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はじまりのあの日18 おやすみの魔法

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「オヤスミ~めっぐ姉っ」
「お休み、リンちゃん。ゆっくりしてね~」

隣の部屋のめぐ姉とアイサツ。初体験に、ついつい気持ちが高揚する。大人に成ったようで。部屋に入って、私物を置く。二人部屋を、一人で使える贅沢さ。シャワーを浴びる。寝間着のキャミソールとかぼちゃパンツに着替える。髪を乾かしベッドの上で一息つく

「さ~あ、明日はがんばらなきゃねぇ―」

誰に話しかけたというのか。いつも隣に『誰か』が居た。今は、この部屋に一人きりなのだ。そう思うと、とたん、感じる孤独感。さっきまでの高揚は何だったのだろう。急激に募る寂しさ、一人なんだ、この部屋に、と

「マンションにも、自分の部屋あるのにな」

独り言。でも、確実に違う『一人感』レイアウトが全く違う部屋。自室と違う、暖色系の淡い灯りに、感触の違うベッド。静かな空間に聞こえる、車の行き交う音、遠くにサイレン。あまりにも静かで、電気の音まで聞こえる。遠くから響くサイレンの音。わたし達が暮らす土地と、驚くほど違う音、空間。その違いに、NYで気付かなかったのは『彼』が隣に居てくれたから。京の都で『神威の姉』達と笑っいあっていたから。いつも誰かが隣にいたから。あの日は違った。隣にあるのは、使わない、カラのベット

「―」

立ち上がって、窓に近づく。いつもと違う景色。立ち並ぶ高層ビル、その上に瞬く、航空灯。明かりが灯るフロアより、真っ暗なフロアが多い、そんな時間帯。急激に込み上げる寂寥感。初めての、一人ホテル部屋。メンバーと一緒の時で良かった。誰かに会いたくなって