二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

テイルズオブジアビス 星の願いが宿る歌2

INDEX|8ページ/34ページ|

次のページ前のページ
 


 * * *

「全っ然捕まらねえ!!」
 街中歩き回った結果、ルークは膝に手をつきそう叫んだ。疲れを見せるルークの顔をミュウが心配そうに見上げる。まだ高かった日もすっかり傾き、ダアトの街をオレンジに染め上げている。なにもなければ、整然とした街並みと柔らかな色合いの美しさに胸を震わせるような光景だが、人探しが芳しくない今、忌々しさしか感じない。
 無駄とわかりつつも、今にも沈んでしまいそうな太陽を睨んでルークはまた大きく息をつく。そんなルークの視界の脇に水が入ったボトルが差し出される。礼を言って受け取り、口をつける。冷たい水が胸を通ると、体の重さを少し和らげてくれるような気がした。
「目撃情報がこれだけあるのに、ここまで捕まらないのは珍しいわね」
 尋ね人ディケ・ウェストンはどうやらかなり目立つ人物らしく、行く先々で目撃証言が得られた。しかしそのどれもが
『確かに、数日前に一度見かけました。ですがそれっきりです』
『一週間前まで通ってたけど、そういえばそれ以来見てないね』
『あーいたいた。あのうるさい人でしょ。最近は来てないよ。来たらすぐに分かるから、これは本当』
『お連れ様は今朝もいらっしゃいましたが、ご本人は来館されてませんよ』
 といったものばかりで足取りは掴めず仕舞いだった。もしかしたら既にダアトを離れているのかとも思ったが、連れはまだいる、ということなのでそれは考えにくかった。
 ルークは疲労も一緒に飲み込むようにボトルを一気に傾ける。中身を飲み干したボトルの栓を閉めて腰のベルトに引っ掛けていると人の波を掻き分けてガイが姿を見せた。
「この時間でも結構な人だな」
 ここに戻ってくるのも一苦労だったぜ、と少し大袈裟に息を吐いて見せた。
「どうだった?」
「やっぱり宿屋の方は空振りだった。連れっていうのも今日は出たっきり戻ってないらしい」
 調査する中でディケの宿泊先を突き止め、ガイに赴いてもらっていたのだがこちらも成果は芳しくなかったようだ。
「どうする? 宿屋に戻ってくるのを待ってみる?」
「いや、それよりも……ここに戻る途中気になることがあってさ」
 ガイが道中、喧騒を耳に挟んだという教会前の大階段へ向かうことにした。