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代打の代打
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はじまりのあの日~一夏の恋の物語1~

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「お味噌汁、わたし、がっくんと作る~」
「ぁわたしぉ手伝い~。カイトのに~さん、手伝うよ~ぅ」

リン、冷蔵庫から豆腐三丁を取ってくれる。IA、萌え袖振ってから腕まくり。可愛いの二人が手伝ってくれる、俺達幸せ

「よっし、カツ節と昆布、今日も本物で取っちゃおうじゃない、お出汁様~」

俺、大鍋に水を張る

「よ~し、タコさん作ろっかな。IAちゃん、コッチの一袋お願いして良いかな」
「よ~ろこんで~」

タコ軍団、あわせて三袋分のウインナーを調理にかかるダチ

「うい~、良いにおいがたち込めてるぜ~」

頭を掻きながら来る重音。キッチンのソファ、身を投げるように座って、TVを点ける。清々しいまでに、手伝う気がないじゃない。元っから、期待してないけど。TVの音BGMに、しばらく作業

「お茄子収穫して参りました、オクラも美味しそうですよ~」
「洗ってきたから、このまんま使えるぜ、土手かぼちゃ~」

今度は、イイコちゃんズ、キヨリリが、野菜を手にやって来る。お、今、大事なことにも気がついた

「ぽ兄ちゃん、ぬか床ごと持ってきた~」
「二つぼぶんの、じかせい、おてせい」

めぐカルも戻って来たから、訊こうじゃない

「ありがとう、先生、リリちゃん。オクラは、コンロで炙ろう」

火で炙ると、髭が消えるじゃない、カイト。俺、重要事項を訊いてみる

「おまえ達、今日の味噌は何味噌がいい、味噌汁の。自家製か、白味噌か。米麦、八丁。赤だしに仙台、どれがイイ~。ありがとう、めぐ、カル」

問うてみる、華やぐメンバー、仲良く検討。その日の気分で、お好み味噌汁。コレには参加、重音『豚汁』っとかホザイタ。それは却下だ重音、具までリクするんじゃあない。楽しそうな『喧々諤々(けんけんがくがく)』の末、出てきた答えは

「おかず味噌汁であれば、赤出汁が良いのでは、と結論に至りました」
「一日一回なら、塩分もセーフだしなっ、センセ」

味噌汁は、朝か晩、どちらか一回がメンバーの規則。減塩大事。冷蔵庫から、赤だしを取る

「イイね~、ご飯進んじゃいそうっ。あ、がっくん、油揚げ切っておいたよ~」
「お利口さ~ん、よし、リン、茄子も切って欲しいじゃない。~、茄子か、リン覚えてる、初めての包丁」

ボウルに入れた油揚げ、五枚分、手渡してくれるリン。ちょっと思案した後

「あ、切ってた~、ピーマンと茄子~。一緒に包丁~」
「ぁ~、ミクちゃんが見せてくれたぁの~」

あの日も茄子だった。IA、あの写真は初めての日じゃ~ない

「嬉しいな~がっくんもちゃんと覚えてくれてるんだ~」
「キミと俺の思い出じゃない、忘れるはずない」
「ぅ~ふふ、堂々とオノロケしますねっ、に~さん、リンちゃん」

俺、手の上で豆腐を切って鍋へ。リン、茄子のヘタを取る。うんうん、教えたとおりの取り方じゃない

「ふぇへへ、又『疑惑』が深くなるぜ~ぇ。神威『に~いち』疑惑~」
「好きにホザコウじゃない、重音。俺はリンが好きで、子供も好き。でも『少女趣味』でなけりゃ『少年趣味』でもない。レンだって、ま~だ可愛い盛りじゃな~い」

レンと天使の『融合造語』アイツ素で可愛いじゃない。ちょっと将来が心配。子供は可愛いけど、どこまで行ったって『恋愛』の対象に考えられない。子供を恋人にする、大人が。イヤイヤイヤ、俺は無理。だからリンとも

