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代打の代打
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はじまりのあの日19 メイコとカイトの

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一度大きく盛り上がった後

「ええ、その年のワインを、赤白お任せで。ただし、最高の物をお願いします『庶民』の払える額の物を」

ワインソムリエを呼んで、何か話していた彼

「がっくん、なにナニ、お酒頼んだの~」
「ああ、ささやかながら結婚宣言祝。式当日は、もっと派手に祝うけどさ。今はこれで精一杯じゃない」

少し離れた場所で話していた彼。グラスを手に戻ってくる

「ぉ酒は詳しくないけど~。特別なヮインなの、に~さ~ん」
「そ、二人が前話してたじゃない『おもちゃの指輪』で子供の頃にって」
「ああ、記憶リバースした日だね、がく兄。宇宙戦艦から話しが膨らんだ」

立食テーブルに戻って、IA姉、レンとも言葉を交わす紫の彼。一同笑顔

「その年に作られたワイン、20年物か。最高のヤツを頼んだの。俺からのお祝い。って言っても『支払えるなかで』って程度の、ちっぽけなモンだけどさ」

20年物のワインとなれば、一瓶数百万などという代物もある。けれど、最高の物であっても、庶民的値段のワインもあるのだ。お酒好きの彼が言っていたこと。紫様が頼んだのは『庶民』のわたし達で手が届く値段の、けれど『最高』の代物

「メイコ、カイト。乾杯し直そうじゃない。人生で一番輝く瞬間だ。って言っても、飲めるメンツに行き渡ったら、微々たる量の酒にしかならないだろうけどさ」

その言葉に、わき上がるメンバー。特にお酒好きめー姉、ワイン好き、ルカ姉華やぐ。葡萄酒を好むキヨテル先生も上機嫌

「ありがとう、神威君。最高のお祝いだわ~」
「殿、すっごく嬉しいよ」

カイ兄、笑顔が子供のよう。アル兄も頬が緩んでいるし、わたし達も嬉しかった。メイカイ様の結婚報告も嬉しいけれど

「子供組に、特別なカクテルジュースも頼んどいた。アルコール無いヤツだから、安心して飲もうじゃない。仲間はずれ無~し、リン、一緒にお祝いしようじゃない。レン、お前の兄貴を祝福だ~」
「ありがとう~、がっく~ん」
「サンキュ~、がっく兄~」

紫の彼のお気遣いも、大変に嬉しくて。弟と喜びの言葉が重なる。飲み物の到着を待つ間に、しばしの食事を頂く。明日はオフなので、ここぞとばかりにスパイスや香草の利いた料理を取るテト姉。歓談しながら食事していると、デキャンタに入れられ、ワインが到着。赤白、そしてロゼ

「すみません、Service(サービス)の品(しな)までありがとうございます。支払いは、神威に付けといて下さい」

ホテルサイドのサービス、ロゼワイン。カクテルジュース数種類と、デキャンタワイン数本。運ばれて、再びスタッフさんが下がって後

「さ~乾杯も~いっか~い」
「美味しそうです~ぅ」

ピコMikiちゃんコンビの歓声、揺れるハートマークのアホ毛。各々注ぎ合って、然々(しかじか)のグラスが、色とりどりの飲み物で満たされていく、と

「まあまあ、上等のワインですわね、氷山さん。素晴らしい香りですわ」
「時の流れが育んだ味です、さぞ美味でしょうね、巡音さん。神威さん、ありがとうございます」

ワインをグラスの中で回し、楽しそうなルカ姉。グラスを翳して色を堪能、期待顔のキヨテル先生。ワイン好き二人、の会話を観て、やっぱり面白くなさそう、リリ姉。でも『閃いた』と言う顔になって

「おっし、センセ、連盟でウチらも酒頼もうぜっ。メー姉が好きだって言うウイスキー。ウチらからお祝いってことでさっ。ちょっと高級なヤツ~。ワリカンワリカ~ン」
「素晴らしいご提案です、リリィさん。注文いたしましょう。割り勘では不公平です、年長者の私が多めに支払いますよ」

