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はじまりのあの日14 秘密の贈り物

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ミク姉、ルカ姉、弟へのオシャレを提案。喜びに満ちあふれた笑顔

「え、あ、うん。ってか、嗜みって何、がく兄」
「レン殿も歳相応でに、でゴザルナ」

もちろん、それなりの洒落っ気はあったわたし達、だが『大人の嗜み』は知らない子供。アル兄も肯定してくれる

「ああ、整髪料つけたり、香水振ってみたり、な。まぁ、普段はしなくてもいいけどさ。人前に出るとき、そんな嗜みがいるわけ、レン。大人になると、さ。今はまだムリする必要無いけど、徐々に教えちゃおうじゃない。Mousseとか、Fragrance(ムース・フレグランス)買ってあげるから」
「わ、マジ、やった。教えてね、がく兄」

むむ、さっきから、弟ばかり、彼に何か貰っている。自分だって和菓子を買って貰ったくせに、あの日のわたしは面白くない

「え~っと、一番身近な『大人の男』はオレなんだけどな~」

カイ兄、やや魂が抜けた状態、悲しそうに聞いて来る

「え~っ、だって、さっきリンちゃんを子供扱いしたじゃな~い。カイ兄は~」
「それではお任せできませんわ。レン君が『大人の嗜み』を知る第一歩ですもの」

あの日のわたしでも、頷ける反論。カイ兄、ぐうの音も出ず。深海に沈んでゆく

「ゎたしの背、レンくんもリンちゃんも超えちゃったもんね~。大人っぽく成ってるよ~、二人とも~」
「IAたんは、小っちゃくてかわいいぜ」

テト姉、珍しくIA姉を撫でている。だんだんと酒宴めいてくる二次会。甘党のキヨテル先生、早々にお酒を離れ、和菓子に手を伸ばす。リリ姉はその横で、紙コップにお茶を注ぐ。めー姉は、しょげるカイ兄につきっきり。MikiちゃんとIA姉はガールズトーク。めぐ姉、勇馬兄の看護中。このあたりかな、わたしは思う。今にして思うと、この時からめぐ姉達が、上手くみんなの注意、逸らしてくれたのかも。わたし達から