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『掌に絆つないで』第四章(後半)

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赤紫色の光に包まれた女神との最期の口付け。それが交わされるや否や、螢子の身体は消え失せ、光の玉と化して暗い夜の校庭に吸い寄せられていった。
大きく見開いた瞳に映るのは、残された星の光だけ。
握り合わせた両手の高さはそのままに、幽助はうな垂れた。

ずっと、見ててくれよな、螢子。それに桑原。
オレはきっと胸張って生きていけるから―――。

跪き、高く持ち上げたままの両腕に額を押し付けて、幽助はあふれ出しそうな涙を堪えた。
その姿は、まるで神に祈りを捧げているようにも見えた。