「テト姉さん、それヤメテあげて。殿、本当に切ない思い、してるんだから。リンと恋人に成れなくて」
「テト姉、わたしもう『滑走路』じゃあないも~ん。がっくん、まっててね、大人のわたしを。一番の『仲良しさん』でっ」

そう、リンと俺は『仲良しさん』何処まで行っても恋人じゃない。そう言って、お互いの『恋心』は認め合ってる。カミサマノヒマツブシ。それでも『恋人』は出来ない

「仲良しさんなの、知ってるよ~ぅ」

IA、のほほんボイスが癒してくれる。手元を見ると、カイトとタコの形が違うじゃない、微妙に。この手作り感がイイじゃない『ワリッタ、ワリッタ』重音、アレは反省無いな。リン、あまり大きな声で言わな~い。そ~う、だからさっき感触が違った、今までと。迂闊なことはできない、か

「リ~ンちゃん、大人っぽく成ってきてるカナ~。髪も、少しずつ伸びてきてるよね。だ~か~ら、めっ。はしたないこと言ったらめっ。お姉ちゃん、怒っちゃうカナ~」

めぐナイス。その注意の仕方、イイじゃない。素晴らしい妹で良かった

「ははは、おにぃ、がんば~。来年のリンとか、ウチに益々似てくるんじゃね~の~」
「ありがと~リリ姉。ふふふ、楽しみにしててね、がっくん」

それな、リリ。お前の『体型』に似たら、益々持って俺、しんどい。リン、楽しさと切なさと『空恐ろしさ』も含むじゃない。かぼちゃ、一回レンジで温める。すると、切り分けがしやすい。種とって、皮ごと、出汁素材と煮込んでいく

「押忍ッ皆さんオツ(おつかれ)っす。今割合みんなリビング集まりはじめてっす。手伝うことあるすか、ガクサン、カイサン。あ、メグサン、オッス」
「おはよ~、ゆ~まく~ん」

勇馬が来たな、お前もテンション上がってるんじゃない。声が楽しげ。めぐと微笑みあってる

「今はまだ無いかな、もう少しで完成するから~。ああ、そろそろみんなに、食器とか運んでもらえる」
「っす、カイサン。じゃみんなに知らせに行くついでに、ソースとか運ぶす」

俺達の後ろを抜けて冷蔵庫を漁る

「はい、がっくん茄子~」
「ありがと~う、よし、サッと揚げて味噌汁入れればかんせ~い」

油は控えめ、時間もササッと。軽く白出汁で味付ける。カイト、タコさんを炒めにかかる。と、閃いちゃう

「ついでじゃない、食べ物は粗末にしな~い。カボチャの種炒って、女王陛下のツマミにしちゃおう」
「あ、わたしも好き~、かぼちゃの種~」
「ぉやつにも最適ですね~ぇ」

可愛い子二人、おやつにもイイじゃない。ナッツ感覚、かぼちゃの種

「ふふふ、いいねぇ殿。め~ちゃん喜ぶよ」

こちらは油、使わない。フライパンに、焦げないシートで充分じゃない。ウインナー炒めてるカイト、メイコの喜びが、お前の喜びになるじゃない

「あ~、このニオイ、たまんねっす、カイサン」

好物じゃない、勇馬、赤タコケチャップソース

「よし、これで味噌汁完成。勇馬、鍋敷きも運んでくれ」
「さぁ~楽しいぁさご飯ですね~」

IA手を洗って、袖を萌えに。勇馬がメンバー呼びに行く。カイト、ウインナーを大皿へ。コレはお好みで、好きな数食べようじゃない

「キッチンテーブル、お総菜屋さんみたいだね。持って行くお料理も併せて~」

リンの笑顔が眩しいじゃない、あ~かわいい

「出来たか、朝食~。さすがに腹がペコちゃんだぜ~」
「うん、テトさん。今ね、カルちゃんとお漬け物切ったら出来上がりかな~」

『さっそく』なんて摘まむんじゃない、重音。お前結局、なんにもしてない。つまみ食い目的で来たのか、台所に