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エースコンバット レイム・デュ・シュバリエール

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「……いよしっ!」
 その時、HUDが示す高度は150フィート(約46メートル)ほど。海抜高度なので、地面との距離はもう少し短い。超音速のヒコーキから見れば、この高さは超低空だ。
 間に合った。機体は高度をどんどんと得ていき、墜落の心配は去っていった。やれやれだね。
「見たかい、あたしのリカバリー! どんなもんだい!」
 得意げに前にいるアイツに自慢してやった。これが経験の差ってやつだってね。
「…………」
「……なんだい、ちっとは反応してくれたっていいじゃないか。恥ずかしい」
 意気消沈しているアイツは返事も返さない。ま、もともと無口だけれど。
 そして、そうこうしていると、無線機からオヤジ声が響き出す。
「チャッティ、ストールしていたみたいだが、無事か?」
 バートレット教官からの通信だ。あたしは胸を叩いて応答する。
「へへ、この通り。ピンピンしてるよ教官殿」
「そりゃ結構で。前のお嬢さんはどうだい?」
「…………」
 アイツの返事はない。完全に落ち込んじまってるね。
「チャッティおめえ、またいらん事を言いやがったな」
 それに便乗し、教官はふざけたことを言い出す。
「なんも言ってないよ! 聞いてたくせに」
「とにかく、もう十分だ。お嬢さんにその『価値』があるのか、見定めを聞かせてもらうぜ」
「たく……ウィルコ(了解)。わかったよ、ハートブレイク・ワン」
 一通り終えたあたしは大きく息を吐いて滑走路の位置を確認、同時におりたときのコメントも考えておくことにした。
 さあ、どう言ったものか……ってね。
「チャッティ、着陸チェックを実施せよ。着陸を許可する」
「ウィルコ。ギアダウン……ドラッグシュート、展開準備……」
「…………」
 長いようで短かった、『リボン付き』の濃い初飛行が終わりを迎える……