二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
代打の代打
代打の代打
novelistID. 63523
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

はじまりのあの日15 バレンタインとリップサイン1

INDEX|6ページ/8ページ|

次のページ前のページ
 

驚くMikiちゃん。当然だろう、今その『元』チョコ嫌い、紫様の手によって作られている『チョコレートにちなんだスイーツ』

「マジマジ、Miki。おにぃチョコ大っ嫌いだったん。見向きもしなかった」
「あ、でも理由聞いたこと無かったね、リリちゃん」

リリ姉の声が頭上から。めぐ姉も知らない、紫様がチョコ嫌いだった理由

「ぁとで聞いてみましょ~か、に~さんチョコ嫌いだったわけ。リンちゃ~ん、続きゎ~」
「二人だけで、初めて留守番したことがあってね~」

幼かった頃のわたしが、彼と二人きりで過ごした、初めての日。バレンタインの翌日。あの日の思い出を語る。京の都で、神威の姉に話したように。今日のパーティーのきっかけの思い出話し。終わったとき、トキメキの笑顔で

「へえ~、神威のアニキとリンちゃんて、やっぱ運命がかってるね~。な~んか素敵~」

感想を言ってくれるMikiちゃん

「ゎたしも思う~。小っちゃいリンちゃん、神威のに~さんにチョコあ~ん。考えただけで萌~え萌え~」
「うあ~、それゼヒ撮影したかったな~」

まぶしい物を見るように微笑むIA姉、両手を頬に。ミク姉、頭を抱えいつものクセを出す

「ふぇへへへへ~。幼女リンたんのあ~んで、チョコ嫌いが治るぅ。化粧しなかった方が良いんじゃね~か。あいつやっぱり、真性ろ―」

イタズラ顔、軽口をはじめるテト姉。そこで鳴る、めー姉のスマートフォン

「はい。あ、先生、もうすぐ着く。はい、わかりました。ええ、用意、始めておきますね」

『先生』という言葉で何故かひれ伏すテト姉。その言葉の先、何を言おうとしていたか。あの日は分からなかった

「メー姉、電話センセ達から~」
「ええ、もう、会場の準備始めて良いそうよ。あら、リリィ、良いセットねぇ。リ~ン、可愛さが増しマシになったわよ」

通話を終えてわたしを観る、めー姉、笑顔で

「あざ~っす、メー姉。毛先だけ、無造作ストレート。他んとこは、リンのクセをいかしてみた~、っつ~カンジ。仕上げのヘアピンはこんな感じにっと。あ、今は地味ピンだけどさ、マンション行ったら、オシャレヘアピンに変えようぜっ。さ~どぉだっ、リン」
「りんりん、すご~くプリティ~。さすがりりねえさま、りんりんヘアピンもよそいきいき」

手鏡で見せられる自分。見慣れた髪型では無く、毛先がまっすぐ。ヘアピンで前髪も、いつもと違う分け方に整えてもらった。部分部分の跳ね髪がオシャレ、っぽい『ぽい』が付くのは、自分の『オシャレ』感性を信じて良いかが、分からないから

「あ、あのね、ゎ、解んない。似合ってるかな、わたし、え~っと」

今の自分の事を『かわいい』などと言っても良いのか。ミク姉の歌に、そんな気持ちを表した歌があったハズ

「何を言ってるんですか。今日の、いいえ、リンちゃんは『いつも』可愛らしいんですから。本日は『特別に』可愛いんです。自信を持って下さい」

ルカ姉、胸の下で腕組み。慈愛の微笑み

「ウチらが、いくら『カワイイ』っつって、もハナにかけね~のが良いとこだよな。でも、今日は自惚れちまえっ。今のリンは『超』カワイイんだっ」

後ろから、リリ姉に抱きしめられる。リリ姉と頬がっくっつく

「仕上げはおリボンだよ。リンちゃん、今日は今までで、いっっちばん可愛いよっ」
「ゎたし史上、最高にかわいいリンちゃん降臨だよ~ぅ」

めぐ姉、IA姉、にも抱きしめられる。わたしって、本当~に『得』なポジションだよね

「じゃ~、リンちゃん込みで『準備』しに行こう、みんな~。リボンとヘアピンでリンちゃん完成っ。マンション行かなきゃぁ」
「さ~準備しちゃいましょっ。スイーツパーティー、今日は甘い物祭りよ。リンがさらに甘~くしてくれるかしら~あ」

