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『掌に絆つないで』第二章

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Act.12 [幽助] 2019.6.19更新


改めて飛影捜索開始となったわけだが、広い魔界でたった一人を探すことは至難の業。躯でさえも、彼の行動の全ては把握できていないらしい。
「勘のいいあいつのことだ……母親が蘇ったのは冥界エネルギーによるものだと、すでに気づいたのかもしれん」
「だったらなんで、いなくなっちまったんだよ」
「その逆だ。気づいたから姿を消したのだ、母親を守るために」
母親を守るため。
コエンマの言葉に、幽助は雪菜を振り返る。雪菜は思案に暮れるような表情で、ただ黙って彼らの会話を聞いていた。
同じなんだ、飛影も。
ようやく幽助は気づいた。霊界が冥界を封じれば、母にはもう会えなくなる。それを知っていて、冥界玉の力ごと母親を幽助たちの前から引き離したのだ。
ずっと願っていてやっと会えたっていうんだから、当たり前か……けど、このままじゃヤバイわけだし……。
「で、どうやって飛影を探す?」
「う~~~む。こんなとき、飛影がいれば飛影の邪眼で捜索できるというのに」
「…コエンマ様ったら。それ、前に私も同じ……」
上司のマヌケな提案にツッコんだぼたんが、直後、「幽助だ!」と叫んだ。
「は!? なんだよ、オレは邪眼なんてねーぞ?」
「違うんだよ、あんただよ! あんたを助けに行くのに飛影を探したとき……あのときはイタコ笛だったけど…っ、そう、七つ道具!」
「霊界七つ道具か?」
「あれの妖気計を使うんだよ!」
ぼたんの説明によると、妖気計に探し人の身体の一部を入れると、その特定人物の方角を指すという機能があるらしい。
「へえ、便利だな」
「……あんたには全部説明してあるはずだけど」
「オレが覚えてるわけねーじゃねーか。でもさ、飛影の身体の一部ったって……」
「飛影の髪の毛とか、爪とか、そういうのでいいんだよ」
「髪の毛ならあるぞ?」
ぼたんの発言に、躯が応じた。
「ほんとかい?」
「ああ、多分。飛影がいつも使ってるハンモック、髪が絡むと文句を言っていたからな。あれは飛影しか使わないものだから、絡んでる髪はあいつのものと見て間違いないだろう」
「さすが躯さねー!」
ぼたんと幽助は、さっそく飛影専用のハンモックを調査した。
「おーっ、あるある」
「これで飛影を見つけられるよ!」
麻の間に絡まった飛影の髪をかざしながら、ぼたんと幽助は掌を打ち付け合った。