はじまりのあの日20 結婚式
晩ご飯の用意を終え、丸テーブルを囲む神威の一族。そしてめー姉、カイ兄を除く、わたし達『音』の一族。本日は神威家に一泊。シェアハウス組はそちらへ移動。テト姉は気楽に温泉一泊。明日朝には帰るという
「うふふ、そうかもね。リンちゃん遊びに来るときは、ここかぽ兄ちゃんのお部屋だものね~」
「確かに増えたじゃない、リンの物。はい、整った。じゃあ、今晩頂く『命様』に感謝して~」
めぐ姉、あたたかな微笑み。家長、紫様の御発声。綺麗に合掌、紫様。かつて、それを真似てたわたし。今では自然に手を合わす。隣のめぐ姉、祈りのポーズ。正面のルカ姉は本場仕込み、祈りの仕草で目を瞑る。レンの合掌は肘が張る、カル姉は指が開き、目は閉じる。リリ姉はお相撲さんが勝った時の様に手を動かし、リュウト君、紫様を真似る
「「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」」」
神威の家で晩ご飯。前祝いと、本日はまぐろのステーキ。ちゃっかり自分たちだけ贅沢。メニューを聞いたときの、ルカ姉の喜び方が半端じゃなかった。今、紫様の前に鎮座する、トロの塊。直火でじっくり焼き上げた物
「はいよ~、リン」
「ありがと~がっくん」
まず始めにわたしに切り分けてくれる。神威家は、家長の彼が取り分ける。もちろん日頃は個々に主菜付けるけど、塊肉や大きな魚は、彼が取り分ける。そんな習慣、自然体で覚えるほど、入り浸ったわたし。泊まった事は多くないけど、午後十時くらいまで遊びに来ていた。晩ご飯、マンションと神威家とどっちで食べるか、なんてめー姉からの電話があったほど。午前中から押しかけて、彼とボイトレして。お昼ごはん食べて、TVゲームやカードゲームで遊んで、カラオケしたりして。おやつも食べて、晩ご飯もしっかり食べて。彼に送って貰って、徒歩三十秒の自宅へ帰る。わたしの休日、図々しい過ごし方
「はい、リュウト。沢山食べて大きくなって」
「ありがとうございます、にいさま」
お皿を、手渡しでリュウト君にまわしていく。大きめに切っているが、食べきれなければ、紫様が食べる
「はいレン、以下同語~。明後日も稽古じゃない」
「サンキュッ、がく兄っ。宜しく、師匠」
大きく成れ~、というコトだろう。弟は筋肉痛をおこさないレベルまでは到達した
「はい、ルカ、厚手に切っといた~」
「まぁ、ありがたいですわぁ、神威さん」
ルカ姉、さらに目が輝く。全員に行き渡った所で
「さぁて、本格的に始めよう」
「っしゃ、イッタダキ~」
「ますます、いただきますます」
晩酌に入る彼。リリ姉豪快に切って、ステーキにかぶりつく。再び手を合わせ、煮物から食べ始めるカル姉
「うっまっ、ごはん進む~」
「っ~素晴らしいまぐろですわ~」
ごはんをかっ込む弟、ワインと併せて、悦に入るルカ姉
「ほんじつはいつもよりだいにんずうでたのしいです」
「家族が増えるって、楽しいじゃない」
リュウト君、やって来たときより表情豊か。多分、兄妹、そしてわたし達と一緒に居ることで笑顔が増えた。紫様もお酒を飲んで笑う
「うふふ、本当に家族増えても良いけどね~」
「するとあっちは減っちまうけどな~」
「妹いもうと、かるの義妹(いもうと)」
微笑み合うめぐリリカル姉、何を言っているのか解っていないわたし
「ふふっ、少し寂しくなってしまいますわね。今回の結婚では『まだ』家族は増えませんもの」
訳知り顔のルカ姉もあたたかな笑み
「結婚すると、家族増えるの~」
「ん、ああ、かもしれない。例えば誰か、PROJECT以外の人と結婚するとかさ。そう言う意味では、家族ふえるじゃない」
漬け物をつつきながら、わたしの疑問に答える彼。リリ姉の顔が『解ってね~』って顔になった理由は解らない
「あ、そうか~。カイ兄、めー姉パターンだけが結婚じゃないもんね」
納得、する弟に、納得いかない顔、ミクルカ姉
「そっか~、がっくん。ん~でも、結婚って何なのかな~」
トロステーキを切り分けながら再び生じた疑問に
「さてな、俺も結婚してないから解んない。それはさ、リン、明日聞いてみたら。結婚する二人に」
今度は、答えを出せない彼。それでも答えに納得、わたし
「そっか、そうする~」
「これも大人準備のひとつじゃない」
お姉様方が、なぜかもどかしい風情を漂わせたけれど。総じてその晩も、美味しく食べて、楽しく笑って。紫様とレンが洗い物を引き受けてくれている間、楽しくお風呂に入って、めぐ姉に洗って貰って。茶の間、ルカ姉、ミク姉、わたしで、川の字で寝て。レンは一緒寝がイヤだと彼の部屋に逃げて