祝福を自分の幸へとも共有させるリリ姉。以前の『ワイン一口』から学習した神対応。先生と連名のお祝いが提出できる喜びで、破顔するリリ姉

「あ、なら、かるもお祝い。お酒ばっかりじゃ不公平。カイ様にあいすっ。甘いおかし、かるのお祝いわ~い」
「かるねいさま、ぼくも、おいわいいたします」

カル姉、両手を挙げて宣言。リュウト君、お小遣いで支援を宣言。ここから、二人を盛大にお祝いする贈り物。好きな飲食を贈り合いパーティーになるメンバー

「っす、自分、パフェ頼むすっ。カイサンさん好きっすし、チョコパフェ。メグサンも好物ス」

勢いづく勇馬兄と、前のめりになる

「Mikiちゃん、ぼく達もお祝いしましょ~ぅ。二人で連名です~」
「賛成~、うちとピコ君でケーキ頼んじゃおっ」

ピコMikiちゃんの二人

「でもでも~、ま~ずゎ乾杯しようよ~ぅ」
「イアちゃんに賛成っ。メイコさん、カイトさん、お待たせさんだよ」
「今日のパーティーのメインディッシュ~」

乾杯前に、収拾がつかなくなりそうな流れを、二人の祝福に戻すIA姉。主役を置き去りにしてはならない。めぐ姉、元気よく肯定。ミク姉、ジュースのグラスを翳す

「乾杯済ませて、祝福の肉を頼むぜ。特上の肉」
「それ、テト姉が食べたいだけじゃないの~」

肉料理の追加宣言を、突っ込むわたし。ただテト姉に『肉ケーキにナイフ入れでも良いぜ~』とカワサレル

「っす、カイサン、メイサン。マジ、メデテッス(目出度いッス)」
「発声はカイト、やんなさ~い」
「うってつけじゃない、この祝賀にふさわしい」

勇馬兄もグラスを挙げ、ついにパーティーの幕が開く。発声を命ずる女王様。呷る御館様。言われて照れるナイト様が立ち上がり

「ありがとうね、みんな。オレ、すっごく幸せ。大好きだよ、めーちゃん。これから宜しく。ず~っと一緒だよ。ありがとう、みんな。これからもよろしくね。それじゃあ始めようか」

グラスを翳し、乾杯の動作

「オレ達、結婚します、今、すごく幸せです」
「ありがとね、み~んな。愛してるわよ、カイト」
「「「「「「「「「「いっえ~い」」」」」」」」」」

ここで乾杯。グラスを併せようと、一斉に二人の元へ群がるメンバー。めー姉、カイ兄といの一番に乾杯。その二人と紫様、グラスを併せて、盛り上がる

「そういえば、カイト、式は何時じゃない、結婚式。メイコ、何時結婚するって決めた」
「六月にあげようかなって。オレがめ~ちゃんに初告白したのがその月だったから」
「六月で、丁度20年目なの、あの日から。良いタイミングかなぁって。さっき頼んでくれたでしょ、ワイン。尚更嬉しいわ」

『そりゃこの酒頼んで良かった』と、紫様。談笑する三人が幸せの輝きに照らされている

「めー姉、カイ兄、おめでとうっ。わ~何だか憧れちゃうな~。がっくんもジュースありがとねっ」

メイカイがく様、三人と乾杯がしたくって。遮二無二近寄って、口をついて出た言葉。意外な反応が返ってきた、兄と姉から。紫様以外のメンバーから

「あら~ぁ、リ~ン。憧れるってな~に、何に憧れたのか・し・ら」
「リンリン、憧れる、れるれる~」

何かを期待する眼差しのめー姉にのぞき込まれ、カル姉も目の星が倍増

「ん、何だろ。ん~、あ、今の二人。めー姉、カイ兄、幸せそうっ。何時かわたしもそんな風に成りたいな~って」
「ってコトは、リンっ、結婚したいってコトだよなっ」
「きたかこれっ」