はじまりのあの日22 違和感の正体と告白
みんなに囃し立てられているうち、曲が終わる
「でゎ~、目出度く結ばれたぉ二人に、インタビュ~。喉の滑りを良くしましょ~。はい、に~さ~ん、お祝いのお酒~」
「お、ありがたいじゃない、ありがとう、IA」
IA姉、にこやかに質問、祝福のお酒を注がれる彼
「ぽ兄ちゃん、どしてリンちゃんがそんなに好きなの~。はいっリンちゃんも飲み物どうぞ~」
「ありがと~めぐ姉」
「あ~スマホがあれば撮ったのにい゙い゙い゙~」
「ミク殿、拙者のTablet(タブレット)で撮影を。コレハ残しておきたい動画でゴザル」
めぐ姉の言葉で、思案に入る紫様。ミク姉、アル兄にタブレットを拝借し、嬉々として撮影開始
「はいっ、REC開始っ、イイよ~がくさ~ん」
わたしを好いた理由『話してイイ』と言うこと。ミク姉の声、上を向く彼、言葉が出ない。しばし無言に『アレ』っと誰か声を上げる
「~、ワッカンナイ(解んない)気がついたら好き。声に惚れてるのは確かだけど。もしかしたら、出会ったその日に惚れちゃったんじゃない。危ないアブナイ、25歳が8歳。出会ったあの日は~」
あがる歓声と悲鳴『アウト~』『ダメだ~』『リンちゃん逃げて~』とか。ドヤ顔の紫様。と、テト姉
「お前やっぱ真性のろ―」
テト姉ブラック、わたし、先生に睨まれ、退治される。懲りない人。後ろを向いて、押し黙ってしまう。紫様、今度は照れ笑いに変わって
「まあ、笑顔がかわいい子だなって思ったのは確か。レンの笑顔もかわいいけどさ、違うじゃない、笑い方。レンは『笑顔になっていく』感じだけど、リンは『瞬間笑顔』って感じ。七分咲きすっ飛ばして、いきなり満開の笑顔がリン」
「あ、ぽ兄ちゃん間違えたことないんだもんね、リンちゃんとレン君。京の都で聞いちゃった、リンちゃんから~。ぽ兄ちゃんにとって、特別なんだね、リンちゃん」
「あの後写真見せて貰ったら、マジでそっくりだったもんなっ、ちびリンレン。おにぃが一回も間違えねぇって、すっげぇ」
席に戻って、微笑むめぐ姉。リリ姉もキヨテル先生の上でゴキゲンさん
「はじめてリンが飛び込んできた時にさ、何かを感じた。縁(えにし)みたいなのを。俺が来た初日、リンと声を重ねたその時に、俺、想った『ああ、この子と歌って生きていくんだな』って。それがこんな形に成るとは、思わないじゃない」
「ええ~っ、初日に歌ったの、アニキ~。ぶっつけ本番でしょ~」
「会ったばかりで歌ったんですか~、驚きです~ぅ」
仰天の表情、Mikiピコちゃん。この日、メンバー周知となったこの事実。ただ
「ええ、本当よ、ふふ、思い出すわ。二人、デュエット増えたけどね、あの日以上のハーモニーは無いわ、今のところ」
「凄かったよね、め~ちゃん。ああ、ある意味運命的出会いだったのかな。リンと殿だけだった、声を合わせたの。その証の歌合わせだったのかも」
その歌声を知ってるのは、始まりの六人だけ。始まりのあの日、このリビングにいた者達だけ。ああ、もう『お一方』このリビングの『神様』も声を聴いてるかな。いつかの話題、八百万(やおよろず)
「まぁまぁ、そんな事があったのですねっ。お聴き出来なかったのが口惜しい気持ちですわぁ。ワタシ、まだその日、戻ってませんもの~」
「これから先も聞けないかもな~。悔しいケド、おれも認める。あの日、リンとがく兄すごかった」
ルカ姉『口惜しい』の言葉と裏腹。右手の平を頬に当て、うっとりしてる。レン、悔し笑い、こっちは感情のまま