「うふふ、そうかもね。リンちゃん遊びに来るときは、ここかぽ兄ちゃんのお部屋だものね~」
「確かに増えたじゃない、リンの物。はい、整った。じゃあ、今晩頂く『命様』に感謝して~」
めぐ姉、あたたかな微笑み。家長、紫様の御発声。綺麗に合掌、紫様。かつて、それを真似てたわたし。今では自然に手を合わす。隣のめぐ姉、祈りのポーズ。正面のルカ姉は本場仕込み、祈りの仕草で目を瞑る。レンの合掌は肘が張る、カル姉は指が開き、目は閉じる。リリ姉はお相撲さんが勝った時の様に手を動かし、リュウト君、紫様を真似る
「「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」」」
神威の家で晩ご飯。前祝いと、本日はまぐろのステーキ。ちゃっかり自分たちだけ贅沢。メニューを聞いたときの、ルカ姉の喜び方が半端じゃなかった。今、紫様の前に鎮座する、トロの塊。直火でじっくり焼き上げた物
「はいよ~、リン」
「ありがと~がっくん」
まず始めにわたしに切り分けてくれる。神威家は、家長の彼が取り分ける。もちろん日頃は個々に主菜付けるけど、塊肉や大きな魚は、彼が取り分ける。そんな習慣、自然体で覚えるほど、入り浸ったわたし。泊まった事は多くないけど、午後十時くらいまで遊びに来ていた。晩ご飯、マンションと神威家とどっちで食べるか、なんてめー姉からの電話があったほど。午前中から押しかけて、彼とボイトレして。お昼ごはん食べて、TVゲームやカードゲームで遊んで、カラオケしたりして。おやつも食べて、晩ご飯もしっかり食べて。彼に送って貰って、徒歩三十秒の自宅へ帰る。わたしの休日、図々しい過ごし方
「はい、リュウト。沢山食べて大きくなって」
「ありがとうございます、にいさま」
お皿を、手渡しでリュウト君にまわしていく。大きめに切っているが、食べきれなければ、紫様が食べる
「はいレン、以下同語~。明後日も稽古じゃない」
「サンキュッ、がく兄っ。宜しく、師匠」
大きく成れ~、というコトだろう。弟は筋肉痛をおこさないレベルまでは到達した
「はい、ルカ、厚手に切っといた~」
「まぁ、ありがたいですわぁ、神威さん」
ルカ姉、さらに目が輝く。全員に行き渡った所で
「さぁて、本格的に始めよう」
「っしゃ、イッタダキ~」
「ますます、いただきますます」
晩酌に入る彼。リリ姉豪快に切って、ステーキにかぶりつく。再び手を合わせ、煮物から食べ始めるカル姉
「うっまっ、ごはん進む~」
「っ~素晴らしいまぐろですわ~」
ごはんをかっ込む弟、ワインと併せて、悦に入るルカ姉
「ほんじつはいつもよりだいにんずうでたのしいです」
「家族が増えるって、楽しいじゃない」
リュウト君、やって来たときより表情豊か。多分、兄妹、そしてわたし達と一緒に居ることで笑顔が増えた。紫様もお酒を飲んで笑う
「うふふ、本当に家族増えても良いけどね~」
「するとあっちは減っちまうけどな~」
「妹いもうと、かるの義妹(いもうと)」
微笑み合うめぐリリカル姉、何を言っているのか解っていないわたし
「ふふっ、少し寂しくなってしまいますわね。今回の結婚では『まだ』家族は増えませんもの」
訳知り顔のルカ姉もあたたかな笑み
「結婚すると、家族増えるの~」
「ん、ああ、かもしれない。例えば誰か、PROJECT以外の人と結婚するとかさ。そう言う意味では、家族ふえるじゃない」
漬け物をつつきながら、わたしの疑問に答える彼。リリ姉の顔が『解ってね~』って顔になった理由は解らない
「あ、そうか~。カイ兄、めー姉パターンだけが結婚じゃないもんね」
納得、する弟に、納得いかない顔、ミクルカ姉
「そっか~、がっくん。ん~でも、結婚って何なのかな~」
トロステーキを切り分けながら再び生じた疑問に
「さてな、俺も結婚してないから解んない。それはさ、リン、明日聞いてみたら。結婚する二人に」
今度は、答えを出せない彼。それでも答えに納得、わたし
「そっか、そうする~」
「これも大人準備のひとつじゃない」
お姉様方が、なぜかもどかしい風情を漂わせたけれど。総じてその晩も、美味しく食べて、楽しく笑って。紫様とレンが洗い物を引き受けてくれている間、楽しくお風呂に入って、めぐ姉に洗って貰って。茶の間、ルカ姉、ミク姉、わたしで、川の字で寝て。レンは一緒寝がイヤだと彼の部屋に逃げて
作品名:はじまりのあの日20 結婚式 作家名:代打の代打