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鳥籠の番(つがい) 3

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もしかしたら今回の事で、自分は何かまた記憶操作をされているのではないか?と言う疑念が沸き起こる。

アムロは連邦のニュータイプ研究所での強化処置で記憶操作を施され、以前の事は何も覚えていない。
過去を思い出そうとすると、途端に激しい頭痛に襲われる。
当然、過去を知りたいと思う。
しかし、周りからの情報で、名前は勿論、年齢や経歴については知っていた。
自分は連邦の軍人で、モビルスーツのパイロットをしていたらしい。それも、“連邦の白い悪魔”などと言うあだ名まである、ニュータイプのパイロットだったと。
敵兵だった為、ネオ・ジオンでは自分に良い感情を持っていない者もいるが、ナナイ大尉が色々手回ししてくれたお陰か、それなりに受け入れて貰えている。

ただ、自分では何も覚えていない為、いくら過去の自分の事を聞かされても、他人事にしか聞こえなかった。

そんな中で、シャアだけは自分の過去に触れてくる事は無かった。
けれど確信している。
『シャアは多分“俺”を知ってる』
それは対外的な事だけでなく、もっとプライベートな事まで。
おそらく過去の自分と何かしら関係があったのだろう。
時折シャアの目が、目の前の自分を通り越し、過去の“アムロ・レイ”を見ているのが分かる。
そんな時、何故か胸にチクリと痛みが走る。
そして、とても悲しい気持ちになる。
「なんで…こんな気持ち…」
“なんで”…いや、理由は分かっている。
シャアが本当に欲しているのは“今”の自分ではなく、“過去”の自分だからだ。
今の自分にとっては、マスターであるシャアが全てだ。
彼に「必要が無い」と言われたら、自分は生きる意味を失う。
何より、自分はあの何処か寂しく、優しい人が好きだった。
あの人の為に何かしたい。
あの人に認めて貰いたい。
あの人に見つめていて欲しい。
あの人に…触れて貰いたい…。
ふと、病室でシャアにキスされた事を思い出す。
意識は朦朧としていたが、確かにあの唇の感触を感じた。
そこから伝わるシャアの悲痛な想いも。
『シャアは“俺”に傍らにいて欲しいと言ってくれた』
あれは多分、今の“俺”に向けられた言葉。
「俺も…貴方のそばに居たい…貴方を…護りたい…絶対に…貴方を一人にはしない…」
アムロは唇に手を当て、もう一度感触を思い出す。
「…もう一度…触れて欲しい…」
そして、自分の身体が熱くなるのを感じる。
ドキドキと心臓が脈打ち、動悸が激しくなる。
「あ…俺…」
下半身が疼き、熱が集まるのが分かる。
「…どうしよう…」
その時、突然ドアがノックされる。
「え?」
どうしようと思った時には既にドアは開かれていた。
「アムロ、大丈夫か?」
そこに現れたのはまさに今、その“想い”を自覚したシャアだった。
「…た…大佐…」
「今は二人だけだ。名前でいい」
「あ、はい。シャア…」
自身の今の状態を悟られぬよう、シーツを引き寄せ半身を隠す。
シャアはアムロの前まで歩みを進めると、そっとアムロの頬に触れる。
「少し顔が赤い、熱でもあるか?」
「え!?あ、いえ。これは…何でも…」
「そうか?」
心配気に覗き込む、シャアの顔が近付いてきて更に顔が赤くなる。
「また赤くなったぞ、やはり熱が…」
額に手を当てられ、その手の感触に心臓がドクリと跳ねる。
「い、いえ!本当に何でもありません!」
どうしていいか分からず、思わず目が潤む。
「私に遠慮はするな、何か冷たい飲み物を用意しよう」
