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はじまりのあの日19 メイコとカイトの

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「すっごく楽しい商店街だよ~」
「ぉいしい物もたくさんで~す」
「みんな~、きってね~(来てね)」

紫様のPRに、わたし、IA姉、つられて声が出る。ピコ君は、メンバー『元祖』男の娘、リアクションが自然体。歓声を浴びつつバスに乗る。その道すがらも、求められる握手、サイン。焚かれるフラッシュ。まるでスターのような感じ、と、勘違いしてはならない。あくまでもこの歓声は、色々な公演で演じている、その人なりの『鏡音リン』への声援なのだ。わたしへの声などと、天狗になるべからず。それがこのPROJECT魂。でも誰かの『心』の支えになっていれば何よりだ

「着いたらリンちゃん達、まずお着替えしないとね」
「さっきも話してたんですよ~Mikiちゃん。楽しみです~」
「「「「いざっ、しゅつじんじゃ~」」」」

ようやく乗り込んだバスの中、Mikiちゃんの声色から、期待感が伝わる。呼応するように天使様、ピコ君も脚をパタつかせ、楽しげ

「うふふ、忙しい役割ねぇ、神威君。双子ちゃんも、天使様も大活躍だわぁ」
「幸せな忙しさだね。行列は、オレも野次馬決め込んじゃおう。期待値上がっちゃうなぁ」
「HAHAHAっ」
「あっはは~、おんなじ(同じ)事言ってる~」

メイカイ様の台詞に、爆笑、アル兄。わたしも思わず声が出る。不思議そうに、目を瞬かせた姉弟に

「自分らも、エレベーターん中でも話してたんす、その話題」
「しかもアルさんが、同じ事言っていたいた~」

楽しさ連鎖、勇馬兄、カル姉笑い出し、事情説明。一同納得して

「そんなトコも、メンバーの縁(えにし)の深さってヤツだな。レンピコの男の娘繋がりとっか~」
「がっがく兄、おれ自分の意思でやってね~からっ」
「でも~ぅ、さっきホテルでの声かけ、可愛かったよ~ぅ」
「馴染んできてんじゃね~の、おっとこの娘~(男の娘)」

真面目話に、オチを付ける紫様。弟、慌ててツッコムが、IA姉、リリ姉に茶化される

「レン君、今度プライベートのお洋服、選びに行きましょうよ~ぅ。ぼくとお揃いの~」
「お二方が並ばれれば、きっと愛らしい事でしょうね」

ピコ君、話しへの食いつき方が半端ない。この手の話題に乗らない、キヨテル先生まで可笑しそう。数分賑やかに話していると、商店街へ到着。朗らかにバスを降りる面々の中、レンだけややテンションが低かった