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はじまりのあの日16 バレンタインとリップサイン2

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「「「「「「「「「「ナイスマウンテン、いっただっきま~す」」」」」」」」」」
「「「めっしあっがれ~」」」

発声は、乾杯でなく『いただきます』二人を労って。あ、お茶を煎れてくれた先生込みで三人。まあ、いつもの食事会も二人に頼っているんだけれど。スイーツパーティーは『比較的』お酒要素が弱いので。この日も二人のケーキは格別の美味しさ。大賛辞の声があがっていた

「ふぅ~う、やっぱり合うわ~、ベイクドとウィスキー。カイトありがとうね。その愛しのカイトに、はい、チョコレート」
「ありがとう、め~ちゃん。ものすごく嬉しい。め~ちゃんだけに、お返し。愛の印のチョコレート」

チョコ免除。でも、愛する姉にはお返しチョコのカイ兄。メンバー一同囃し立てる

「いい画をいつもありがとう、メイカイっ。確かに、おかずケーキってカンジで美味し~い」

立食のままの者、椅子でくつろぎながらの者。それぞれの場所で始まる、チョコレート交換。めー姉が渡したのは、有名アイスクリームショップとコラボしたチョコ。撮影終了後、ミク姉も、兄にチョコを渡す。しながら、ケーキに口を付ける

「拙者、チョコレートに明るくないユエ。今年も変わらず、子供ダマシで申し訳ナイ。置いておくユエ、皆々好きに取って欲しいでゴザル」

やや困り顔でアル兄。一口サイズ、種類豊富。有名な二十円チョコの詰め合わせ。ちょっと高めのも混じっている。みんなに促しながら、天使様にも見えやすいよう、着席で食べるテーブルの上に広げる。アル兄は、決まってこれ。広げ終わって、おかずケーキを手に、立ち上がるアル兄

「わ~、ありがと~アルさん。ゆき、このチョコ大好きなの~」
「しゅるいがほうふ、とてもでうれしいです、あるさん」
「あたしも、このチョコたくさんもらえてうれし~アル兄さん」
「カワイイChocolateガタフサン。アリガトデフ。アルサン」

天使様から、お礼の言葉の集中砲火。蕩けそうなアル兄。実際、わたし達も嬉しいの。毎年貰える、簡単おやつに最適なチョコ

「ありがと~アルさん、うちもこれ好きだよ~。頂くね~。これ、うちからアルさんに。あ、愛しのピコきゅ~ん、受け取ってチョコ~」
「ありがとうございます~、アルさん。ぼくからもチョコです、嬉しいなぁ。あ、ぼくもMikiちゃんに、愛のチョコレ~ト」

Mikiちゃんに、マカデミアナッツ。ピコ君に、ピーナッツ。それぞれチョコを贈られ、益々溶けゆくアル兄。互いに贈りあうMikiちゃんとピコ君。なんと偶然にも同じメーカーのチョコレート。益々嬉しそう。二人揃うと、♡マークのアホ毛ペア

「はい、レンくん。バナナクリームのチョコレート。ルカ姉には、牛乳のジュレ入り~」
「あら、ミクさん、わたしも同じですわ。レンくん、バナナキャラメルが入ってますの。ミクさんには、生クリームですわ」
「ありがと~ミク姉、ルカ姉。えっと、オレ二人にはこれ。ちょっとは頑張ったんだ」

移動したミク姉、ルカ姉。レンに渡す。言って、今度、弟が渡すのは『きっと勝つ』なんてゴロ合わせで。受験生へも贈るようになった有名チョコ、のプレミアム版。二人の姉に花が咲き、抱きしめられる弟。いつものように抵抗しようとするが、筋肉痛で、ままならない

