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代打の代打
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はじまりのあの日20 結婚式

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あ、何だろう、何故か懐かしい。しばらくの間、と、紫様、可笑しそうに

「あんな感じだったんじゃない、リン。俺迎えに来た時って」
「あ、あ~そっか。何か懐かしいって思っちゃった」

彼が来た日、いの一番に迎えに出た。まさしく彼が言う通り

「あの日、待ちくたびれたよ~。一時間も遅くなってさ」
「ぁ、前に聞いたに~さんとリンちゃんの初対面だね~」
「本日はリリィさんが弾丸ですね」

微笑み合う、わたしと彼。IA姉も破顔で袖を振る。キヨテル先生も愉快気だ

「天使様もお迎えだよっ、すごい幸せ~。早く来ないかな~」
「弾丸ではなく『来迎』のようでゴザル。おっと、マダ二人とも召されテハナラヌガ」

ミク姉楽しみで仕方ない様子。アル兄のライコウは、あの日、意味が解ってない。その天使様、リリ姉を伴って入って来た夫妻

「わ~凄いわね~飾り付けも、お花も」
「いつもと雰囲気がまるで違うよ~」
「へっへ~、頑張ったんだ~。観て、メー姉、カイト」

あちこちを見渡しながらやって来る。そして、リリ姉が指差すその先。自分たちが座ることになる、メインステージ。今し方、わたし達が造ったその場

「「「「めいこちゃんかいとさん、おめでとうっ」」」」
「―っつ」
「―」

めー姉、口に手を当て、瞳を見開く。カイ兄も目がまん丸。わたし達、それなりに頑張った。キャンドルタワーは、火の用心でLED。だけど、台座から作った。小さめなのはご愛敬、アル兄大活躍。メイコ女王、カイト王子の幕には薄紙で造った花飾り、ベタだけどね

「あの絵、描いてくれたの」
「そ~、リュウトとユキが描いたんだぜっ。メー姉をさっ」
「カイトさんは、いろはさん、オリバーさんの作品ですよ」

瞳を潤ませ、絵に気付くめー姉。それぞれ呼んだ名前の子供の肩に、手を置いて言うキヨリリ様。一度先生、リリ姉と微笑み合い

「かいとさま、ぼくのあこがれです。にいさまとおなじく、もくひょうです」
「カイトお母さん、おいしいごはん、いっつもありがとうね」

天使様、めー姉、カイ兄に歩み寄って

「メイコさん、あたしね、自分のよびかた『あたし』に変えたの、メイコさんに憧れたからなの~」
「メイコサンガイナカッタラ、PROJECTナイ。アリガトウめいこさん。おかげでぼく、ここにいます」

それぞれ、描いた逆の人物にお礼。丁寧お辞儀、リュウト君、手を取るユキちゃん。抱きつくいろはちゃん、手を合わせ祈りのポーズオリバー君

「ありがとうを言わなきゃなのはアタシよ~。も~世界一の絵だわ~。はいっ、天使様全員集合っ」

途中から、震える声を励ました感のめー姉。整列した天使様四人、まとめて抱きしめる。そのまま泣き出してしまう

「ありがとう、みんな。オレ、言葉が出てこない、嬉しい。あ~、め~ちゃん泣いてるから、オレ泣かないつもりだった、の、のに」

泣き笑いでめー姉の肩を抱き、天使の頭を撫でるカイ兄

「良かった~、頑張ったカイあったね」
「本番明日だけどさ、おめでとうっ、めー姉、カイ兄」

装飾成功の手応えを感じるわたし、祝福の言葉を述べるレン

「お気に召して、光栄でゴザルヨ」
「大道具系は、ダンナの独壇場だったス」
「きゃんどるたわ~、だんなさまさま~」

アル兄、安心した様子。勇馬兄は労を労い、カル姉も賛同する

「カル、お前も折り紙ガーネット頑張ったじゃない。燭台は勇馬もアルを手伝った。手つき危なくておっかなかったけっど~」

おっかないは『恐ろしい、とか恐い』って意味。わたし達北海道出身者が使う方言。だけど、彼も始めの頃から使っている。東北や北陸ではまあ普通に使うって感じ

「みんなでね、アイディア出し合ったの~。どんな飾り付けが良いかな~って。喜んでくれて良かった~」
「め~こさんとかいとのに~さん、天使様に描いて貰おうよ~って。アイディアはリリちゃんなんだよ~」

ミク姉、やっぱり緊張してたのかな。今、元に戻ったのか、スマホを掲げ、撮影開始。IA姉の安堵のお顔、を観ると、こっちも安心しちゃうほわほわ感。お姉ちゃんなのに、何だか妹みたいに思える。天使様のオデコに、感謝のちゅ~を差し上げるめー姉。天使様、照れっ照れ

「メイコ泣くとは思わないじゃない。はは、明日に涙取っとかない」

微笑む紫様、に、今度は微笑みで応えて

「あら、神威君、アタシ明日は泣かないわよ」

ウインク、涙を拭う女王様

「人生で最高の瞬間だもの、アタシにとってはね。大好きなカイトと結婚、これからね、一生一緒に成れるのよ。その出発の式、とびっきりの笑顔でいたいから」
「オレも同じ、かな。そのために、今日泣いとかなきゃね」

天使様の両手を握り、お礼の意を示すカイ兄。この夫婦愛は最強だ

「リリ」

そう言ってリリ姉に向き直り、手を取るめー姉。不意打ちの行動で、リリ姉珍しく呆気に取られる

「ありがとう。何時か目標なんて言ってくれたけどね、貴女の目標でいられること、義姉(あね)として誇らしいわ。うふふ、リリ、良い奥さん、お母さんに成れると思うわ」

手を取り言って、手の甲にちゅ~。頭半分背の高いリリ姉を抱きしめる

「いっいやメー姉、ウチのお祝いの形だからっ。アイディア出しただけで、頑張ったのリュ~達だしっ」

もの凄い勢いで、真っ赤になるリリ姉。こんなリリ姉レア、だから

「ナイスショットっ。ぐっじょぶ、めー姉」

ミク姉大喜び

「さて、昼食にしましょう、お姉様、お兄様。今日は前祝いのFeast lunch(ご馳走ランチ)ですわ」
「重いメシじゃなく、贅沢サンドイッチっす。具材に凝ってみたス」

前祝い、と言うにはささやかなご馳走だったかも。だけど、ちゃんと理由がある。本番は明日だ。ごちそう食べて、お酒飲んで二日酔い、では目も当てられない。何より

「ありがとうね、我が儘きいてもらって」
「今日の夜は、積もる話し、したいんだ」

という、メイカイ様からのご希望。この二人だからこそあるだろう、降り積もる大雪のように『積もる話』が。だから、全員揃えるお昼を贅沢にして前祝い。わたし達はソフトドリンク、大人はワインで乾杯。ささやかながら前祝い。午後は装飾のツメを確認、明日の食べ物やデザートの確認をして後

「しっかしこの部屋、リンの私物ばっかじゃね」
「ほぼリンちゃんのお部屋かな~」

神威家茶の間、一区画、於、わたしの場所。レンの感想、ミク姉の一言