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はじまりのあの日16 バレンタインとリップサイン2

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めー姉朗らか、そういえばTVで一度見たな、そんなカフェ。カイ兄もダメージが回復した様子。テーブルの上に、役者が揃う。天使様のチョコムース。焼きたて同然、ベイク・ド・チーズケーキ。同じく、作りたてのレアチーズケーキ。大木ホワイト・ブッシュ・ド・ノエル。結構、夢のような光景。ただ、そこかしこに、お酒のつまみが転がっているのがあまりにもおかしい。スマホで撮影を始める者までいる

「オレのベイク・ド・チーズケーキはさ、どっちかって言うと、塩気のほうが強いんだ。胡椒なんかも合うと思う。甘くなっちゃった舌休めに向いてると思うよ~」
「それ、酒が進むじゃない。メイコの好みに合わせたな、カイト」

紫様につっこまれ、照れ笑いのカイ兄。ウインクで応えるめー姉

「おにぃ~、お預けつれえよ~」
「かいさま、かるも」
「わかったワカッタ。切り分けちゃおうじゃない、カイト」
「だね、殿。今のうちに、飲み物決めちゃって~」

さっそく切り分けてくれる二人。一つ一つが、とにかく大きい。ブッシュドノエルは、切り株のようだ

「大きく切っとくから。それぞれ取って、後は分け合いながら食べようじゃない」
「大人数居ると、それができるからね。お皿に取るとき気をつけてね。ケーキベラも使って~」
「紅茶、コーヒー、玄米茶も煎れました。おかわりは、セルフサービスで」

紫の彼、カイ兄、キヨテル先生。男性陣の活躍で、甘味の祭典幕が上がる