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はじまりのあの日13 一緒と内緒の古都巡り

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「ええ、せがまれまして。以前観た、神威さん、リンさんの光景に触発されたようです。まだ、こちらに入らして日も浅いですからね。心細さもあったのでしょう。そう考えたら『家長』としては断れません」

やや、恥ずかしそうな先生。でも、その想いを聞くと、心が温まる。ここで、テト姉が軽口を叩かなかったのは珍しい。きっと、さっき先生が放った必殺技が効いていたからだろう

「マジか、ユキ~。羨まし~。ちょい変わってくんね~」
「いいよ~リリちゃ~ん」

言って、軽やかに。キヨテル先生の膝を降りるユキちゃん

「え、リリィさ―」

カンバツ入れず、有無をも言わせずに。先生の膝の上に収まるリリ姉

「お~マジだ。ヤッベ、これ癖になりそ~。ウチもこのまま寝てい~い、セ・ン・セ」

キヨテル先生を見上げ、小悪魔スマイル。顔を近づける。すると、先生が眼鏡を外す。目が真剣に

「いけませんよ、リリィさん。無闇にこんなことを―」
「はいはい、メンサイ(ごめんなさい)でも、ウチがんなことするの、センセだけなんだから~」

膝からどきつつ、つまらなさそうにリリ姉。眼鏡をかけ直すキヨテル先生は頭の上に疑問符がふわふわ。でも、先生、越後では、リリ姉を膝枕してたよね。さっき同様、隣にひっつくリリ姉。どうやら先生なりの基準があるようだ

「あらあら、テル先生もスミにおけないわね~。カイト、あたしも良いかしら~」
「ど~ぞ、め~ちゃん」

カイ兄の、足の間に収まる姉。逆に、カイ兄の心を癒すことも考えての行為のよう。ユキちゃん、ふたたび、キヨテル先生の膝の上へ

「ピコく~ん。うちの膝に乗ってみな~い」
「わ~い、乗りま~す」

Mikiちゃんの膝の上。積極的に乗りにいくピコ君

「アルさん。あたしたちも~」
「オヒザ、ノッテミタイデフ」
「何のソレシキ。遠慮されるコトハ、ないでゴザル」

大きなアルさんの膝に乗る、いろはちゃんとオリバーくん。気に入ったらしく、大はしゃぎ。孫を見るかのような顔のアル兄

「ゎたしも乗せてみたかったんだ~。おいで~リュ~トく~ん」
「は~い」

寄って行ったリュウトくんを、膝に抱き上げるIA姉。笑顔で撫でてあげる

「レンくんも乗りませんか」
「あ、ずる~いルカ姉。レンくん、わたしも乗らない」
「どっ、どっちも乗らないしっ」

ルカミク、二人の姉に言われ、慌てて照れる片割れ

「ふっはは。なんだかミョ~な流れになったじゃない」
「お膝だっこ大会。みんなかあいい」

吹き出す彼と、和むカル姉。何か複雑そうな勇馬兄

「うん、グミ姉、ナイスアシスト。グミ姉の一言で、素晴らしい画がたくさん撮れた」
「「「「「「「「「「ミク、ま~たお前か」」」」」」」」」」

サムズアップ、ウィンクしながらミク姉。あきれる面々。膝だっこ大会をしていると、あっという間にご飯の時間。その日の晩ご飯は、天麩羅の盛り合わせ。半熟玉子の天麩羅や、珍しい、つくねの天麩羅も付いてったっけ。主菜は、のどぐろの煮付け。ゴマ豆腐や茶碗蒸し、お吸い物からなる御前。子供達には配慮して別メニュー。大きなハンバーグがメインディッシュ。昼間、飲み食いしていただろう居残り組も含め、全員完食。お風呂の前に、土産物通りに移動。夜七時、昼間さながらの活気