「はい、センセ。このメーカー好きって言ってたじゃんっ。ちょっとフンパツしちゃった~」

その正面で、ダテ眼鏡をかけ、女性陣の中一人だけネクタイのリリ姉。華やかに渡す

「ありがとうございます。なんだか、無理をさせたようで申し訳ありません。私からもこちらを。蜂蜜お好きでしたよね」

先生が贈る、蜂蜜が練り込まれた限定ショコラ。好みを覚えていた事が嬉しいリリ姉。キヨテル先生の胸に頭をすりつける。やや困り顔で、たしなめる先生

「ぽ兄ちゃ~ん、はい、チョコレートっ。中にね、色~んな焼酎が入ってるの」
「ありがとな、めぐ。嬉しいじゃない」

撫でられて、おでこにちゅ~までされる至福のめぐ姉、腰が抜ける。カル姉やIA姉もそれぞれ、チョコレート交換。わたしも

「はい、ルカ姉、さっきはありがとう。お化粧教えてね。これ、チョコレート『ろぜわいん』が入ってるって」
「まぁまぁ、嬉しいですわぁ。可愛らしいリンちゃんに頂けて幸せです。お返しのチョコレート、オレンジピールが入ってますわ」

チョコレートを交換、に行ったことで、レンようやく解放。ルカ姉に頬を染められ、コチラまでやや照れる。ただし、ミク姉はまだ、レン独占。つぎにわたし、回復して交換を続ける、めぐ姉の元へと

「グ、グミサン、これ、受け取ってす」
「ありがと~勇馬君。これ、お返しのチョコレート。刀、好きだったよね」

勇馬兄は、めぐ姉に、いの一番渡す。髪の毛の色を意識した、抹茶味。緑のハートチョコ。お返しに渡されるのは、刀を『擬人化』美少年に見立てたキャラクターが描かれたチョコ。あまり、男子が受け取っても嬉しくないかも知れない。でも、リリ姉同様。刀好きを覚えてくれていた事が嬉しいようだ。ガッツポーズの勇馬兄が飛び跳ねていた

「ひやま先生、リリちゃん。ゆきたちのもたべてみて~」
「りりねえさま、あじみをおねがいしま~す」
「上手にできてるといいんだけどな~」
「タ、タベテミエクダハイ」

チョコムースを手に、テーブル席へ天使様。トレイに乗せて、二人の元へ運んでいく

「お、ユキ、リュ~さんきゅ~。みんなもなっ」
「いろはさん、オリバーさんも、ありがとうございます」

二人の前に並べる、リュウト君、ユキちゃん。と、いろはちゃん、オリバー君の手にはスプーン

「氷山先生、いつもやさしくしてくれてありがとう。あたし、先生のおかげで、さみしくないの。どうぞ~、あ~ん」
「リリチャン、ボクモオナジ。リリチャン、ボクノSister(お姉ちゃん)これからも、よ、よろしくね。ア~ン」

ムースを差し出される。完全に不意打ちの二人。頬を染めながら、二人の天使が差し出すチョコムース。オリバー君、後半がしっかり日本語。愛らしさの破壊力、防壁も張れずに直撃した二人。萌え上がって大炎上

「先生、どぅしたの~」
「リリ~チャ~ン」

その声で、なんとか意識を回復させ、口を開ける二人。観ていたわたし達まで萌え萌えだった

「氷山先生。ど、どうですか」
「もの凄く美味しいですよ、いろはさん」

クラクラとしながら、キヨテル先生が応える。めがねがずり落ちている

「ド、ドウデフカ、リリチャン」
「美味しすぎ、オリバ。ウチはなぢでそう」

オリバー君におでこ合わせ、リリ姉。安心の天使様

「いや~、一連の流れ全て。完璧でした、天使様。先生、リリ姉、GJっ」

親指を立てて、ご機嫌のミク姉。もはや、言葉もない。半分無視で、メンバーの興味は、天使様のチョコムースへ。一斉取りに向かう。立ったままで全員口を付けてしまう

「おいおい、ホントに初めてか。すっごく上手に出来てるじゃない。美味しいよ、リュウト。あ・り・が・と~天使様」

口をつけた、紫様のお墨付き。天使様一同、安堵のため息

「ほんと~。すっごく美味しい。口当たりがたまんな~い。甘さも絶妙~ぅ。ありがとお、み~んな」