機動戦士ガンダムRSD 第37話 不屈の意思
無論このような大規模工事を行われればコロニー軍にばれる可能性があった。
そのため基礎工事と擬装工事のを行う際ヨーロッパにデストロイガンダムを侵攻させ破壊活動を行いコロニー軍の目を欺かせる必要があった。
見事作戦は、成功しレクイレムはコロニー軍にばれることなく順調に工事が進められていた。
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アークエンジェルのブリッジにいたミリアリア少尉がオーブ政府の正式回答を傍受した。
その回答は、スピーカーに出された。
「オーブ政府を代表して通告に対して回答する」
その声は、カガリ代表だった。
皆は、緊張した趣で回答を待った。
「貴官らが引渡しを求めているミネルバ、アークエンジェル及びガーティー・ルーの3隻はたしかにオーブ国内に存在する」
カガリ代表の言葉にアークエンジェルのブリッジの皆は、息を飲んだ。
「カガリ様」
オーブ兵士は、戸惑いを含ませた声で言った。
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それは、ミネルバでも同じだった。
特にアーサー副長の動揺は、激しかった。
「いいから黙って」
タリア艦長は、アーサー副長を黙らせた。
「しかしわがオーブは、コロニー軍の戦い方に疑問があり地球軍の三大旗艦であるこの3隻の引渡しを受け入れられない。
よってこのような武力もった恫喝行為をわがオーブ政府は、侵略行為とみなし全軍をもってしてこれを排除させてもらう」
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マーク中将は、その回答を静かに聞いていた。
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カガリ代表は、握りこぶしを作った。
「攻撃開始だ」
カガリは、下令した。
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そしてそれを皮きりにオーブ艦隊は、SSMを発射した。
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それは、コロニー艦隊も確認できた。
「ミサイルきます」
オペレーターが状況を報告した。
「迎撃」
マン・マシーン部隊の一斉射撃でSSM全弾が迎撃された。
その爆光の中から無数のモビルスーツが接近してきた。
そしてマン・マシーン隊と交戦になった。
マーク中将は、アドラステアで状況を聞いた。
「もはやどうにもならないようだな」
そういってマーク中将は、立ち上がった。
「この期に及んでこんな言葉でわれわれも身を引くわけには、行かない。
撃ってきたのは、地球軍なのだ。
確かにわが軍も多くの地球に住む民間人を戦禍に巻き込んできた。
しかしそれは、戦争なら仕方ない行為である。
優秀な軍とは、その被害をどれくらい抑えられるかにかかっている。
諸君らの力で民間人への被害を最小限にしあの3隻をオーブから引きずり出せ」
マーク中将は、オーブ近海にいる全兵士に命令した。
「了解」
マーク中将の命令に部下たちが敬礼した。
※
マン・マシーン第一攻撃部隊を指揮するマックス大佐は、ビームライフルで一機のモビルスーツ形態のムラサメを撃墜した。
さらにもう一機のモビルスーツ形態のムラサメをビームライフルで撃墜した。
そして3機目のモビルアーマー形態のムラサメのコックピット部分を踵落としでつぶして撃墜した。
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ミリアリア少尉がラミアス艦長に戦闘が始まったことを報告した。
ラミアス艦長は、驚いた。
「オーブ軍の状況は?
それと避難状況は?」
ラミアス艦長が矢継ぎに質問した。
「戦況の詳しい情報は、まだ入ってきてませんが避難はほぼ完了しました」
ラミアス艦長は、避難がほぼ完了していることにひとまず安堵した。
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マックス大佐は、2機のモビルスーツ形態のムラサメのビームライフルをシールドで防ぐとビームライフルで2機連続を撃墜した。
さらに1機のモビルスーツ形態のムラサメを頭部バルカン砲で撃墜した。
そして1機のモビルアーマー形態のムラサメの左翼をメガビームライフルで破壊した。
しかしムラサメは、左翼を破壊されてもなおビームライフルを撃った。
それをマックス大佐は、メガビームシールドで防いだ。
そのためマックス大佐は、再度ビームライフルを撃って手負いのムラサメを撃墜した。
そして1機のモビルスーツ形態のムラサメをビームサーベルの主刀で斬った。
これによって突破口が開いた。
「マン・マシーン隊、我に続け」
マックス大佐と他数10機がオーブ領土上空内に入った。
しかしいざ領土上空内に入るとリニア・ガンのリニアガンとアストレイ部隊の猛攻にさらされた。
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その情報は、すぐにアークエンジェルに入った。
「コロニー軍のマン・マシーン隊の一部がオーブ領土に侵入。
国防陸軍と国防空軍が防衛に当たっています」
その報告を聞いてラミアス艦長は、マードック曹長に通信を入れた。
「アークエンジェルは、まだ出られない」
ラミアス艦長は、いてもたってもいられなかった。
「無理ですよ。
まだエンジンが終わっていないんですから」
ラミアス艦長は、マードック曹長からの報告にイライラ感を募らせていた。
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それは、オーブ軍国防国防本部でも確認できた。
「敵マン・マシーン群、展開。
数40。
侵攻してきます」
オペレーターがマン・マシーンが上陸したことを報告した。
「第一護衛隊群、半数が壊滅」
オペレーターが護衛艦隊の被害を報告した。
「第二護衛隊群にも被害が広がっています」
別のオペレーターが護衛艦隊の被害が広がっていることを報告した。
「国防空軍のムラサメ第一小隊から第二小隊の反応が消えました」
もう一人のオペレーターがモビルスーツ隊の戦況を報告した。
「国防陸軍と国防空軍の戦力をイザナギ防衛に集中させろ。
やつらの侵攻を許すな」
オーブ軍国防国防本部では、戦況の劣勢と部隊の移動命令だけが飛び交っていた。
そこにカガリが入って来た。
「戦況は?」
カガリは、いたって冷静だった。
自分があせっても部下たちが恐れるだけだと前大戦で知ったからだ。
「よくありません。
今ミネルバ、アークエンジェル及びガーティー・ルーのモビルスーツの発進要請をしています」
カガリの質問にここの司令官のソガ一佐が答えた。
「シグレは?」
シグレとは、オーブ軍が開発した新型モビルスーツのことである。
「すでに発進準備をさせております」
カガリは、本当は自分も前線に立って戦いたかった。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第37話 不屈の意思 作家名:久世秀一