払われて、落ち込むカイ兄。こうべを垂れる

「女子トークだから秘密~。ぽ兄ちゃんにも~」
「りんりんとカル達だけのおはなし。みんなはめっ」

秘密の会話を、肯定してくれるめぐ姉。カル姉、人差し指で×を示す

「ぅんぅん。女子トークは秘密~。ぉとこの子は聞いちゃダぁメ~。でも、ゎたしも気になる~。リンちゃん、神威のに~さんのぉ膝って、どんな心地なの~」

IA姉、会話の内容には触れず、座り心地を訪ねてくる

「ネタにされ損じゃない、俺。ま、女子トークの内容は秘密だ基本。カイト、マナー違反じゃない、聞くのって。聞かない方がいい話しもあったりするじゃな~い。で、リン、どんな心地なのかな、俺の膝」

言われ、さらに落ち込むカイ兄。めー姉が慰める。紫様自身、気になったのか、聞いてくる

「んとね、がっくんの膝。乗るとね、悲しいときでも、ヤな事あったときでも。落ち着くの、とっても。安心する。護ってくれてる~、って気分になるんだ~」

背もたれよろしく、彼の胸に寄りかかる

「そうなのか。考えてみたら、聞くの、俺も初めてだったじゃない、リン。なんで乗ったか、聞いたことはあったけどさ」
「そ~だよ、がっくん。がっくんの膝、わたし、すっごく落ち着く」

彼を見上げる、優しく微笑み返してくれる

「そっか~、落ち着くのねぇ、お・ひ・ざ。うふふっ、落ち着きすぎたのね。神威君の膝の上で、眠っちゃったこともあったわね。小一時間動けなかったわぁ、神威君」

可笑しそうにめー姉。幼い日の失敗談、しっかり覚えられていた

「むぅ、それは言わないでよ~、めー姉。がっくんも一緒に寝てたって言ってるし~」
「ゎ~、ゎたし観たかったな~。ミクちゃん、写真撮ってないの~」
「うん、ごめんねIAさん。まだ、写真に目覚めて無くて~。あ~今思いだしたら、もったいない~」

写真に目覚めるというより、何か別のものに目覚めた気がするミク姉。IA姉とは『別の意味』で相当残念そうだった

「そ、問題ないじゃない。俺まで眠ってたんだから」
「はは、殿、もう時効だと思うから言っちゃう。リン、あの日ね、殿は眠ってなかった」
「えっ」

精神的に回復してきたカイ兄によって。あの日、告げられた真実。幼かったあの日の事実。彼は眠っていなかった。私が起きないよう、静かに読書を続けていたのだと。周りの家族にも、静かにするよう、促していたことを

「起こさなかったノハ、神威殿のオモイヤリでゴザルナ」
「ぅゎ~あ、お話し聞いただけで萌え萌え~。小っちゃいリンちゃん、ぉ膝の上でぉねむでしょ。神威のに~さんがそれ護ってるの~」
「わかる~IAね~さ~ん、うちも萌えちゃうっ。起こすなって、ホントに『護って』あげてる~ぅ」

腕組み、微笑みながら頷くアル兄。IA姉、Mikiちゃんは萌え上がる

「うぁ~、知らなかったぁ。ホントにごめんね、がっくん」
「気にしなくて良いじゃない、リン。あんな気持ちよさそうに寝てたら、起こすこと出来ない」

撫でてくれる、やさしい彼

「でも、なんだかわかる、リンちゃん。ゆきもおちつくの、ひやま先生のおひざのうえ」
「ほんと、ユキちゃん。わ、うれし~な。わたしと同じだね~」

天使様の理解を得られる。大変に光栄だ

「おうち(シェアハウス)にいるときね、おねがいして、のせてもらうんだ~」

そして、わたしと彼の同様の事をしているのも、なんだか嬉しい

「へえ~、テルさんもユキちゃん、乗せてるんだ」

ダメージは残っているが、興味が湧いたらしい、カイ兄