「な~んかね、アレ聴いちゃったら、わたし達も歌合わせ出来なくって。尻込みしちゃった感満載~」
「それで、って感じかな。今までオレ達も、だ~れにも言わなかった思い出、いま解禁かな。や、違うか『言えなかった』のかも。本当に衝撃的でさ、神々しいって程の歌声だった」
そう言えばそうか。わたし、勝手に『自分と彼だけ』の思い出と思ってた。それは、あの日、わたしと彼の歌声を聞いた、家族達も語らなかったから。あの日の思い出を
「やっぱり特別なんだね~、に~さんとリンちゃん。ゎ~ステキ~」
目が輝くIA姉、応援し続けてくれる姉
「細かい事は解んない。けど、リンが好き。一緒に過ごしていくうちに、どんどん惹かれていったじゃない。さっきの聞こえたか、おまえ達。毎日会いたくなった時点で、きっともう好きだった、たぶん。いつの間にか、何時の間にか、俺の心は、リンの色に染まってた。それが何時からかは、思い出せないけど」
果物のタネ、形状を模したという、紫様故郷が元祖のおかき。摘まんで焼酎を一口。彼の手のひらから、わたしも種のおかきを一口。みんなも手を伸ばす
「ケガした時、買ったリボン、大切に使ってくれて嬉しい。天気の良い日は、贈ったローファー、履いてアイサツに来てくれて、さ。可愛い笑顔、満開で。あの姿見る度、俺胸キュン。家違うのに、必ず来てくれるじゃない、学校『行ってくるね~』って。そんな健気さも惹かれた所」
「そ~いや、リンさ。雨の日、靴変えてるよな、安いスニーカーにさ。アレ何で」
彼が言ってくれる『かわいい』『胸キュン』に、わたしの胸も高揚する。レンの質問にゴキゲンで
「だって、汚したくないもん、がっくんがくれた靴。大事に履いて、少しでも長く履きたいも~ん」
そう、大切に履きたいから。だから、わたしと同じ日に貰った通学靴、結果レンの方が先にくたびれた
「リンが靴を変える理由。うふふ、アタシはな~んとなく、気付いてたわぁ。神威君からのプレゼントだもの」
「一張羅にしてるリボン、ネックレス、ローファー。全部殿の贈り物だもんね、大事にするワケだよ」
さすがメイカイ夫婦。単純なわたしの思考、お見通し
「ではでは、おうちに来てくれる理由は、りんりん」
「訊くまでもね~かもな~、カ~ル。へへっ、おにぃが早出とか泊まりで居ねえと、悲しい顔するじゃん、リン」
「ふふふ、ぽ兄ちゃんはぽ兄ちゃんで、そわそわし始めるもんね。六時半が近くなると」
離れた所からイタズラモード、神威の姉。通学に時間がかかる学生組。起床は五時。朝が弱い、レンは結構苦痛のようだった。私や神威家は総じて朝型。身支度を整えて、彼の家、玄関に顔を出すのが六時半
「来てくれる理由、知りたいじゃな~い、リン~。ま、俺の落ち着き無くなる理由は、アサイチリンが待ち遠しいから。言うまでもな~い」
やっぱり兄妹、イタズラ顔がそっくり、リリカルめぐぽ。ん『めぐぽ』って何だ。ああ、めぐ姉と、ぽ兄様の事か。彼ものぞき込んでくる。わたし、イタズラっぽく顔をあげ
「だって、がっくんに会いたいから。朝一番には無理でも、やっぱりアイサツしたいもん」
メンバー歓声『おのろけ~』なんて声も聞こえる。そこでめー姉
「イタズラ笑顔、そっくりねぇ、神威家み~んな」
「ね~、めー姉、わたしも思うよ~」
わたし、感想を言ったつもりだった、返ってきた応えは
「あら、リンも含めてよ~、そっくり笑顔。ふふ、神威の妹から、神威の『義姉(あね)』に成るわねぇ。神威のお家、神威君に嫁ぐんでしょう、リ~ン」
「ふふふ、りんりん、かるの義姉(おねえ)ちゃ~ん」