そう言って自分から離れる手に寂しさを感じる。
「あ…」
「アムロ?」
「あ…いえ…」
もっと触れていて欲しいと言う言葉を飲み込み俯く。
『マスターである彼にそんな事を求めてはいけない』
思わず目を伏せるアムロを、シャアがギュッと抱きしめる。
「え!?」
突然の抱擁に驚きながらも、その温もりにホッとする。
アムロは力を抜くと、そのままシャアの胸に身体を預けた。
『シャアが好きだ…こうして、ずっと触れていて欲しい…』
この想いがマスター登録によるものなのか、自身の本心なのかは分からない。
けれど、こうして触れていて欲しいと思う心は本物だと思う。
「シャア…貴方が好きです…」
思わず唇から零れた言葉に、自分で驚く。
「あ…」
そして、シャアの顔を見上げると、酷く驚いているのが分かる。
「あ!すみません!俺なんかがこんな…」
自分はシャアにとって従順な僕べであるだけの存在だ。それなのに自分の感情を主人に求めてしまった。
「すみません!」
離れようとする身体を、シャアに引き止められ、思い切り抱きしめられる。
「シャア!?」
「何故、謝る?」
「え…だって俺は…ただの僕べだから…。主人である貴方にこんな感情は持ってはいけない…」
「君は僕べなどではない」
アムロを抱きしめる腕の力が強まる。
「でも…俺は戦闘の為に強化された…そして、貴方をマスターとして登録している」
「私がマスターだから、私が好きなのか?」
「違う!」
咄嗟に、思わず否定の言葉を叫ぶ。
しかし、本当のところは分からない。
「あ…いえ…すみません…俺にも…分からない…」
「咄嗟の言葉は本心ではないのか?」
シャアにそっと顎を掴まれ、上向かされる。
見上げたそこにある、スカイブルーの瞳に目が釘付けになる。
綺麗に澄み渡る地球の空の色。
地球の空?何故そんな事が分かる?
地球には行ったことが無い…。
そう思った瞬間、激しい頭痛に襲われる。
「あ!ううううう痛っ」
「アムロ!?」
頭を抱えて痛みに耐えるアムロをシャアがギュッと抱きしめる。
「アムロ、落ち着け。大丈夫だ!」
荒い息をはきながら、必死に心を落ち着かせ痛みをやり過ごす。
「シャ…ア…シャア…」
シャアに縋り付き、助けを求めるように何度も名を呼ぶ。
「大丈夫だアムロ、こうして抱きしめているから…」
シャアから伝わる優しさに涙が溢れる。
『ああ…この人が好きだ…マスター登録によるものかもしれないけれど、今、感じているこの想いは俺にとっては本物だ…』
その大きな胸に抱き締められ、心が満たされる。
痛みが落ち着いて、小さく息を吐くと、自分を抱きしめるシャアを見上げる。
「シャア…ありがとうございます…もう…大丈夫」
どうにか笑顔を向けてお礼を言うと、更に抱きしめられた。
「シャ、シャア!?」
「アムロ、私も君が好きだ。君にずっと傍にいて欲しい」
シャアの言葉にアムロは息を飲む。
『シャアが…俺を?』
そう思った瞬間、顔が真っ赤に染まる。
「あ…俺…」
そんなアムロに、シャアは少し驚いた後、満面の笑みを浮かべる。
「君は可愛いな」
「え?」
「アムロ…君の全てが欲しい」
「俺の…全て?」
「ああ、君の心も…身体も…」
そう言いながら、シャアはそっとアムロの唇に自身の唇を重ねる。
その柔らかな感触に、アムロは驚きながらも、嬉しさがこみ上げ、力を抜くとそれを受け入れる。
アムロのそんな反応に応えるように、アムロの唇に舌を滑り込ませ、深く、深く口付ける。
「ふ…あ…」
身も心も蕩けさせるような甘い口付けに、アムロは取り込まれ、溺れていく。
気付いた時にはシーツに押し倒されて、シャアに服を剥ぎ取られていた。
シャアの唇が顎を伝い、首筋へと移動する。
作品名:鳥籠の番(つがい) 3 作家名:koyuho