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さみしさの後ろのほう 11~15

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結局菊を脅す事数回。私達友達ですよね?友達ですよね?と若干涙目になった菊に確認される事も数回。嗚呼、そうだ。俺達は友達だ。でも奇麗事で済ませる程世の中は甘くないんだぜ?
そんな菊が圧倒的に不利な立場に置きながら、俺は無理矢理菊に弟子入りした。何って、UFOキャッチャーの。
私が悪かったです、ごめんなさい。そろそろ怯えてきた菊を更に脅迫。そうして手にいれたのは帝の家の合鍵。



午前一時少し前。俺はとあるマンションのドアの前に立っていた。
後ろめたさが無い訳では無い。けれど、それ以上にやりたかった。
静まり返った夜の闇の中では解錠する際の音すら大きく響く。情けない事に心臓が一跳ねした。

間取りはこの前ので大体把握している。明かりの無い廊下を慎重に進む。物音一つ立てたらそれが最後、かもしれない。
普通に歩けば数歩分の廊下をかなりの時間かけ歩き、リビングを渡る。そして、寝室。しっかりと閉められた引き戸の向こうの様子を窺う事は出来ない。

帝はやはりあんな性格だからか、規則正しい生活をしているらしい。菊曰く日付が変わる前には寝ていると思います。
まさか菊がわざわざ嘘を吐くとは思わない。けれどもしたまたま今日起きていたら?なんて思い始めると止まらない。どうする?止める?帰る?まさか!大丈夫だ、俺。なんとかなる。きっと。……多分。
深呼吸してから戸を開けた。