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はじまりのあの日19 メイコとカイトの

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そう、本番はこれからなのだ

「お総菜、歌い手さんの握手付きで販売中で~す」
「ここでしか無いモンもありますゼぇ。文具、家具」
「サイン、グッヅなんかも、合わせて販売してます~」

プロデューサー三人の呼びかけで、殺到するお客様。コンテナが幾つも空になるが、商品は現地調達。商店街の物を補填すれば良い。メンバー、ステージ衣装のまま、かなりの握手をこなす。基本的に握手会やサイン会をしないわたし達。手が擦りきれるほど、握手をした覚えがある。時には、ちまきやお団子を手渡したり、レプリカ色紙を渡すことも。商店街主催者様が、想定した売り上げを大きく超えて、販売会も終了。来園者様の全員撤収後、今度はPROJECTトレーラーに戻って着替え。着替えが済めば衣装運用車となる、女性専用車の扉が閉まる。と、開口一番

「リ~ン、おっつ~。今日はいつもにマシマシで、メチャクチャ良かったじゃ~んっ」
「あ、ホントホント~っ。行列も踊りも生き生きしてた~」
「うふふっ初めに文句言ったとは思えないわ~」

リリ姉、わたしの首に腕を回してくる。汗をシャワータオルで拭きながら、めぐ姉が楽しそうに。めー姉は、一通り着替え、身支度を済ませ、イスで水分補給

「にゃっ、あたしもね、一緒に行進して思った~」

いろはちゃん、この話題に参加は珍しいと感じた

「リンちゃんね、ぽ~に~さんに護られてるな~って思った~。もちろん、今日はIAちゃんもなんだけどさっ。にゃ~んか普段から、トクベツ感があるの」

多分みんなもそう感じたんだろうな。いろはちゃんに、みんなの眼差しが向く

「なんかねぇっ、リンちゃん、ぽ~に~さんと一緒の時、すっっご~く『いい顔』するの。リンちゃんとぽ~に~さんって『トクベツ』なんだ~って」

『護る』『特別』と言う言葉に、昨日の記憶が反芻される。そう『わたしの王子様』は、本当にわたしを護ってくれる

「あ~れ~、リンちゃぁん、どしたのその顔~」
「にやにや2828、うふふ顔~」
「トキメキ乙女テイストかな~」

とうとう、Mikiちゃん、カル姉に突っ込まれる。ミク姉は目が輝く

「ん~、何でも無い。褒められて嬉しいな~って」

誤魔化そうとするわたし

「ひぇひぇひぇ、何だかかえってアヤシイぜぇぇぇ」
「テト姉様、何をお考えですか。ですが、興味は湧きますわリンちゃん」

ルカ姉、イスでくつろぐテト姉に目線を合わせる。と、押し黙って、飲み物を一気するテト姉。今度はわたしに微笑みかけてくるルカ姉

「な~んでもないってば~ぁ。護ってもらえるなら、嬉しいなって想っただけ~」

と、天使組以外の女性陣、思い思いに変な笑み。あ、またコレ、とか思いかけると

「にゃ~、いいな~リンちゃん。『トクベツ』なぽ~に~さんがいて~」

いろはちゃんが、ささくれ立ちそうな心をなだめてくれる。と、言うかヘタをすると、年下のいろはちゃんさえ、わたしと彼の『何か』に気付いたかもしれない瞬間だったのに。どこまで、ああ、もう、形容しがたい

「はあああ~い、そ・こ・ま・でっ。男性陣と商店街の皆さん、お待たせしてるみたいよ~。簡単でも打ち上げ会開いてくれるって~」

話題を強引に変えた風情のめー姉。最も

「あ、マジ~、メー姉」
「ええ、リリ。今スマホに連絡来たわ」

タイミング良く連絡が来たのは事実だ。話題が変わった多少の落胆と、仄かな打ち上げへの期待。そんな声のリリ姉、皮切りに急ぎ足で、と言っても十分の時間をかけて、身支度。トーレラーを降りると、男性陣を筆頭に、プロデューサー、スタッフ。そして、主催者様一同、宴の準備を始めて、いや、すでに整えてくれていた。見やる簡易テーブルの上、商店街、皆様からの心尽くし。お総菜屋さんの和洋中、国際色豊か、穏やかなご馳走が並んでいる。これぞまさに、国境を越えた『ソウルフード』これこそ『ご馳走』と呼ぶにふさわしい

「はいは~い、VIPがやって来ましたよ~」
「オヒメサマノ、ゴトウチャフデフ~(ご到着です)」

手をたたき出すカイ兄、多少の茶化しが混じっている。微笑むオリバー君は無垢純真

「おっせぇよ、リン。会場手分けして作ったんだぞっ」
「ハイハイレ~ン、俺達も手伝ったの途中から。文句言わな~い」

不満を、イタズラ顔で言おうとする、コシャクな弟をタシナメル、紫様。くしゃくしゃに撫でられ、何も言えなくなるレン

「リュウトく~ん、おまたせ~」
「オッリバ~くんお待たせっ」
「では、全員揃いましたので―」

わたし達初代プロから、お礼の言葉。主催者様から、返礼の言葉が返ってくる。乾杯して、打ち上げ。基本プライベートの話しは無しだけれど、楽しく交流。お店ご飯の味や、みんなでの記念撮影、即席サイン会。組合のシンボルフラッグへの寄せ書きなど、この打ち上げも素晴らしかった。けれど、やっぱり、その後の内々会の方がより、印象に残っている。すごく『特別な事』があったから。とてもお目出たい出来事があったのだから、当然かもしれない。いや、商店街様の前祝いがあったから尚更だと思わなければ。ロケバスで、PROJECTサイドが用意したホテルへやって来る。シャワーを済ませ、身支度して宴会場。貸し切れるのが、本当にありがたい。そんな大層な身分でもないのに

「は~い、ここで連絡事項がありま~す。みんな注目~」

全員、立食テーブルへ着いて、飲み物が行き渡った頃。いつも通りの声色で、手を叩くカイ兄。おそらく明日以降のこと。あれ、隣のめー姉が寄り添いに行く。マイクを持つ、カイ兄に手を添える