「でゎ~、目出度く結ばれたぉ二人に、インタビュ~。喉の滑りを良くしましょ~。はい、に~さ~ん、お祝いのお酒~」
「お、ありがたいじゃない、ありがとう、IA」
IA姉、にこやかに質問、祝福のお酒を注がれる彼
「ぽ兄ちゃん、どしてリンちゃんがそんなに好きなの~。はいっリンちゃんも飲み物どうぞ~」
「ありがと~めぐ姉」
「あ~スマホがあれば撮ったのにい゙い゙い゙~」
「ミク殿、拙者のTablet(タブレット)で撮影を。コレハ残しておきたい動画でゴザル」
めぐ姉の言葉で、思案に入る紫様。ミク姉、アル兄にタブレットを拝借し、嬉々として撮影開始
「はいっ、REC開始っ、イイよ~がくさ~ん」
わたしを好いた理由『話してイイ』と言うこと。ミク姉の声、上を向く彼、言葉が出ない。しばし無言に『アレ』っと誰か声を上げる
「~、ワッカンナイ(解んない)気がついたら好き。声に惚れてるのは確かだけど。もしかしたら、出会ったその日に惚れちゃったんじゃない。危ないアブナイ、25歳が8歳。出会ったあの日は~」
あがる歓声と悲鳴『アウト~』『ダメだ~』『リンちゃん逃げて~』とか。ドヤ顔の紫様。と、テト姉
「お前やっぱ真性のろ―」
テト姉ブラック、わたし、先生に睨まれ、退治される。懲りない人。後ろを向いて、押し黙ってしまう。紫様、今度は照れ笑いに変わって
「まあ、笑顔がかわいい子だなって思ったのは確か。レンの笑顔もかわいいけどさ、違うじゃない、笑い方。レンは『笑顔になっていく』感じだけど、リンは『瞬間笑顔』って感じ。七分咲きすっ飛ばして、いきなり満開の笑顔がリン」
「あ、ぽ兄ちゃん間違えたことないんだもんね、リンちゃんとレン君。京の都で聞いちゃった、リンちゃんから~。ぽ兄ちゃんにとって、特別なんだね、リンちゃん」
「あの後写真見せて貰ったら、マジでそっくりだったもんなっ、ちびリンレン。おにぃが一回も間違えねぇって、すっげぇ」
席に戻って、微笑むめぐ姉。リリ姉もキヨテル先生の上でゴキゲンさん
「はじめてリンが飛び込んできた時にさ、何かを感じた。縁(えにし)みたいなのを。俺が来た初日、リンと声を重ねたその時に、俺、想った『ああ、この子と歌って生きていくんだな』って。それがこんな形に成るとは、思わないじゃない」
「ええ~っ、初日に歌ったの、アニキ~。ぶっつけ本番でしょ~」
「会ったばかりで歌ったんですか~、驚きです~ぅ」
仰天の表情、Mikiピコちゃん。この日、メンバー周知となったこの事実。ただ
「ええ、本当よ、ふふ、思い出すわ。二人、デュエット増えたけどね、あの日以上のハーモニーは無いわ、今のところ」
「凄かったよね、め~ちゃん。ああ、ある意味運命的出会いだったのかな。リンと殿だけだった、声を合わせたの。その証の歌合わせだったのかも」
その歌声を知ってるのは、始まりの六人だけ。始まりのあの日、このリビングにいた者達だけ。ああ、もう『お一方』このリビングの『神様』も声を聴いてるかな。いつかの話題、八百万(やおよろず)
「まぁまぁ、そんな事があったのですねっ。お聴き出来なかったのが口惜しい気持ちですわぁ。ワタシ、まだその日、戻ってませんもの~」
「これから先も聞けないかもな~。悔しいケド、おれも認める。あの日、リンとがく兄すごかった」
ルカ姉『口惜しい』の言葉と裏腹。右手の平を頬に当て、うっとりしてる。レン、悔し笑い、こっちは感情のまま
「な~んかね、アレ聴いちゃったら、わたし達も歌合わせ出来なくって。尻込みしちゃった感満載~」