Mikiちゃん、マンションの会場準備と、わたしのリボン結びをかける。めー姉『何か』に期待を込める。シェアハウスの戸締まりを確認。一瞬の移動だけど外履きに履き替え、外に出る。すると、辺りに漂うのは、魅惑の香り。甘い、甘い良いにおい。マンション、神威家から放たれる芳香。甘味への欲望喚起、悪魔のささやき。いや、神威家では、天使様も何かお手伝いされている。ならば『天使様の誘惑』か

「ぅ~、このニオイだけで期待が倍増だよね~」
「わかる、かるかる、IAさま。かるも楽しみしみ~」
「香りだけで虜よね~。カイトも神威君も、たいしたものだわ」

賑やかに向かう女性陣。期待に、早足。寒いからというのも、あるのだけれど。各『家』に備え付け、専用スリッパに履き替え、玄関ホールを抜ける。やっぱり急ぎ足でリビングへ。大テーブルの上を偵察。まだ何も用意されていない。とりあえず、チョコの袋を置く

「リンちゃん、まずはおリボン結んであげる。持ってきて欲しいかな」
「ヘアピンもな、リンのセンスに任すから~」
「分かった、取ってくるね」
「それなら、コロンもつけちゃおうかしら。アタシも持ってくるわ~」

めぐ姉に促され、自室へ向かう。リリ姉、ヘアピン交換に念を押される。めー姉も部屋へ。一人、姉を離れて自室、チェアーの中『大事なもの』をしまう、洋服の一角。リボンケースの奥、手にする美しいリボン。彼との大切な思い出と共にしまってある『懐かしい』などと、思い出にひたる。束の間。思い出リボンに、見劣りしないヘアピンを選ばなければ、そう思い、手にしたのはバレッタ。完全よそ行き、白銀、羽根を象った(かたどった)バレッタヘアピン。取り敢えずみんなに見て貰い『合格』を貰ったらこの髪飾りを付けよう。そう考え、手に持ってリビングへ足を向ける

「がっくん、の部屋だったよね。この部屋」

かつて、彼が過ごした部屋の前、独り言。衝動的に、開ける扉

「どうした、リン入って来ようじゃない」
「がっくっ―」

微笑んで、手招きする彼の『まぼろし』を見る。そんな『幻聴』を聞く。ああ、彼はどう思ってくれるだろう、わたしを見て。胸が高鳴る、と同時に、同じ規模の不安感。気に入って貰えなかったら、という心配。リボンと共に持ち合わせ、階段を下る。廊下の鏡の前、何となく気になり、身なりを正す。最もこの行為、全くイミは無かったけど。この鏡の前、彼がリボンを結んでくれたことを思い出す。ああ、あの日結んでくれたから、わたしのリボンは『必然』になったのか。そんなふうに思う。リビングへ顔を出す。何事か、会話をしていためぐ姉に手招きされる

「はい、お願い、めぐ姉。ね、ヘアピンこれで良いかなぁ、リリ姉」

めぐ姉に、リボンを手渡す。傍らのリリ姉に、髪飾りの『合否』を聞いてみる

「お、良いの選んでくるじゃん、リン」
「ぉリボンとィメージぴったりだよ~」

のぞき込むリリ姉の合格通知、IA姉の保証も付き、万全

「さぁ今日は、いつもと違う結び方」

結び目を大人しく、結ばれるリボン。左耳の上に傾倒させ、いつもと違う結び方。ウサミミ結びでなく、蝶々結び。結び目は小さく『たれ』は長めに結ってくれる。前髪の分け方も変えて、ヘアピンを留めてくれる。心持ち、おでこの露出が控えめ

「はいっ、リンちゃん完成っ。絶対かわいいっ、文句なしっ。見てみて~みんな~ぁ」