「それで、って感じかな。今までオレ達も、だ~れにも言わなかった思い出、いま解禁かな。や、違うか『言えなかった』のかも。本当に衝撃的でさ、神々しいって程の歌声だった」
そう言えばそうか。わたし、勝手に『自分と彼だけ』の思い出と思ってた。それは、あの日、わたしと彼の歌声を聞いた、家族達も語らなかったから。あの日の思い出を
「やっぱり特別なんだね~、に~さんとリンちゃん。ゎ~ステキ~」
目が輝くIA姉、応援し続けてくれる姉
「細かい事は解んない。けど、リンが好き。一緒に過ごしていくうちに、どんどん惹かれていったじゃない。さっきの聞こえたか、おまえ達。毎日会いたくなった時点で、きっともう好きだった、たぶん。いつの間にか、何時の間にか、俺の心は、リンの色に染まってた。それが何時からかは、思い出せないけど」
果物のタネ、形状を模したという、紫様故郷が元祖のおかき。摘まんで焼酎を一口。彼の手のひらから、わたしも種のおかきを一口。みんなも手を伸ばす
「ケガした時、買ったリボン、大切に使ってくれて嬉しい。天気の良い日は、贈ったローファー、履いてアイサツに来てくれて、さ。可愛い笑顔、満開で。あの姿見る度、俺胸キュン。家違うのに、必ず来てくれるじゃない、学校『行ってくるね~』って。そんな健気さも惹かれた所」
「そ~いや、リンさ。雨の日、靴変えてるよな、安いスニーカーにさ。アレ何で」
彼が言ってくれる『かわいい』『胸キュン』に、わたしの胸も高揚する。レンの質問にゴキゲンで
「だって、汚したくないもん、がっくんがくれた靴。大事に履いて、少しでも長く履きたいも~ん」
そう、大切に履きたいから。だから、わたしと同じ日に貰った通学靴、結果レンの方が先にくたびれた
「リンが靴を変える理由。うふふ、アタシはな~んとなく、気付いてたわぁ。神威君からのプレゼントだもの」
「一張羅にしてるリボン、ネックレス、ローファー。全部殿の贈り物だもんね、大事にするワケだよ」
さすがメイカイ夫婦。単純なわたしの思考、お見通し
「ではでは、おうちに来てくれる理由は、りんりん」
「訊くまでもね~かもな~、カ~ル。へへっ、おにぃが早出とか泊まりで居ねえと、悲しい顔するじゃん、リン」
「ふふふ、ぽ兄ちゃんはぽ兄ちゃんで、そわそわし始めるもんね。六時半が近くなると」
離れた所からイタズラモード、神威の姉。通学に時間がかかる学生組。起床は五時。朝が弱い、レンは結構苦痛のようだった。私や神威家は総じて朝型。身支度を整えて、彼の家、玄関に顔を出すのが六時半
「来てくれる理由、知りたいじゃな~い、リン~。ま、俺の落ち着き無くなる理由は、アサイチリンが待ち遠しいから。言うまでもな~い」
やっぱり兄妹、イタズラ顔がそっくり、リリカルめぐぽ。ん『めぐぽ』って何だ。ああ、めぐ姉と、ぽ兄様の事か。彼ものぞき込んでくる。わたし、イタズラっぽく顔をあげ
「だって、がっくんに会いたいから。朝一番には無理でも、やっぱりアイサツしたいもん」
メンバー歓声『おのろけ~』なんて声も聞こえる。そこでめー姉
「イタズラ笑顔、そっくりねぇ、神威家み~んな」
「ね~、めー姉、わたしも思うよ~」
わたし、感想を言ったつもりだった、返ってきた応えは
「あら、リンも含めてよ~、そっくり笑顔。ふふ、神威の妹から、神威の『義姉(あね)』に成るわねぇ。神威のお家、神威君に嫁ぐんでしょう、リ~ン」
「ふふふ、りんりん、かるの義姉(おねえ)ちゃ~ん」
作品名:はじまりのあの日22 違和感の正体と告白 作家名:代打の代打